田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?

下菊みこと

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クロヴィス様に甘やかされる

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「おはよう、アリス」

「おはようこざいます!クロヴィス様、シエル様!」

「おはよう、アリスティアお兄ちゃん!今日のお出かけのためにおしゃれしてくれたの?とてもかっこいいよ!」

「そ、そうかな。えへへ。嬉しいな…」

シエル様に手放しで褒められて、照れてしまって思わず笑う。クロヴィス様はそんな僕をエスコートしてくれて馬車に乗る。

「じゃあ、行ってくる」

「いってらっしゃいませ。ご当主様、アリスティア様、シエル坊ちゃん」

「行ってきまーす!」

「行ってくるねー!」

マリスビリーも一緒にきてくれる。馬車は広いから特には困らない。

「まずは、向こうに着いたら近くの喫茶店で軽く美味しいものを食べよう。おすすめの店があるんだ」

「楽しみです!」

「喫茶店!パフェ食べたいな!」

「シエル様、一緒に違う種類のパフェ半分こしましょう!」

「するする!やったぁ!アリスティアお兄ちゃん大好きー!」

そしてクロヴィス様のおすすめという喫茶店に足を運ぶ。おー、雰囲気もいい喫茶店だなぁ。

「さあ、何を食べようか」

「僕はハンバーグドリアとチョコレートパフェにしますね!」

「じゃあ、私はカルボナーラにしよう」

「僕ナポリタンとプリンパフェ!」

クロヴィス様のおすすめだけあって、注文を取ってからメニューが来るまでも早かった。クロヴィス様とシエル様とお話してたらあっという間に届いた。

「いただきます」

「いただきます」

「いただきます!」

「んー!すっごく美味しいですね、クロヴィス様!シエル様」

「そうだな。とても美味しい」

「美味しいね、アリスティアお兄ちゃん!」

すっごく美味しいから、僕もクロヴィス様もシエル様もペロリと完食出来た。シエル様は僕とパフェを半分こして喜んでくれたので、よかった。

「じゃあ、そろそろ買い物に行こうか」

「楽しみです!」

「支払いはこれで」

「ありがとうございました、またお越しくださいませ」

クロヴィス様にエスコートされ、とても高級な衣服などを扱う店に入る。そして当たり前のようにVIPルームに案内された。

「アリス、どんな紳士服がいい?」

「うーん、迷いますね!」

「アリスティアお兄ちゃんの好きな色は?」

「クロヴィス様の瞳の色です!」

「…そ、そうか。ありがとう」

クロヴィス様は僕の頭を乱暴に撫でて、ご店主に注文した。

「この店にある青が基調のデザインのものを全て持ってきてくれ。アリスが気に入ったものは全部買う。あとでまとめて私の屋敷に送ってくれればいい」

「あ、ありがとうございます!今すぐにでもお持ちします!」

「い、いいんですかクロヴィス様!?」

「そのくらい構わない。気にするな」

「クロヴィス様…!ありがとうございます!」

こんなにあまやかされて、大丈夫かな。幸せ過ぎて溺れそう。
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