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成金お嬢様、聖王からの返事を受け取る

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「お姉ちゃん、ありがとう!この孤児院、先生たちみんな優しくて楽しい!」

「ふふ、よかったですわね」

ルーヴルナは子供たちの相手をしつつジルを待つ。子供たちはすっかりルーヴルナに懐いていた。

「お嬢様、今戻りました」

「おかえりなさい、ジル」

そしてジルが戻ってきた。

「聖王猊下はなんておっしゃっていました?」

「手紙を握りつぶしていらっしゃいました」

「え」

「その後丁寧にシワを伸ばしてもう一度読んで、ブチ切れていらっしゃいました」

「あー…」

激おこである。

「それで…いつもお優しい聖女殿には申し訳ないが、悪徳孤児院に加減など一切しない。徹底的にやると…」

「あら!それは願ったり叶ったりですわ」

「聖騎士団を悪徳孤児院に派遣していらっしゃいました」

「え」

「さすがに即処分はなさらないそうですが、拘束、連行、拷問、審問、鉱山送りのコンボを決めるそうです」

ごくり…とルーヴルナは唾を飲む。やっぱりランスロットを敵に回しちゃいけないと改めて認識した。

「ま、まあ、願ったり叶ったりですけれど…怖気が走りましたわ」

「鬼気迫る表情でした」

「ジル…どんまいですわ」

ジルもさぞ怖かっただろうとルーヴルナは同情する。

「それと、同封されていた契約書ですが」

「ええ」

「孤児院の開設を見るに、保護と証拠確保のための手段としてやったと認められる。…ということで、お咎めなしの扱いとなるそうです」

「そうですの」

ほっと息を吐くルーヴルナ。

「孤児院の開設の方ですが、聖王猊下直々にお墨付きを与えてくださるそうです」

「あら、ありがたいですわ」

「聖王猊下からは、聖女殿はくれぐれも無理し過ぎないようにとのお言葉をいただきました」

「あら…ふふ、気をつけますわ」

ランスロットの心配そうな表情が目に浮かび、ルーヴルナはクスクスと笑った。

「笑い事ではありませんよ。お嬢様はお身体に気をつけてください」

「ええ、分かっていますわ」

「これからどうしますか?」

「もう悪徳孤児院の問題は聖王猊下に投げましたし、わたくしの孤児院も滑り出しは順調ですわ。もうやれることはないのですし、帰りますわ」

ということで、帰宅の準備が整えられた。

「えー、お姉ちゃんもう帰っちゃうの?」

「お姉さん、もっと一緒に遊ぼう?」

「ふふ、また落ち着いた頃に来ますわ。わたくし、今日は遊び疲れましたの。また今度ね」

「はーい…」

シュンとする子供たちの頭を撫でる。そして馬車で屋敷に帰る。馬車を見送ってくれた子供達は、ずっと手を振ってくれていた。
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