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婚約者と放課後

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はい。放課後です。今日はノアのエスコートで街に向かって歩きます。ノアはうきうきわくわくとしていて、瞳もきらきらと輝いていて、私の歩調に合わせてゆっくりと歩きつつ私の手を離してくれません。

「ふふ」

「どうしたの?ノア」

「いや、こういうデートは初めてだなと思って」

「そうね」

「あと、ちょっと緊張してるユリアが可愛くて」

ノアの言葉に顔が赤くなります。だって婚約者とお出かけするのとお友達とお出かけするのじゃ違うんですから仕方がないのです!ノアったら意地悪です!

「もう!ノアの意地悪!」

「ふふ。ごめんね、ユリアが可愛いからつい」

「…もう、ノアったら」

「あ!ユリア、見て!クレープ屋さんだよ!」

「まあ!本当!行ってみましょう!」

「わー、平民の間ではこんなのが流行ってるんだね!ユリア!」

「そうね、とっても素敵!」

私達貴族が普段食べるクレープよりもむしろ豪華に見えるクレープ屋さんのクレープ。美味しそう!

「もしかしてこれ、買ってすぐに食べていいの?」

「毒味係もいないし大丈夫よ。昨日も焼き芋屋さんで買い食い出来たもの」

「そうなんだ、じゃあ買い食いしてみようか!こんなの初めてだなぁ。楽しみ!」

クレープ屋さんでクレープを買います。店員さんがノアに、おまけにもう一つクレープをくれました。私はもちろんノアもこのお店を気に入ったようです。

「よし、じゃあ早速買い食いしましょう?」

「うん!では早速いただきます!」

「いただきます!」

うーん、美味しい!クリームと果物たっぷりで、チョコレートシロップもかかっていて、とても美味しい!

「凄く美味しいね!」

「クレープってこんなに美味しかったっけ?ユリアと一緒に食べてるからそう感じるのかな?」

「もう!ノアったら!」

「ふふ、ユリア顔真っ赤。可愛い」

ちゅっ、と頬にキスをされます。赤くなっていた自分の顔が余計に真っ赤になっていくのがわかります。

「もう!なんだか今日のノアは意地悪だわ!」

「だってこのくらいアピールしておかないとハリーに取られちゃいそうで怖いんだもん」

まあ!ノアったらお友達にまで嫉妬しているの?

「ふふ、大丈夫よ。私はノアに一途だもの。それにハリーはお友達だもの」

「そっかー、よかった」

「ノアったら心配性ね」

「そりゃあそうだよ。ユリアの事だもん」

「ふふ。ありがとう、ノア」

いちゃつくだけいちゃついた後、今度はくじ屋さんに来ました。くじを引いて当たりが出たら好きな商品が貰えるようです。

「うーん、ユリアはなにか欲しいものある?」

「あの犬のぬいぐるみが可愛くて欲しいわ」

「じゃあちょっと引いてこようかな」

そういうとノアはくじを買って当たりか確かめています。

「うーん、さすがに一発じゃ当たらないね」

「無理はしないでね?」

「うん、今日持ってきた小遣い分だけにしておくよ」

そういうと何回か引きに行ったノア。そしてとうとう当たりが出ました!

「…当たった!当たったよユリア!」

「よかった!」

「はい、犬のぬいぐるみ」

「やったー!ありがとう!」

ノアがとってくれたぬいぐるみを抱きしめます。

「うーん、ふかふかふわふわー」

「ふふ。嬉しい?ユリア」

「うん、とっても嬉しいわ!」

「次はあのアクセサリーショップに行ってみよう」

「ええ」

アクセサリーショップに行くと可愛らしいアクセサリーがたくさんありました。

「ユリアはどの指輪が欲しい?」

「指輪限定なの?じゃあこれかしら」

選んだのはシンプルで可愛い指輪。

「ふふ。ユリアはこういう指輪が好きなんだね。買ってくるよ」

「ありがとう、ノア」

「うん、お揃いで着けようね」

「ええ、もちろん」

ノアが買ってきてくれました。

「ユリア、本物は卒業後に買うから、今はこれを左手薬指にはめてくれないかな?」

「ノア…ありがとう、受け取るわ」

「ふふ、じゃあ僕がはめてあげるね」

「ありがとう」

「はい」

「…うん、似合ってる」

「じゃあ、ノアの指輪は私が着けてあげる」

「ありがとう」

「うん、とっても似合っているわ」

「よかった」

「じゃあ、そろそろ馬車で帰ろうか」

「ええ」

そうして楽しく話しながら馬車に乗って帰りました。ノアからの指輪がとっても嬉しかったです!
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