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朝を迎えた
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フェリーク様を寝かしつけて、自分も眠気に身を任せて眠った。
疲れていたのか、ぐっすりと眠れた。
朝、カーテンの隙間から陽の光が差して眩しさに目を覚ます。
同じようにフェリーク様も起き出した。
「んん…」
「んっ…おはようございます、フェリーク様」
「んぁー…?あ、おはようリーシュ。良い朝だね」
身体を起こして、伸びをするフェリーク様。
いつのまにかいないミネットちゃんに焦ったが、ちょうどそこでミネットちゃんが戻ってきた。
「にゃーん」
「ふふ、朝ごはん出来たって」
「あ、はい。ありがとう、ミネットちゃん」
「にゃーん」
「おれも朝ごはん食べちゃうから、リーシュも食べておいで」
フェリーク様に従って、ミネットちゃんに呼ばれるままに階段を降りる。
降りたところで着替えもしてないなと思い至った。
でもフェリーク様は多分今頃お食事中なので邪魔はできないなぁ。
あ、食べる部屋は別だからいいか。
でもご飯の準備できてるなら冷めるとあれだし食べてからでいいか。
「にゃーん」
「いただきます」
今日の朝ごはんはトーストとスクランブルエッグにベーコン、あと野菜スープ。
「んー、すごく美味しい」
「にゃーん」
褒められて嬉しそうなミネットちゃんに癒される。
可愛い。
「あ、ごめんね忘れてた。おはよう、ミネットちゃん」
「にゃーん」
「今日もよろしくね」
「にゃっ」
なんて可愛らしい生き物だろう。
好き。
そんなことを思いつつ、もきゅもきゅ食べる。
「にゃーん」
「ご馳走さまでした」
とても美味しいので気が付いた時には完食し、お腹いっぱいになっていた。
「にゃ」
食器もミネットちゃんが下げてくれる。
その後ミネットちゃんに促されるままに歯磨きやら洗顔やら髪を梳くやら全部終わらせて、二階に上がった。
自室で寝巻きから着替えて、よし準備完了と思ったらなにやらミネットちゃんが張り切って準備を始めた。
「ミネットちゃん?」
「にゃーん」
ミネットちゃんに促されるまま自室のドレッサーの前に座る。
するとミネットちゃんは魔法でアイロンを動かして髪を巻いてくれた。
髪型を変えるだけでめちゃくちゃ可愛くなって感動する。
「ありがとう、ミネットちゃん!」
「にゃーん」
ミネットちゃんとともに自室を出ると、やっと食事を終えたらしいフェリーク様が出てくる。
「あれ?リーシュその髪型似合うね!可愛い!」
「そ、そうですか?えへへ…」
「うん、すごく可愛い!抱きしめたい!」
「あ、じゃあ腕と口元拭くのでお待ちくださいね」
用意のいいミネットちゃんから濡らしたタオルを預かってフェリーク様の腕と口元を拭う。
「ふふ、おれこれ好き」
「そうですか、なら良かったです。はい、これで綺麗になりました!」
「やった!」
フェリーク様は待ちきれなかったとでも言うように私をぎゅっと抱きしめる。
「ふふ、幸せ」
「私もです」
「え?」
「ぎゅってしてくれる人がいるのは幸せなことですから」
荒んだ家庭内で育ったので、こういうのは実は慣れてない。
けれど確かな幸せを感じる。
「…リーシュ、これからはおれがずっとそばにいるよ」
「ふふ、頼りにしていますね」
フェリーク様は優しいから、きっとずっと一緒にいてくれる。
だから私も、フェリーク様に寄り添えたらいいな。
「きっと、気付いた頃にはこんな日々が日常になるんでしょうね」
「なにそれ、最高」
「毎日でもハグをして愛情を育てましょうね」
「うん、是非!」
フェリーク様にさらにぎゅっとされて、私はなんとも言えない安堵感に包まれた。
疲れていたのか、ぐっすりと眠れた。
朝、カーテンの隙間から陽の光が差して眩しさに目を覚ます。
同じようにフェリーク様も起き出した。
「んん…」
「んっ…おはようございます、フェリーク様」
「んぁー…?あ、おはようリーシュ。良い朝だね」
身体を起こして、伸びをするフェリーク様。
いつのまにかいないミネットちゃんに焦ったが、ちょうどそこでミネットちゃんが戻ってきた。
「にゃーん」
「ふふ、朝ごはん出来たって」
「あ、はい。ありがとう、ミネットちゃん」
「にゃーん」
「おれも朝ごはん食べちゃうから、リーシュも食べておいで」
フェリーク様に従って、ミネットちゃんに呼ばれるままに階段を降りる。
降りたところで着替えもしてないなと思い至った。
でもフェリーク様は多分今頃お食事中なので邪魔はできないなぁ。
あ、食べる部屋は別だからいいか。
でもご飯の準備できてるなら冷めるとあれだし食べてからでいいか。
「にゃーん」
「いただきます」
今日の朝ごはんはトーストとスクランブルエッグにベーコン、あと野菜スープ。
「んー、すごく美味しい」
「にゃーん」
褒められて嬉しそうなミネットちゃんに癒される。
可愛い。
「あ、ごめんね忘れてた。おはよう、ミネットちゃん」
「にゃーん」
「今日もよろしくね」
「にゃっ」
なんて可愛らしい生き物だろう。
好き。
そんなことを思いつつ、もきゅもきゅ食べる。
「にゃーん」
「ご馳走さまでした」
とても美味しいので気が付いた時には完食し、お腹いっぱいになっていた。
「にゃ」
食器もミネットちゃんが下げてくれる。
その後ミネットちゃんに促されるままに歯磨きやら洗顔やら髪を梳くやら全部終わらせて、二階に上がった。
自室で寝巻きから着替えて、よし準備完了と思ったらなにやらミネットちゃんが張り切って準備を始めた。
「ミネットちゃん?」
「にゃーん」
ミネットちゃんに促されるまま自室のドレッサーの前に座る。
するとミネットちゃんは魔法でアイロンを動かして髪を巻いてくれた。
髪型を変えるだけでめちゃくちゃ可愛くなって感動する。
「ありがとう、ミネットちゃん!」
「にゃーん」
ミネットちゃんとともに自室を出ると、やっと食事を終えたらしいフェリーク様が出てくる。
「あれ?リーシュその髪型似合うね!可愛い!」
「そ、そうですか?えへへ…」
「うん、すごく可愛い!抱きしめたい!」
「あ、じゃあ腕と口元拭くのでお待ちくださいね」
用意のいいミネットちゃんから濡らしたタオルを預かってフェリーク様の腕と口元を拭う。
「ふふ、おれこれ好き」
「そうですか、なら良かったです。はい、これで綺麗になりました!」
「やった!」
フェリーク様は待ちきれなかったとでも言うように私をぎゅっと抱きしめる。
「ふふ、幸せ」
「私もです」
「え?」
「ぎゅってしてくれる人がいるのは幸せなことですから」
荒んだ家庭内で育ったので、こういうのは実は慣れてない。
けれど確かな幸せを感じる。
「…リーシュ、これからはおれがずっとそばにいるよ」
「ふふ、頼りにしていますね」
フェリーク様は優しいから、きっとずっと一緒にいてくれる。
だから私も、フェリーク様に寄り添えたらいいな。
「きっと、気付いた頃にはこんな日々が日常になるんでしょうね」
「なにそれ、最高」
「毎日でもハグをして愛情を育てましょうね」
「うん、是非!」
フェリーク様にさらにぎゅっとされて、私はなんとも言えない安堵感に包まれた。
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