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新しい魔法薬は魔力増強の効果あり
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早速新しい魔法薬を作ります。鍋に材料を入れ、レシピ通りに作ります。魔力を前の魔法薬のレシピより大目に流して、完成です。
「お嬢様、完成ですね!」
「そうだね!とりあえず今回の魔法薬の効能は魔力の増強みたいだから…ルナさん、飲んでみる?」
「いいんですか?ありがとうございます」
魔力の質と量は人によりけりだけど、どうしても魔法の訓練を幼い頃から受けられる王族や貴族と、生活に必要な最低限の魔法しか使ってこなかった平民とでは量に開きがある。しかしこの魔法薬を飲めば、魔力を少しずつではあれ増強できるので、平民も魔法に頼れて生活が楽になるだろう。ルナさんや使用人のみんなに配って、そのうち領民たちにも配ってあげよう。
「ごくっ…ん、なんだか身体がぽかぽかしますね」
「そっかそっか。きっと効いてる証拠だね」
「ありがとうございます、お嬢様」
「どういたしまして」
エドは高位貴族出身だから必要ないかもしれないけど。
「エドも飲んでみる?」
「いいの?ありがとう」
ごくっと飲むエド。
「本当にすごくぽかぽかするね。ありがとう、ミレイ様」
「どういたしまして。まだまだたくさん作るから、使用人のみんなに配ってくれる?」
「もちろんです」
「任せてよ」
ー…
使用人達や領民達に毎日のように魔力増強用の魔法薬を配って一月。新しい魔法薬のおかげで、みんな魔力がかなり増えて魔法に頼って生活できるようになったらしく、大分生活が楽になったらしい。みんなから感謝の声が届くようになった。そこまでいくともう使用人達や領民達に魔力増強用の魔法薬を配る必要が無くなるので今度は冒険者ギルドに売り捌いた。
入ってきた収入を全部持って、懐かしの孤児院へ行く。神父様と二人きりにしてもらい、直接寄付金を手渡しした。
「お久しぶりですね。ようこそいらっしゃいました」
「お久しぶりです。これ、受け取ってください」
「寄付金、ありがとうございます。とても助かります」
「経営の足しになっていますか?」
「はい、もちろん。借金も返済しきることが出来ましたし、子供達にお肉を食べさせてあげられる日が増えました。本当に助かっています。ありがとうございます」
「お役に立てれば何よりです」
「子供達の様子を見て帰りますか?」
「…いえ。シスター達も、兄弟達も、今の私にはあまり良い感情はないでしょうから」
「そうですか。…みんな、少しずつ前を向いています。どうか、心配しないでくださいね」
「ありがとうございます、神父様。みんなをよろしくお願いします」
「ええ」
「それでは」
「また来てくださいね、ミレイ」
「ふふ、はい。神父様、大好きです」
「私も貴女がとても大切ですよ。幸せになりなさい、ミレイ」
「はい!」
こうして私は、マルセル公爵家に真っ直ぐに帰るのでした。
「お嬢様、完成ですね!」
「そうだね!とりあえず今回の魔法薬の効能は魔力の増強みたいだから…ルナさん、飲んでみる?」
「いいんですか?ありがとうございます」
魔力の質と量は人によりけりだけど、どうしても魔法の訓練を幼い頃から受けられる王族や貴族と、生活に必要な最低限の魔法しか使ってこなかった平民とでは量に開きがある。しかしこの魔法薬を飲めば、魔力を少しずつではあれ増強できるので、平民も魔法に頼れて生活が楽になるだろう。ルナさんや使用人のみんなに配って、そのうち領民たちにも配ってあげよう。
「ごくっ…ん、なんだか身体がぽかぽかしますね」
「そっかそっか。きっと効いてる証拠だね」
「ありがとうございます、お嬢様」
「どういたしまして」
エドは高位貴族出身だから必要ないかもしれないけど。
「エドも飲んでみる?」
「いいの?ありがとう」
ごくっと飲むエド。
「本当にすごくぽかぽかするね。ありがとう、ミレイ様」
「どういたしまして。まだまだたくさん作るから、使用人のみんなに配ってくれる?」
「もちろんです」
「任せてよ」
ー…
使用人達や領民達に毎日のように魔力増強用の魔法薬を配って一月。新しい魔法薬のおかげで、みんな魔力がかなり増えて魔法に頼って生活できるようになったらしく、大分生活が楽になったらしい。みんなから感謝の声が届くようになった。そこまでいくともう使用人達や領民達に魔力増強用の魔法薬を配る必要が無くなるので今度は冒険者ギルドに売り捌いた。
入ってきた収入を全部持って、懐かしの孤児院へ行く。神父様と二人きりにしてもらい、直接寄付金を手渡しした。
「お久しぶりですね。ようこそいらっしゃいました」
「お久しぶりです。これ、受け取ってください」
「寄付金、ありがとうございます。とても助かります」
「経営の足しになっていますか?」
「はい、もちろん。借金も返済しきることが出来ましたし、子供達にお肉を食べさせてあげられる日が増えました。本当に助かっています。ありがとうございます」
「お役に立てれば何よりです」
「子供達の様子を見て帰りますか?」
「…いえ。シスター達も、兄弟達も、今の私にはあまり良い感情はないでしょうから」
「そうですか。…みんな、少しずつ前を向いています。どうか、心配しないでくださいね」
「ありがとうございます、神父様。みんなをよろしくお願いします」
「ええ」
「それでは」
「また来てくださいね、ミレイ」
「ふふ、はい。神父様、大好きです」
「私も貴女がとても大切ですよ。幸せになりなさい、ミレイ」
「はい!」
こうして私は、マルセル公爵家に真っ直ぐに帰るのでした。
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