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ローゼさんと恋話

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ご機嫌よう。ジャンティーです。今日はフォン様が執務室に引きこもっていて、私も執務室の外に出されているのでローゼさんと二人きりです。

「それで、坊ちゃんとはどうなのです?」

「…っ!?ですから何もないですって!」

「さすがにそんなことはないでしょう。坊ちゃんが青年期を迎えてからもずっと一緒にいたのですから」

むむむ、ローゼさん鋭い。

「少なくともジャンティーは坊ちゃんを意識しているのでは?」

「…まあ」

この方に隠しても無駄な気がするし、いいか。

「やはりね」

「フォン様と私じゃ、かたや魔王様、かたや平民の普通の人間で、住む世界が違うんです。だから、フォン様とどうこうなろうとは思っていません」

「ジャンティー。遠慮などしなくても良いのですよ」

「いや、遠慮というか…」

「もしジャンティーが坊ちゃんを受け入れてくれなければ、坊ちゃんはこれから先長い間独り身になってしまいます」

「ええ…?フォン様が?どう考えても選り取り見取りなのに?」

「坊ちゃんはモテますが、ジャンティー以外にあそこまで心を寄せることはありませんでしたから」

でもそれはペットとしてで…。

「ともかく、早いとこゴールインしてくださいね」

「いや、だからさすがに魔王様と平民じゃあ…」

「何を言います、貴女は今こそ平民とはいえ元は貴族でしょう」

…え。

「な、な…」

「坊ちゃんの側に置く人間を調べないはずないでしょう。そもそも貴女、平民の割にお行儀が良すぎるんですよ」

「…ええー」

「私は応援していますよ、ジャンティー」

「…ご期待に添えないとは思いますが、ありがとうございます」

ご期待に添えないとは思いますが…。
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