1 / 1
都合のいいお話
しおりを挟む家に帰ってからの私はまだ立ち直れずに考えこんでいた。
なんでそんな事になったのか?私はなんでそんな中途半端なところで命を落としてしまったのか?考えれば考えるほど悔しくて堪らなかった。
そしてそれは本当に私?織田信長なのか・・
そう考えるともっと詳しく知りたいと思い始めた。
そんな時、机の上の(パソコン)が目に入った。
「そうだこれがあるじゃないか!」
歌奈に使い方は教えてもらったが文字がよく分からないので、もっと学んでから使ってみようと思っていたが、自分の名前くらいは憶えておこうと書き写していたのが役に立ちそうだ。
教わった手順通りに黙々と進め「のぶなが」といれてみる「変換」だよな・・「信長」でた!そして「検索」でた!思いもかけず沢山の「信長」が出てきた!
覗き込むが…そうだ!字が読めない!
でも諦めたくない!
「やっぱり歌奈に聞こう!」
私は自分の部屋を出て歌奈の部屋を叩き話しかけた。
「歌奈ごめん。ちょっと気になった事があるから教えて欲しいんだ。」
開いた扉の向こうの歌奈は心配そうな表情を浮かべていたが、ためらいながらも私が検索した内容を細かく読んでくれた。
その内容を聞いていて自分がどんどん落ち込んでいくのが分かった。
気まずい空気が漂う中、淡々と話していた歌奈は暫くすると「三郎もういいよね」と言って部屋を後にした。
何度聞いても、何を見ても同じ史実だ。
私はその織田信長だった。
何も考えられなかった。ただただ情けなくなり。聞かなきゃよかったとさえ思った。
しかし、今の自分も情けなくこの時代に逃げて来た愚か者なのに、未来でも志を達成できずに中途半端に死んでしまうとは情けない・・もうその言葉しか浮かばなかった。
「織田三郎信長はなんて馬鹿な奴なんだ・・」思わず呟いた。
周りの明るさに目が覚めた。
どうやら寝てしまったらしい。
窓の外に目を移すとまばゆいばかりの太陽が燦燦と輝いている。
太陽はいつの時代も同じなんだな・・そんな事を思いながら暫くその光を浴びていると昨晩の憂鬱はどこかに行ってしまったように穏やかな気持ちになった。
考えてみれば・・中途半端に終わってしまう私の人生だが、その中でこんな体験が出来るなんて、これこそが誰にも真似がが出来ない貴重な人生ではないのか?
そうだ!こんな事は他の誰もしたことなはないはずだ!
この人生の中でこんなにも貴重な経験をしてるんだ!なのに落ち込んでなんていたらバチがあたる。短い人生だ。もっと楽しまなくちゃもったいない!
そして思い出した。
今度またこの時代に戻れたなら、次は絶対にここに来た意味を、尻込みせずにちゃんと探そうと決めたはずじゃなかったのかと・・
そう思うと自然と笑みがこぼれ、何だか吹っ切れた!
気持ちが落ち着くとある疑問が頭をよぎる。
昨日の二人の態度からすると、もしかして、歌奈と秀一は私の正体に気付いているのかもしれない・・
(話してみようかな?)
ふと、そんな気持ちが湧いて来た。
気を取り直した私は別人のように勉強をし直した。
過去も現在もそしてこれから起こりうるであろう未来も・・
もちろん、歴史だけではない他の事も貪欲に吸収していった。
今度、私の世界に戻ったなら躊躇いなくこの未来の良いとこ取りで尾張を豊かにする為に・・
そうこうしているうちに、あっという間に2か月が過ぎ・・
また新たな疑問が湧いて出た。
(そういえば前回はちょうど3か月で尾張に戻ったよな?もしかすると今回も三か月で戻るとか?そんな事じゃないのか?)
もしそうだとしたら・・自分はこんなに悠長に過ごしていて良いのだろうか?と、焦りが出る。
そうだった・・この現象はいつ終わるか分からない。こんなにのんびり構えていたら折角の貴重な時間を無駄にしてしまう。この2か月間、確かに色んな事を学んだがまだまだ足りない。
そしてまた、三か月で尾張へ戻ってしまうのだとしたら、こんなにのんびりなんかしていられない!
考えた挙句・・やはり歌奈と秀一に真実を打ち明けようと私は決心した。
なんでそんな事になったのか?私はなんでそんな中途半端なところで命を落としてしまったのか?考えれば考えるほど悔しくて堪らなかった。
そしてそれは本当に私?織田信長なのか・・
そう考えるともっと詳しく知りたいと思い始めた。
そんな時、机の上の(パソコン)が目に入った。
「そうだこれがあるじゃないか!」
歌奈に使い方は教えてもらったが文字がよく分からないので、もっと学んでから使ってみようと思っていたが、自分の名前くらいは憶えておこうと書き写していたのが役に立ちそうだ。
教わった手順通りに黙々と進め「のぶなが」といれてみる「変換」だよな・・「信長」でた!そして「検索」でた!思いもかけず沢山の「信長」が出てきた!
覗き込むが…そうだ!字が読めない!
でも諦めたくない!
「やっぱり歌奈に聞こう!」
私は自分の部屋を出て歌奈の部屋を叩き話しかけた。
「歌奈ごめん。ちょっと気になった事があるから教えて欲しいんだ。」
開いた扉の向こうの歌奈は心配そうな表情を浮かべていたが、ためらいながらも私が検索した内容を細かく読んでくれた。
その内容を聞いていて自分がどんどん落ち込んでいくのが分かった。
気まずい空気が漂う中、淡々と話していた歌奈は暫くすると「三郎もういいよね」と言って部屋を後にした。
何度聞いても、何を見ても同じ史実だ。
私はその織田信長だった。
何も考えられなかった。ただただ情けなくなり。聞かなきゃよかったとさえ思った。
しかし、今の自分も情けなくこの時代に逃げて来た愚か者なのに、未来でも志を達成できずに中途半端に死んでしまうとは情けない・・もうその言葉しか浮かばなかった。
「織田三郎信長はなんて馬鹿な奴なんだ・・」思わず呟いた。
周りの明るさに目が覚めた。
どうやら寝てしまったらしい。
窓の外に目を移すとまばゆいばかりの太陽が燦燦と輝いている。
太陽はいつの時代も同じなんだな・・そんな事を思いながら暫くその光を浴びていると昨晩の憂鬱はどこかに行ってしまったように穏やかな気持ちになった。
考えてみれば・・中途半端に終わってしまう私の人生だが、その中でこんな体験が出来るなんて、これこそが誰にも真似がが出来ない貴重な人生ではないのか?
そうだ!こんな事は他の誰もしたことなはないはずだ!
この人生の中でこんなにも貴重な経験をしてるんだ!なのに落ち込んでなんていたらバチがあたる。短い人生だ。もっと楽しまなくちゃもったいない!
そして思い出した。
今度またこの時代に戻れたなら、次は絶対にここに来た意味を、尻込みせずにちゃんと探そうと決めたはずじゃなかったのかと・・
そう思うと自然と笑みがこぼれ、何だか吹っ切れた!
気持ちが落ち着くとある疑問が頭をよぎる。
昨日の二人の態度からすると、もしかして、歌奈と秀一は私の正体に気付いているのかもしれない・・
(話してみようかな?)
ふと、そんな気持ちが湧いて来た。
気を取り直した私は別人のように勉強をし直した。
過去も現在もそしてこれから起こりうるであろう未来も・・
もちろん、歴史だけではない他の事も貪欲に吸収していった。
今度、私の世界に戻ったなら躊躇いなくこの未来の良いとこ取りで尾張を豊かにする為に・・
そうこうしているうちに、あっという間に2か月が過ぎ・・
また新たな疑問が湧いて出た。
(そういえば前回はちょうど3か月で尾張に戻ったよな?もしかすると今回も三か月で戻るとか?そんな事じゃないのか?)
もしそうだとしたら・・自分はこんなに悠長に過ごしていて良いのだろうか?と、焦りが出る。
そうだった・・この現象はいつ終わるか分からない。こんなにのんびり構えていたら折角の貴重な時間を無駄にしてしまう。この2か月間、確かに色んな事を学んだがまだまだ足りない。
そしてまた、三か月で尾張へ戻ってしまうのだとしたら、こんなにのんびりなんかしていられない!
考えた挙句・・やはり歌奈と秀一に真実を打ち明けようと私は決心した。
53
お気に入りに追加
55
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説

聖女の復讐~私、本当にいいのか確認しましたよね?こうなったのは全て、王太子殿下の自業自得ですよ?~
バナナマヨネーズ
恋愛
聖女と呼ばれた少女は、愛する人を失った。聖女と呼ばれた少女は、その原因となった王太子に復讐を誓う。
復讐の果てに少女は何を得るのか……。
この物語は、愛する人を失った少女の復讐の物語。
全10話
※小説家になろう様で掲載していた短編作品を加筆修正した連載版になります。

あなたには、この程度のこと、だったのかもしれませんが。
ふまさ
恋愛
楽しみにしていた、パーティー。けれどその場は、信じられないほどに凍り付いていた。
でも。
愉快そうに声を上げて笑う者が、一人、いた。

【完結】おしどり夫婦と呼ばれる二人
通木遼平
恋愛
アルディモア王国国王の孫娘、隣国の王女でもあるアルティナはアルディモアの騎士で公爵子息であるギディオンと結婚した。政略結婚の多いアルディモアで、二人は仲睦まじく、おしどり夫婦と呼ばれている。
が、二人の心の内はそうでもなく……。
※他サイトでも掲載しています

聖騎士とは名ばかりの私と、時間制限のある彼女と
下菊みこと
恋愛
最強の女聖騎士と最強の女魔法使いとの愛の営みのお話。お互いにとてつもなく重い両思い。結ばれたと言っても過言ではない終わりだと思っています。
普通に二人とも戦場で最期を迎えるので、そして女性同士の愛なので、あと愛の営みが特殊なのでその辺を許してくださる人向けのお話になっています。
小説家になろう様でも投稿しています。

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

悪役令嬢の涙
拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。

トリスタン
下菊みこと
恋愛
やべぇお話、ガチの閲覧注意。登場人物やべぇの揃ってます。なんでも許してくださる方だけどうぞ…。
彼は妻に別れを告げる決意をする。愛する人のお腹に、新しい命が宿っているから。一方妻は覚悟を決める。愛する我が子を取り戻す覚悟を。
小説家になろう様でも投稿しています。

人生の全てを捨てた王太子妃
八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。
傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。
だけど本当は・・・
受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。
※※※幸せな話とは言い難いです※※※
タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。
※本編六話+番外編六話の全十二話。
※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
どう見てもハッピーエンドではないな。
ビターエンドぽくはあるけどビター感も薄い。
ノーマルエンド?
婚約者は別に主人公を愛してないでしょ。
愛してたなら主人公がどんな立場で闘ってきたか分かってるはず、女らしくしろなんてほざける時点で微塵も愛なんかないって丸わかりで失笑してしまう。
本当に愛してるなら、女の身で闘う主人公を愛してるなら、もっと自分を大事にしろとかそういう風に言うだろ。
聖女と結ばれないから縋ってるだけ。
子供への接し方で愛が云々って、達観してるだけで情がないワケじゃない主人公が子供を慈しむのは当然の反応でしょ。
一生塩対応だろうし、コイツにはそれで丁度良いんじゃないの。
面白かったです👑✨
読む人により、同じ人でも読んだ時の気分により変わってくる様な、含みのある結末が凄く良かったです!
今の私的には…旦那様は聖女様への失恋から自己の評価とか家の都合とか含め自分を守るために、主人公に縋ったにすぎないのかなと感じました。きっと家族的な親愛の情を恋情だと無意識のうちに思い込んでいるのかなと…
だから旦那様の熱量の違いを感じ取っている主人公は愛されてるって実感が湧かずに居るのかな…なんて思いました。
もし続きがあるなら、どんなお話になるのか気になります!
ステキな作品✨ありがとうございました😊
感想ありがとうございます。彼は色々拗らせてますがどうなんですかね…。愛情があるのには間違いはないのでしょうけれど、種類もありますからね。
良い女だなぁ~( ╹▽╹ )
甘ちゃん亭主には勿体ない程、カッコいいわ♡
孤高の雌虎みたい♫
感想ありがとうございます。この子と結婚出来て彼は幸運でしたね。