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ソルセルリーとソルシエール

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ご機嫌よう。マルゲリット・アルカンシエルです。今日はソルシエールで魔力回復薬大量生産のお手伝いをしています。

「終わったー!」

「やっと生産し終わったな」

「これは私が持って帰るね。魔女さん達も忙しそうだし」

「ああ、わかった」

「じゃあ一旦帰るね!」

「気をつけてな」

私は転移魔法でパパの部屋に行きます。大量の魔力回復薬をパパに渡します。

「ただいま、パパ」

「おかえり、メグ。…魔力回復薬か。ご苦労様だな」

「えへへ。ソルセルリーと私で作ったんだよ!」

「ならさぞかし効き目がいいんだろうな」

「うふふ。パパもそう思う?」

「ああ」

「じゃあちょっと気になることがあるから一旦ソルシエールに行ってくるね」

「…こんな暗い時間にか」

「クエー」

「ファンもいるから大丈夫!」

「クエー、クエー」

「ねー」

「はぁ…一時間で帰って来なさい」

「はーい!行ってきます!」

「行ってらっしゃい」

ソルシエールに戻り、ソルシエールさんの家の前で聞き耳を立てます。

「村長…話があるんだ」

「わかりました」

私の方が緊張してドキドキしちゃうよー!

「…」

「ソルセルリー、どうしました?」

「…その」

「…ええ」

「俺は、貴女みたいな家族が欲しかった」

「…え」

「貴女は優しいし、正義感が強いし、院長みたいで、俺はすぐに貴女に懐いたけど。貴女はそうでない子供達にも変わらず接していた」

「…」

「貴女のような大人がいることが、俺には何よりの救いだった」

「…ソルセルリー、それは誤解です。私はそんなに清らかな人間ではありません」

「…村長?」

「私は、ソルシエール。ソルシエール・アストロロジーです」

「…え」

「貴方の曽祖母です」

がちゃん!と音が聞こえる。ソルセルリーが何か落としたのかな。

「…村長が、俺の曾祖母?」

「ええ。貴方に嫌われるのが怖くてずっと隠していました。軽蔑したでしょう」

「…勝手に決めるなよ」

「え?」

「嫌われるとか!軽蔑とか!勝手に決めるなよ!決めるのは俺だ!」

「ソルセルリー…」

「俺は!嬉しい!」

「え?」

「貴女と血が繋がっていることが嬉しい!」

「…っ!」

ぐすぐすと泣くような声が聞こえます。

「いいんでしょうか…」

「何がだ、村長…じゃないな。ひいばあちゃん」

「こんなに幸せで、いいんでしょうか…」

震える声が聞こえます。

「…いいに決まってるだろ!俺がこれからもっと幸せにしてやる!」

「ソルセルリー!」

「ひいばあちゃん!」

「…出る幕もないなぁ」

ほっとひと安心です。

「…お姫様、盗み聞きは良くないねぇ」

「あっす、すみません!」

ソルセルリーとソルシエールさんに集中していて、いつのまにかみんなが集まっていたのに気が付きませんでした。

「まあ私達も盗み聞きしてたんだけどね!」

「いやぁ、よかったよかった」

「あの二人、ようやく上手くいったか」

「いっつも心配してたんだよねぇ、いつばれるのか、その後も仲良くできるか」

「お姉さん!」

「ソルセルリーと村長さんのことありがとう !」

「みんな!久しぶり!…ってほどでもないか」

「そうだね」

「お姉さん元気だった?」

「…うん!みんなも、元気だった?」

「うん!見習い魔法使いとして頑張ってるよ!」

「すごい?」

「すごいすごい!」

「…お前ら、聞こえてるぞ」

「…!」

「盗み聞きはよくありませんね」

「…ご、ごめんなさい!」

「ですが、心配してくださいってありがとうございます」

「今日はもう依頼も全部終わったことだし、ぱあっと騒ぐか!」

「あ、私はそろそろ帰るね」

「ん。気をつけてな」

…その時でした。

「ソルシエール・アストロロジー殿はどこか」

如何にも王様と言った感じの人がソルシエールにやってきました。
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