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後編
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「ベネディクトお兄様ー!」
「アリスティア、走ったら危ないよ」
「うん、ごめんなさい!でもね、これ見て!」
ベネディクトは走り寄ってきたアリスティアを抱きとめた。そんなベネディクトにアリスティアは四葉のクローバーを差し出す。
「これ、ベネディクトお兄様にあげる!」
「ありがとう、アリスティア。宝物にするね」
頭を撫でられ、幸せそうに笑うアリスティア。
アリスティアが引き取られて半年が過ぎた。
アリスティアは今ではもう身体に痣はなく、細かった身体にはきちんと肉がつき、髪や爪にも栄養が行き届いているのがよく分かる。元々整った顔立ちだったが、今ではふくよかになってさらに可愛らしくなった。
そして、少しずつマナーも教養も身につけて今ではそれなりに公爵家のお姫様らしい振る舞いを出来るようになってきた。
そんな中で、たくさんの愛情も注がれて兄や義母にとても懐いている。
「今日も勉強を頑張っていたと聞いたよ。これからは自由時間なんだろう?ベルナールお兄様とブノワお兄様のところに行こうか?」
「うん!」
「じゃあ手を繋いで行こう」
ベネディクトと手を繋いでベルナールとブノワの元へ行くアリスティア。
ベルナールとブノワは、今は剣術の稽古の時間で二人で手合わせをしていた。
「ベルナールお兄様ー!ブノワお兄様ー!頑張ってー!」
「アリスティア!来てくれたのか!」
「…アリスティアにかっこいいところ、見せないと」
アリスティアに気付いた二人は、気合いを入れ直す。
「兄上、行くよ」
「来い」
一撃必殺の剣を兄に向けるブノワ。それを真正面から受けた上でカウンターを決めようとするベルナール。
…勝ったのは。
「ベルナールお兄様、すごーい!」
嬉しそうに笑うアリスティアに満面の笑みで手を振るベルナール。だが、実際にはブノワの剣を受けて腕がめちゃくちゃ痺れていた。痩せ我慢である。
一方でブノワは、悔しさを隠しきれない。アリスティアにかっこいいところを見せたかった。全力で挑んだのに兄にはまだ及ばない。色々、本当に色々と悔しい。
が。
「ブノワお兄様もとってもかっこよかったー!」
無邪気に笑う妹に、そんなことはどうでもよくなった。
「…ふふ、ありがとう。アリスティアは今日も可愛いね」
アリスティアの頭を優しく撫でるブノワ。ベルナールは俺もアリスティアを撫でたいのにと逆に悔しがっていた。格好付けてブノワを剣を受け止めた結果なので受け入れるしかないが。
そんな仲睦まじい弟妹に、癒されるベネディクト。
そこにシャルロットが現れた。
「四人とも。そろそろご飯の時間ですよ。そこの鍛錬をしてきた二人は軽く汗を流していらっしゃい」
「はーい」
「はい、母上」
ベルナールとブノワが汗を流しに行く。アリスティアはシャルロットに抱きついた。
「お義母様!あのね、今日もお勉強頑張ったよ!偉い!?」
「ええ、偉いですね。よく頑張りました」
「えへへ」
アリスティアは満足そうに笑う。ベネディクトはそんなアリスティアの頭を撫でた。
アリスティアはすっかりと愛されて、幸せに暮らしている。一方で、ボドワンはといえば家族との関係が完全に壊れた。今では家族を養うために公爵として働くばかりで、癒される時間はない。が、完全に自業自得である。
「お義母様、お兄様、ずっと一緒にいてね」
「なにを当たり前のことを。貴女は私の娘です。ずっとずっと一緒に居ますよ」
「アリスティアはお兄様たちみんなで守ってあげるからね」
「アリスティアー!お待たせー!」
「アリスティア、待たせたな。よしよし」
やっと手の痺れが取れたベルナールがここぞとばかりにアリスティアの頭を撫でる。アリスティアは幸せそうに笑った。
「アリスティア、走ったら危ないよ」
「うん、ごめんなさい!でもね、これ見て!」
ベネディクトは走り寄ってきたアリスティアを抱きとめた。そんなベネディクトにアリスティアは四葉のクローバーを差し出す。
「これ、ベネディクトお兄様にあげる!」
「ありがとう、アリスティア。宝物にするね」
頭を撫でられ、幸せそうに笑うアリスティア。
アリスティアが引き取られて半年が過ぎた。
アリスティアは今ではもう身体に痣はなく、細かった身体にはきちんと肉がつき、髪や爪にも栄養が行き届いているのがよく分かる。元々整った顔立ちだったが、今ではふくよかになってさらに可愛らしくなった。
そして、少しずつマナーも教養も身につけて今ではそれなりに公爵家のお姫様らしい振る舞いを出来るようになってきた。
そんな中で、たくさんの愛情も注がれて兄や義母にとても懐いている。
「今日も勉強を頑張っていたと聞いたよ。これからは自由時間なんだろう?ベルナールお兄様とブノワお兄様のところに行こうか?」
「うん!」
「じゃあ手を繋いで行こう」
ベネディクトと手を繋いでベルナールとブノワの元へ行くアリスティア。
ベルナールとブノワは、今は剣術の稽古の時間で二人で手合わせをしていた。
「ベルナールお兄様ー!ブノワお兄様ー!頑張ってー!」
「アリスティア!来てくれたのか!」
「…アリスティアにかっこいいところ、見せないと」
アリスティアに気付いた二人は、気合いを入れ直す。
「兄上、行くよ」
「来い」
一撃必殺の剣を兄に向けるブノワ。それを真正面から受けた上でカウンターを決めようとするベルナール。
…勝ったのは。
「ベルナールお兄様、すごーい!」
嬉しそうに笑うアリスティアに満面の笑みで手を振るベルナール。だが、実際にはブノワの剣を受けて腕がめちゃくちゃ痺れていた。痩せ我慢である。
一方でブノワは、悔しさを隠しきれない。アリスティアにかっこいいところを見せたかった。全力で挑んだのに兄にはまだ及ばない。色々、本当に色々と悔しい。
が。
「ブノワお兄様もとってもかっこよかったー!」
無邪気に笑う妹に、そんなことはどうでもよくなった。
「…ふふ、ありがとう。アリスティアは今日も可愛いね」
アリスティアの頭を優しく撫でるブノワ。ベルナールは俺もアリスティアを撫でたいのにと逆に悔しがっていた。格好付けてブノワを剣を受け止めた結果なので受け入れるしかないが。
そんな仲睦まじい弟妹に、癒されるベネディクト。
そこにシャルロットが現れた。
「四人とも。そろそろご飯の時間ですよ。そこの鍛錬をしてきた二人は軽く汗を流していらっしゃい」
「はーい」
「はい、母上」
ベルナールとブノワが汗を流しに行く。アリスティアはシャルロットに抱きついた。
「お義母様!あのね、今日もお勉強頑張ったよ!偉い!?」
「ええ、偉いですね。よく頑張りました」
「えへへ」
アリスティアは満足そうに笑う。ベネディクトはそんなアリスティアの頭を撫でた。
アリスティアはすっかりと愛されて、幸せに暮らしている。一方で、ボドワンはといえば家族との関係が完全に壊れた。今では家族を養うために公爵として働くばかりで、癒される時間はない。が、完全に自業自得である。
「お義母様、お兄様、ずっと一緒にいてね」
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「アリスティアはお兄様たちみんなで守ってあげるからね」
「アリスティアー!お待たせー!」
「アリスティア、待たせたな。よしよし」
やっと手の痺れが取れたベルナールがここぞとばかりにアリスティアの頭を撫でる。アリスティアは幸せそうに笑った。
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