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流星群に願いを
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今日はフェリクス様の公務の関係で、フェリクス様がうちに泊まることになった。それもフェリクス様の希望で私の部屋に泊まることが決まった。私達は結婚するまでは健全な関係でいるつもりなので無論そういうことはしない。
「ミレイ」
「なあに、フェリクス様…わ!」
フェリクス様が枕投げを仕掛けてきました。見事に私の顔面に命中。悔しいです。
「えいっ!」
私も応戦します。しかしフェリクス様はひょいと躱します。
「もう!えいっ」
「はは、それっ!」
「ちょっとは当たってください!」
「ミレイこそ!」
枕投げなんて子供っぽいなと思わなくはないですが、フェリクス様とならなにをしていても楽しいです。
「それっ」
「えいっ」
今度はお互いの顔面に命中。私達は思わず吹き出します。
「ふ、ふふふ…あはははは!」
「ははっ…ははははは!」
たくさん笑って落ち着くと、今度はフェリクス様に抱き寄せられます。
「いつまでもこうやって、馬鹿やってはしゃいで、仲良くしてくれる?」
「フェリクス様とならなにをしても楽しい自信があります」
「僕も」
「そういえば、今日は流星群が見れるそうですよ」
「知ってる。一緒に見たくて同じ部屋に泊まったんだよ」
「あ、そうだったんだ」
フェリクス様と一緒に窓辺で毛布にくるまって流星群を待ちます。するとフェリクス様が私をぎゅっと抱きしめてきました。
「寒いのは苦手だろう?抱きしめてあげる」
「ありがとうございます、フェリクス様」
大切そうに優しく、でも力強く抱きしめてくれるフェリクス様。幸せです。
「ねえ、フェリクス様は流れ星になにを願うんですか?」
「ミレイとずっとこうして一緒にいられますように、かな」
「私も、ずっとフェリクス様とこうして一緒にいられるように願いますね」
「絶対叶えようね」
「はい、絶対です!」
そうして私達は抱きしめ合いながら星の雨を待ちました。
「あ、流れ星!」
「お、始まったね」
「フェリクス様とずっと一緒にいられますように、フェリクス様とずっと一緒にいられますように、フェリクス様とずっと一緒にいられますように…」
「ミレイとずっと一緒にいられますように、ミレイとずっと一緒にいられますように、ミレイとずっと一緒にいられますように…」
「フェリクス様が他の女性に目移りしませんように、フェリクス様が他の女性に目移りしませんように、フェリクスが他の女性に目移りしませんように」
「ミレイがずっと僕のことを好きでいてくれますように、ミレイがずっと僕のことを好きでいてくれますように、ミレイがずっと僕のことを好きでいてくれますように」
「おばあちゃんになってもフェリクス様の好みの女性でいられますように、おばあちゃんになってもフェリクス様の好みの女性でいられますように、おばあちゃんになってもフェリクス様の好みの女性でいられますように」
「おじいちゃんになったらたくさんの孫に囲まれてミレイと笑って過ごせますように、おじいちゃんになったらたくさんの孫に囲まれてミレイと笑って過ごせますように、おじいちゃんになったらたくさんの孫に囲まれてミレイと笑って過ごせますように」
「よし、これで大丈夫ですね」
「もう少し見たらベッドに入ろう」
「ええ」
そうして私達は流星群を楽しんだ後ベッドに入りました。
ところが気持ち良く安心して眠りについたのに、私は怖い夢を見て飛び起きてしまいました。
「…っ!」
殺人鬼に襲われる夢でした。とても怖かったです。
「と、とりあえず今は…まだ三時…まだ寝なきゃだよね…また怖い夢をみたらどうしよう…」
「ん…ミレイ、どうしたの…?」
「フェリクス様。ごめんなさい、起こしてしまいましたか?」
「僕は大丈夫だけど。それより君こそこんな時間にどうしたの?眠れないの?」
「殺人鬼に襲われる夢を見て飛び起きたんです。とっても怖くて…」
「あー…もう大丈夫だよ、ミレイ」
優しく抱きしめてくれるフェリクス様に安心します。
「眠れるまで話でもしよう。あ、抱きしめたまま寝てもいい?」
「逆にそこまでしてもらっていいんですか?」
「当たり前だろう?君の婚約者なんだから」
フェリクス様はそういうと本当に抱きしめたまま横になってくれます。フェリクス様の胸元に耳を当てると、心地良い鼓動が聞こえます。落ち着く…。
「あ、どうせなら腕枕しようか」
「はい」
腕枕をされ、更に抱きしめられ、私はもう夢の怖さなど忘れてときめいてしまいました。
「フェリクス様、大好きです」
「ん…僕も。ただ、こういう状況で言われるとうっかり手を出しそうだから…」
困ったように笑うフェリクス様。ごめんなさい。
「おやすみ、ミレイ」
「おやすみなさい、フェリクス様」
そうして私はぐっすり眠れたのでした。
そして朝、体をこちょこちょとされてくすぐったくて目が覚めます。
「ちょっとフェリクス様!」
「おはよう、ミレイ。よく眠れた?」
「おかげさまでよく眠れました。ありがとう。でもなんでこちょこちょするんですか!」
「はは、だってミレイが可愛い寝顔で寝てるのが悪い」
「理由になってないです!」
そんなこんなで今日もフェリクス様との一日が始まりました。
「ミレイ」
「なあに、フェリクス様…わ!」
フェリクス様が枕投げを仕掛けてきました。見事に私の顔面に命中。悔しいです。
「えいっ!」
私も応戦します。しかしフェリクス様はひょいと躱します。
「もう!えいっ」
「はは、それっ!」
「ちょっとは当たってください!」
「ミレイこそ!」
枕投げなんて子供っぽいなと思わなくはないですが、フェリクス様とならなにをしていても楽しいです。
「それっ」
「えいっ」
今度はお互いの顔面に命中。私達は思わず吹き出します。
「ふ、ふふふ…あはははは!」
「ははっ…ははははは!」
たくさん笑って落ち着くと、今度はフェリクス様に抱き寄せられます。
「いつまでもこうやって、馬鹿やってはしゃいで、仲良くしてくれる?」
「フェリクス様とならなにをしても楽しい自信があります」
「僕も」
「そういえば、今日は流星群が見れるそうですよ」
「知ってる。一緒に見たくて同じ部屋に泊まったんだよ」
「あ、そうだったんだ」
フェリクス様と一緒に窓辺で毛布にくるまって流星群を待ちます。するとフェリクス様が私をぎゅっと抱きしめてきました。
「寒いのは苦手だろう?抱きしめてあげる」
「ありがとうございます、フェリクス様」
大切そうに優しく、でも力強く抱きしめてくれるフェリクス様。幸せです。
「ねえ、フェリクス様は流れ星になにを願うんですか?」
「ミレイとずっとこうして一緒にいられますように、かな」
「私も、ずっとフェリクス様とこうして一緒にいられるように願いますね」
「絶対叶えようね」
「はい、絶対です!」
そうして私達は抱きしめ合いながら星の雨を待ちました。
「あ、流れ星!」
「お、始まったね」
「フェリクス様とずっと一緒にいられますように、フェリクス様とずっと一緒にいられますように、フェリクス様とずっと一緒にいられますように…」
「ミレイとずっと一緒にいられますように、ミレイとずっと一緒にいられますように、ミレイとずっと一緒にいられますように…」
「フェリクス様が他の女性に目移りしませんように、フェリクス様が他の女性に目移りしませんように、フェリクスが他の女性に目移りしませんように」
「ミレイがずっと僕のことを好きでいてくれますように、ミレイがずっと僕のことを好きでいてくれますように、ミレイがずっと僕のことを好きでいてくれますように」
「おばあちゃんになってもフェリクス様の好みの女性でいられますように、おばあちゃんになってもフェリクス様の好みの女性でいられますように、おばあちゃんになってもフェリクス様の好みの女性でいられますように」
「おじいちゃんになったらたくさんの孫に囲まれてミレイと笑って過ごせますように、おじいちゃんになったらたくさんの孫に囲まれてミレイと笑って過ごせますように、おじいちゃんになったらたくさんの孫に囲まれてミレイと笑って過ごせますように」
「よし、これで大丈夫ですね」
「もう少し見たらベッドに入ろう」
「ええ」
そうして私達は流星群を楽しんだ後ベッドに入りました。
ところが気持ち良く安心して眠りについたのに、私は怖い夢を見て飛び起きてしまいました。
「…っ!」
殺人鬼に襲われる夢でした。とても怖かったです。
「と、とりあえず今は…まだ三時…まだ寝なきゃだよね…また怖い夢をみたらどうしよう…」
「ん…ミレイ、どうしたの…?」
「フェリクス様。ごめんなさい、起こしてしまいましたか?」
「僕は大丈夫だけど。それより君こそこんな時間にどうしたの?眠れないの?」
「殺人鬼に襲われる夢を見て飛び起きたんです。とっても怖くて…」
「あー…もう大丈夫だよ、ミレイ」
優しく抱きしめてくれるフェリクス様に安心します。
「眠れるまで話でもしよう。あ、抱きしめたまま寝てもいい?」
「逆にそこまでしてもらっていいんですか?」
「当たり前だろう?君の婚約者なんだから」
フェリクス様はそういうと本当に抱きしめたまま横になってくれます。フェリクス様の胸元に耳を当てると、心地良い鼓動が聞こえます。落ち着く…。
「あ、どうせなら腕枕しようか」
「はい」
腕枕をされ、更に抱きしめられ、私はもう夢の怖さなど忘れてときめいてしまいました。
「フェリクス様、大好きです」
「ん…僕も。ただ、こういう状況で言われるとうっかり手を出しそうだから…」
困ったように笑うフェリクス様。ごめんなさい。
「おやすみ、ミレイ」
「おやすみなさい、フェリクス様」
そうして私はぐっすり眠れたのでした。
そして朝、体をこちょこちょとされてくすぐったくて目が覚めます。
「ちょっとフェリクス様!」
「おはよう、ミレイ。よく眠れた?」
「おかげさまでよく眠れました。ありがとう。でもなんでこちょこちょするんですか!」
「はは、だってミレイが可愛い寝顔で寝てるのが悪い」
「理由になってないです!」
そんなこんなで今日もフェリクス様との一日が始まりました。
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