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一生懸命におしゃれしてみる

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朝、カーテンを開かれて朝日が部屋に射し込む。天蓋も開かれたら、眩しくて目がさめる。

「んんー。おはよう、マリスビリー」

ぐーっと伸びをしながら、マリスビリーにいつもの挨拶。マリスビリーは優しく笑って返してくれる。

「おはようございます、坊ちゃん。今日も晴れて、素敵な朝ですね」

そういえば、昨日のことマリスビリーに伝えてなかった。

「マリスビリー。急だけど今日、クロヴィス様とお出掛けすることになったよ」

「あ、ポール様から伺っております!早速おしゃれしましょうね!」

ポールはさすがだなぁ。クロヴィス様から聞いて、マリスビリーにも教えておいてくれるなんて。出来る執事って感じ。もちろん、マリスビリーも頼りになるんだけどね。

「クロヴィス様の隣を歩くのに、おしゃれは欠かせないよね。ちゃんとかっこよく見えるようにしなくちゃ」

「では、まずはせっかく早起きもしたので朝から入浴致しましょうか!」

「入浴?…ああ、風呂入ったらいい匂いするもんね。いいよ、入ろう!」

マリスビリーに促されお風呂に入る。マリスビリー、いつのまにか湯船溜めてくれたんだな。

「いつもありがとうね、マリスビリー。ああ、あったかい湯船が気持ちいいよー」

「こちらこそ、いつもありがとうございます。坊ちゃんが大好きです」

「僕もだよー」

なんか、心もあったかい。やっぱり僕、マリスビリーが大好きだな。

「さあ。お身体も清めましたし、今度はマッサージをしましょうね」

「え、マッサージ?毎日寝る前にやってるよ?」

「意外とマッサージで見た目も変わるんですよ。毎日のメンテナンスも大事ですが、ここぞという時にもやっておかないと!」

「ふーん、そうなの?まあ、クロヴィス様の隣を歩くのに恥ずかしくないようにしてくれるなら」

「お任せください!」

頭も髪もさっぱり洗ってもらうと、今度は風呂から出てバスローブ姿で髪を風魔法で乾かしてもらう。そしてその後、ベッドでマッサージ。マリスビリーのマッサージはいつも気持ちいいけど、今日は特に気持ちよくて、いつのまにか二度寝していた。

「はい、奥様。起きてください、次はお洋服を選びましょう」

「んー。ごめん、寝てた。よだれは…出てないな、よかった」

「今日のお洋服はどれにしましょうか。公爵家に移り住む時、たくさん揃えてありましたから逆に迷いますね」

「そうだなぁ。クロヴィス様は銀髪に青い瞳だから、青が基調のその服にする」

「坊ちゃん、ナイスなセンスです!」

一生懸命に着飾って鏡を見ると、やっぱり男装した女の子みたいでちょっとだけショック。でも顔は生まれつきだししょうがない。
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