15 / 22
ガビーのぬいぐるみ
しおりを挟む
「その後ドリアーヌさんは元気?」
「はい!お母様は皇女殿下のおかげで完治が確認されました!本当にありがとうございます、皇女殿下!」
「えへへ、よかったぁ」
「こちら、お母様からの御礼のお手紙と贈り物です」
「え?そんな、いいのに」
アストリアとドロテとガビーのお茶会。ドロテの持参したお気に入りのキャロットケーキをお茶菓子に仲良く過ごす。ちなみにガビーにはスイカが与えられている。
ドロテの母であるドリアーヌは最初の日こそついてきたものの、今日は侍女にドロテを託して参加していない。子供同士の交流には大人は不要というアタナーズの方針である。
そのかわりというか、御礼の手紙と贈り物をドロテ越しに渡して、アストリアはそれを受け取った。
「でも、手紙はあとでじっくり読むとして…贈り物は気になるなぁ」
「開けても大丈夫ですよ?」
「いいの?じゃあ開けちゃうね」
アストリアはドロテに許可を得て包みを開ける。そこには可愛らしい、ガビーの姿をデフォルメしたぬいぐるみがあった。
「えっ!これガビー!?」
「ふふ、お母様の手作りだそうです」
「え、えー!?可愛い!すごく可愛い!」
はしゃぐアストリアの様子に、ドロテも我が事のように嬉しい。
「そんなに喜んでもらえて嬉しいです。お母様も喜びます」
「えへへ、宝物にするね!ほらガビー、ガビーのぬいぐるみだよ」
ガビーはちらりとぬいぐるみを見て、満足そうになんども頷いた。それを見てアストリアとドロテはさらに喜ぶ。
「ガビーも気に入ったみたいだね!」
「本人も喜んでくれてよかったです!」
きゃっきゃと子供らしくはしゃぐ姿に、様子を見てこいとアタナーズに命令され密かに見守っていたセザールもホッと息を吐く。
「上手くいっているようで、よかった」
そうぽつりと呟くセザールは、ふとガビーと目が合った。
「キュルキュル」
今にもサムズアップしてきそうなガビーに、クスクスと笑いサムズアップを返す。ガビーもそれをみて頷いた。セザールはアタナーズの元に戻り、アストリアとドロテの仲の良い様子を伝えて心配性な主人を安心させた。
「このキャロットケーキ、本当に美味しいね!」
「はい!大のお気に入りです。皇女殿下も気に入ってくださって嬉しいです!」
「ふふ、だって美味しいんだもん」
キャロットケーキを食べて、微笑み合う子供二人。まだ成体ではないが気持ち的には大人の男であるガビーはそれを兄のように見守り、幸せな空間がそこには広がっていた。
「はい!お母様は皇女殿下のおかげで完治が確認されました!本当にありがとうございます、皇女殿下!」
「えへへ、よかったぁ」
「こちら、お母様からの御礼のお手紙と贈り物です」
「え?そんな、いいのに」
アストリアとドロテとガビーのお茶会。ドロテの持参したお気に入りのキャロットケーキをお茶菓子に仲良く過ごす。ちなみにガビーにはスイカが与えられている。
ドロテの母であるドリアーヌは最初の日こそついてきたものの、今日は侍女にドロテを託して参加していない。子供同士の交流には大人は不要というアタナーズの方針である。
そのかわりというか、御礼の手紙と贈り物をドロテ越しに渡して、アストリアはそれを受け取った。
「でも、手紙はあとでじっくり読むとして…贈り物は気になるなぁ」
「開けても大丈夫ですよ?」
「いいの?じゃあ開けちゃうね」
アストリアはドロテに許可を得て包みを開ける。そこには可愛らしい、ガビーの姿をデフォルメしたぬいぐるみがあった。
「えっ!これガビー!?」
「ふふ、お母様の手作りだそうです」
「え、えー!?可愛い!すごく可愛い!」
はしゃぐアストリアの様子に、ドロテも我が事のように嬉しい。
「そんなに喜んでもらえて嬉しいです。お母様も喜びます」
「えへへ、宝物にするね!ほらガビー、ガビーのぬいぐるみだよ」
ガビーはちらりとぬいぐるみを見て、満足そうになんども頷いた。それを見てアストリアとドロテはさらに喜ぶ。
「ガビーも気に入ったみたいだね!」
「本人も喜んでくれてよかったです!」
きゃっきゃと子供らしくはしゃぐ姿に、様子を見てこいとアタナーズに命令され密かに見守っていたセザールもホッと息を吐く。
「上手くいっているようで、よかった」
そうぽつりと呟くセザールは、ふとガビーと目が合った。
「キュルキュル」
今にもサムズアップしてきそうなガビーに、クスクスと笑いサムズアップを返す。ガビーもそれをみて頷いた。セザールはアタナーズの元に戻り、アストリアとドロテの仲の良い様子を伝えて心配性な主人を安心させた。
「このキャロットケーキ、本当に美味しいね!」
「はい!大のお気に入りです。皇女殿下も気に入ってくださって嬉しいです!」
「ふふ、だって美味しいんだもん」
キャロットケーキを食べて、微笑み合う子供二人。まだ成体ではないが気持ち的には大人の男であるガビーはそれを兄のように見守り、幸せな空間がそこには広がっていた。
0
お気に入りに追加
158
あなたにおすすめの小説

【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。

【完結】人生で一番幸せになる日 ~『災い』だと虐げられた少女は、嫁ぎ先で冷血公爵様から溺愛されて強くなる~
八重
恋愛
【全32話+番外編】
「過去を、後ろを見るのはやめます。今を、そして私を大切に思ってくださっている皆さんのことを思いたい!」
伯爵家の長女シャルロッテ・ヴェーデルは、「生まれると災いをもたらす」と一族で信じられている『金色の目』を持つ少女。生まれたその日から、屋敷には入れてもらえず、父、母、妹にも虐げられて、一人ボロボロの「離れ」で暮らす。
ある日、シャルロッテに『冷血公爵』として知られるエルヴィン・アイヒベルク公爵から、なぜか婚約の申し込みがくる。家族は「災い」であるシャルロッテを追い出すのにちょうどいい口実ができたと、彼女を18歳の誕生日に嫁がせた。
しかし、『冷血公爵』とは裏腹なエルヴィンの優しく愛情深い素顔と婚約の理由を知り、シャルロッテは彼に恩返しするため努力していく。
そして、一族の中で信じられている『金色の目』の話には、実は続きがあって……。
マナーも愛も知らないシャルロッテが「夫のために役に立ちたい!」と努力を重ねて、幸せを掴むお話。
※引き下げにより、書籍版1、2巻の内容を一部改稿して投稿しております

【完結】巻き戻りを望みましたが、それでもあなたは遠い人
白雨 音
恋愛
14歳のリリアーヌは、淡い恋をしていた。相手は家同士付き合いのある、幼馴染みのレーニエ。
だが、その年、彼はリリアーヌを庇い酷い傷を負ってしまった。その所為で、二人の運命は狂い始める。
罪悪感に苛まれるリリアーヌは、時が戻れば良いと切に願うのだった。
そして、それは現実になったのだが…短編、全6話。
切ないですが、最後はハッピーエンドです☆《完結しました》
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる