至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます

模造品の性能

ご機嫌よう。マルゲリット・アルカンシエルです。お昼ご飯を食べ終えました。とっても美味しかったです！

「お嬢さん、もしよければまた箱庭でシミュレーション訓練してみない？」

「え？」

「模造品の性能を試してみろ」

「あ、そういうこと？うん、わかった！よろしくお願いします！」

ということで早速模造品のサントテネーブルエペの力を確かめるために再び箱庭でシミュレーション訓練をすることになりました。

「設定はさっきと同じにしておくね」

「はい！じゃあ行ってきまーす」

「頑張れよ」

「はーい！」

箱庭に入ると、早速シミュレーション訓練のアナウンスが流れてきます。

「ご機嫌よう。箱庭へようこそ。今回はシミュレーション訓練設定になっております。」

うう、緊張するなぁ。

「今回は対魔獣戦となります。出てくる敵はランダムです。休憩時間は任意。戦闘は休憩時間になるか死なない程度のぎりぎりラインまで体力が削れた場合に終了となります。それでは張り切ってくださいませ」

びー、と音がなり、戦闘シミュレーション訓練が始まります。最初は魔獣数体との乱闘戦。よーし、早速試してみよう！魔力を剣に集中させて…。

「闇の力は収縮し、光を切り捨てる剣となる。星の煌めきは闇に落ち、満ちた月は闇に隠される。受けるがいい！サントテネーブルエペ！」

思いっきり魔獣の方に向けて剣を振り下ろし闇の魔力を思いっきりぶつける。やっちゃえー！

闇の魔力は魔獣を上手く巻き込んで箱庭の一番奥まで届いて消えます。魔獣は…。

「魔獣消滅確認。次のシミュレーションを開始します」

「やったぁ！」

上手く行った！でもやっぱり無詠唱はまだ無理だなぁ。

びー、と音がなり、次のシミュレーションが始まります。次は群れで行動する魔獣との一対多数戦。うん、次はあれを試そう！剣に魔力を集中させる。

「闇の力は膨張し、光を落とす影となる。太陽の煌めきは闇に落ち、光の螺旋は閉ざされる。くらうがいい！サントテネーブルエペ！」

闇の魔力で剣をすごく長く大きくして、回し切りをする。いっけー！

魔獣は切り捨てられてすぐに消滅する。上手くいった！この調子でどんどん試そう！

ー…

「お嬢さん、迎えに来たよー」

コントラお爺さんとソルセルリーが迎えに来てくれます。

「コントラお爺さん！ソルセルリー！」

「ん」

はやく！報告したい！

「あのね！すごいんだよ！」

「？」

「なんだ、そんなに俺たちの模造品の性能はいいか？」

ちょっと嬉しそうなソルセルリー。

「うん！すごい！すごいよ！みててね！」

そう言ってソルセルリーとコントラお爺さんにさっきの技を見せます。

「ね？すごいでしょ？」

「あはははは！まさかこんなにはやく使いこなすなんて！さすがだな、お嬢さん！」

コントラお爺さんがばしばしと私の肩を叩く。えへへー。

「ソルセルリーとコントラお爺さんのおかげです！」

「あはははは！すっげー！本当にお姫様？いっそのこと魔女か冒険者の方が向いてない？」

「…あんまり褒めるな、調子に乗る」

なんだかんだでご満悦なソルセルリー。うふふー。口にしなくても心の中では褒めてくれてるのわかるもんね。

「二人ともすごい剣をありがとう！」

「どういたしまして」

「ん。…どうする？このままもう少しシミュレーション訓練するか？」

「んー…対四天王戦やってみたい」

「…いや、それはさすがに」

わかってる！大丈夫！

「もちろん本物の聖剣が無くちゃ勝てないのはわかってるの。ただ、今の実力でもしも出会っちゃったらどう切り抜けられるか知りたいの」

ソルセルリーに真面目にお願いする。

「どうかな？」

ソルセルリーは納得してくれたみたいでコントラお爺さんに箱庭のシミュレーション訓練設定を変更するように言ってくれる。

「お嬢さん、頑張ってな」

「あんまり無茶するなよ」

ソルセルリーとコントラお爺さんが箱庭からお家に戻る。よーし、四天王戦だ！頑張るぞー！