転生悪役令嬢、物語の動きに逆らっていたら運命の番発見!?

下菊みこと

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元気になったところで攻略対象その一とその二と会わせる

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シャルルはあの日、思いっきり泣いて以降元気になったらしい。引きこもりを卒業して、勉強と魔法に打ち込んでいると聞いた。

そして、私はそんなシャルルにカジミールも誘って会いに行ったりしている。

カジミールとシャルルはそれぞれ騎士団長息子と魔法師団長息子なので話しが合うらしく、すぐに仲良くなった。

「ねえ、シャルル様。今度私、カジミール様と一緒にオードリック様に会いに行くんです」

「第一王子殿下に?それはまたすごいね」

「シャルル様も一緒に行きませんか?」

「え、私も?」

「はい。オードリック様もきっとお喜びになりますよ」

仲良くなる分には誰にも損はないだろう。

「…じゃあ、お願いしようかな」

「じゃあ、その日迎えに来ますね」

「よろしく」

こうして攻略対象三人が揃うことになった。





















「お初にお目にかかります。シャルル・コロンブ・ドナシアンと申します。以後よろしくお願いします」

「オードリック・バジル・アルヴィアだ。よろしく頼む」

シャルルは少し緊張した様子だったが、いざ会ってみるとすぐに仲良くなった。

「しかし、魔法師団長の息子はさすがだな。もうそこまで魔法を使いこなしているとは」

「いえ、亡き母の自慢の息子になりたくて頑張っているだけです」

「立派な志しだな」

これでもう、シャルルが引きこもりに戻ることはないだろう。






















「エリアーヌ」

「はい、お母様」

「シャルル様のお友達になってくれてありがとう。シャルル様が明るくなったと、侯爵様が喜んでいたわ」

「それは良かったです」

お母様に頭を撫でられて嬉しい。

「それでね、もしよければシャルル様とエリアーヌを婚約させないかってお話があるのだけど、どうかしら?」

いきなりの話に焦る。だからそれはダメなんだって!

「お、お母様!シャルル様にはもっと相応しい方がいらっしゃいますわ!私などではとてもとても!」

「で、でもシャルル様は乗り気だと聞いたわ。悪い話ではないはずよ?」

「お母様!私まだ婚約者を決める年齢でもないですわ!」

「生まれながらの婚約者がいる方もいるわ」

「お母様お願い!私辞退したいの!」

お母様はそんな私の様子に、ため息をついた。

「良いお話だと思うのだけど…エリアーヌがそこまで嫌がるのなら仕方ないわね。けれどね、エリアーヌ」

「はい、お母様」

「いつかは、誰かと結婚することになるわ。これは避けられないことよ。いつまでも嫌々は通じないわ。…いいわね?」

「…はい」

お母様の言うことは正しい。私だっていつかはとは思ってる。ただ、攻略対象である彼らさえ避けられればそれでいい。…出来れば、運命の番を見つけたいけれど。

「良い子。わかっているならいいのよ。じゃあ、断っておくわね」

「ありがとうございます、お母様」

まあ、とりあえずこの場はなんとかなってよかった。
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