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兄達への報告
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プリュネが仕事を終えて部屋に戻ると、その後すぐに兄達が訪ねてきた。
「フィー兄様!シャル兄様!リュー兄様!」
プリュネはすぐに三人を部屋に招く。そして三人に抱きついた。
「聞いてくださいませ!今日からお仕事だったのですが、すごく上手くいきましたのよ?」
「ああ、捻くれ皇子が公務もないのに部屋から出たらしいな。久々に剣の稽古にも顔を出したとか」
「やっぱりリュリュのおかげだったんだ。すごいね、リュリュ」
「僕らのお姫様は優秀な占い師だね」
「いいえ。全てはアンディー様のおかげですわ」
「…リュリュ。まさかもう愛称で呼び合ってるのか?」
「ええ、そうなのです!」
ふふん、と胸を張るプリュネに兄達は心配が増す。
「僕らのお姫様。知っているとは思うけれど、皇帝陛下の意向で皇太子殿下にも第二皇子にもまだ婚約者は決まっていない。相手の身分さえ相応なら恋愛結婚を許可されるそうだ。下手な動きをすると婚約者に選ばれてしまうから気をつけなさい」
「大丈夫です!そういうのではありませんから!」
「リュリュはそう思っていても、相手はそうではないこともあるんだよ」
「そうなのですか…?じゃあ、一応気をつけますね」
「一応じゃなくて、ちゃんと気をつけろ」
「んー…はい、フィー兄様」
よくわかってなさそうなプリュネにますます心配になる兄達だが、初仕事が上手くいったとご機嫌な妹に水を差すのもよくないと思い妹の頭を撫でてやる。
「ふふ。兄様、ありがとう!」
プリュネの笑顔に思わず兄達も笑顔になる。
「じゃあ、引き続きお仕事頑張れよ。宮廷占い師殿」
「はい。フィー兄様も宮廷魔術師として頑張ってくださいませ!」
「何かあればすぐに言うんだよ」
「はい。シャル兄様も何かあれば私にも頼ってくださいませ」
「仕事の愚痴とかならいつでも聞くから、無理しちゃだめだよ」
「はい。リュー兄様もご無理はなさらないでね」
兄達が帰ると、プリュネは一人で初仕事が上手くいった喜びを噛み締める。
「ふふ。明日からの仕事が楽しみ!」
そうして夜が更けていく。プリュネの宮廷勤めは始まったばかりだ。
「フィー兄様!シャル兄様!リュー兄様!」
プリュネはすぐに三人を部屋に招く。そして三人に抱きついた。
「聞いてくださいませ!今日からお仕事だったのですが、すごく上手くいきましたのよ?」
「ああ、捻くれ皇子が公務もないのに部屋から出たらしいな。久々に剣の稽古にも顔を出したとか」
「やっぱりリュリュのおかげだったんだ。すごいね、リュリュ」
「僕らのお姫様は優秀な占い師だね」
「いいえ。全てはアンディー様のおかげですわ」
「…リュリュ。まさかもう愛称で呼び合ってるのか?」
「ええ、そうなのです!」
ふふん、と胸を張るプリュネに兄達は心配が増す。
「僕らのお姫様。知っているとは思うけれど、皇帝陛下の意向で皇太子殿下にも第二皇子にもまだ婚約者は決まっていない。相手の身分さえ相応なら恋愛結婚を許可されるそうだ。下手な動きをすると婚約者に選ばれてしまうから気をつけなさい」
「大丈夫です!そういうのではありませんから!」
「リュリュはそう思っていても、相手はそうではないこともあるんだよ」
「そうなのですか…?じゃあ、一応気をつけますね」
「一応じゃなくて、ちゃんと気をつけろ」
「んー…はい、フィー兄様」
よくわかってなさそうなプリュネにますます心配になる兄達だが、初仕事が上手くいったとご機嫌な妹に水を差すのもよくないと思い妹の頭を撫でてやる。
「ふふ。兄様、ありがとう!」
プリュネの笑顔に思わず兄達も笑顔になる。
「じゃあ、引き続きお仕事頑張れよ。宮廷占い師殿」
「はい。フィー兄様も宮廷魔術師として頑張ってくださいませ!」
「何かあればすぐに言うんだよ」
「はい。シャル兄様も何かあれば私にも頼ってくださいませ」
「仕事の愚痴とかならいつでも聞くから、無理しちゃだめだよ」
「はい。リュー兄様もご無理はなさらないでね」
兄達が帰ると、プリュネは一人で初仕事が上手くいった喜びを噛み締める。
「ふふ。明日からの仕事が楽しみ!」
そうして夜が更けていく。プリュネの宮廷勤めは始まったばかりだ。
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