ヤンデレ幼馴染が帰ってきたので大人しく溺愛されます

下菊みこと

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留学の話。

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ご機嫌よう。ブーゼ・ターフェルルンデです。公爵令息で幼馴染、婚約者のベゼッセンハイト・ザンクトゥアーリウムが帰ってきました。

「ハイト。留学の話でもしてよ」

先程から私の私室で(もちろん扉は開けて)ハイトにベットの上でラッコさん座りさせられています。

「留学の話?うーん…ブーゼが居なくてつまらなかったよ」

「いやまあ…うん…」

それはそうだろうとは思っていたけれども。

「何か面白いことなかったの?」

「僕は特に面白いことはなかったかなぁ。あ、でもね、留学先のエルドラードはブーゼの好きな魔法学が盛んでね?」

「うん、手紙にも書いてあったね」

「うん、読んでくれてたんだね、嬉しい」

「ちゃんと手紙を返してたでしょ」

「でも、改めて読んでくれてたんだなぁって思って嬉しくて」

「はいはい、ありがとう。それで?」

「僕も魔法が使えるようになったんだよ!」

「嘘!すごいじゃない!」

「うん、それでね、上級魔法まで使えるようになったから、ブーゼに見せたくて」

「見せて見せて!あ、でもここで使っても問題ないのにしてね」

「うん、じゃあライト!」

ハイトが詠唱すると、ハイトの手から光の玉が現れて光ります。わあ、すごい!

「他には?なにかある?」

「ちょっと待っててね」

ハイトが手袋を外します。その手は、剣術の訓練のためにでしょうか、豆が沢山出来ています。

「ハイト…頑張ってたんだね」

「うん。将来ブーゼと結婚する時のためにね!」

恥ずかしげもなく甘いセリフを吐くハイト。

「じゃあ見ててね…ヒール!」

ハイトが詠唱すると、ハイトの手に光の粒子が降り注ぎ、豆が消えました。

「わあ、すごいすごい!でも、もしかしてハイト、このために豆を治さないでいたの?いくら私のためでも、無理しちゃだめよ」

「うん、ありがとう、ブーゼ!大好きだよ!」

ハイトは上機嫌に私を後ろから抱きしめます。

「あとはね、こんな上級魔法もあるんだよ」

ハイトが百合の球根をどこからか取り出します。

「?」

「グロウ・プロモーション!」

百合の球根から芽が出て、そのまま成長して花が咲きます。

「わあ…!すごいよ、ハイト!」

「愛するブーゼのためだもの。気に入ってくれた?」

「とっても!後で使用人に花瓶に飾らせるね!」

「そんなの僕がしてあげるよ」

「え、でも…」

「いいから」

ハイトが花瓶に飾ってくれます。

「ありがとう、ハイト」

「どういたしまして」

こうしてハイトの留学帰還一日目は終わりました。なんだかんだで楽しかったな。
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