55 / 67
婚約者のライバルである友達と放課後2
しおりを挟む
ハリーのエスコートで街に向かって歩きます。ハリーはうきうきわくわくといった雰囲気で、瞳もきらきらと輝いていますが、それでも私の歩調に合わせてゆっくり歩いてくださいます。
「ふふ」
「うん?ユーナ、どうかしたかい?」
「いや、私もこうしてお友達とお出かけ出来るのが楽しいんですけど」
「うん」
「ハリーはもっと楽しそうだなって思って」
私の言葉に何故か顔を赤くするハリー。
「すまない。少し浮かれ過ぎてしまったかもしれない」
「いえ、そんな!私も同じ気持ちですから!」
「…ふふ、それはよかった」
「あ!ハリー、見てください!焼き芋屋さんですよ!」
「ほう!これが焼き芋屋か!珍しいな!」
「本当ですね!でも、平民の皆様にとっては馴染みのお店らしいですよ!」
「なんと!そうなのか!」
私達貴族には焼き芋そのものが馴染みが薄いのです。ましてや焼き芋屋さんなんて初めてみるのです。
「もしかしてこれは、買ってすぐに食べられるのだろうか?」
「毒味係がいないのはちょっと不安ですけど、せっかくですし買ってみましょうか?」
「そうだな、是非食べてみよう」
焼き芋屋さんで焼き芋を買います。店員さんが親切で、私はもちろんハリーもこのお店を気に入ったようです。
「よし、じゃあ早速買い食いというものをしてみよう」
「はい!是非!では早速いただきます!」
「いただきます」
うーん、美味しい!蜜たっぷりで、ほくほくで、ねっとりしていてとても美味しい!
「温かいですね!」
「冷たくない温かい出来立ての料理がこれほど美味しいとは」
「案外こういう面では平民の皆様の方が恵まれているのかも知れませんね!」
「そうだな。僕達の食事は基本的に決まったものばかりだし、冷めた頃に食べるからちょっと味が落ちる」
「そうですね、今日はとっても楽しいです!」
知らなかった平民の皆様の暮らしぶりも少し知れましたし!
「ふふ。そんなに喜んでくれると誘った甲斐があったよ」
「さあ!次に行きましょう!」
「ふふ。はいはい」
「まあ!見てください、ハリー!ドーナツ屋さんですよ!」
「ふふ。じゃあ行ってみようか」
ドーナツ屋さんでもドーナツを買って食べてみます。
「うーん、出来立てのドーナツがこんなに美味しいなんて!」
「これは嵌ってしまいそうだね」
「ええ、とっても!」
「チョコレートがかかっているのもなかなか美味しい」
「プレーンも美味しいですよ!一口食べますか?」
「あ、…うん、いただくよ」
何故かお顔が真っ赤なハリー。私が食べたところを齧ります。
「…美味しいね」
「よかった!」
「ユーナもチョコレートドーナツ一口食べるかい?」
「ええ、是非!」
ハリーがくれたチョコレートドーナツを一口ぱくり。
「うーん、美味しいー!」
「ふふ。ユーナは本当に幸せそうに食べるね。見ていて気持ちが良いよ」
「そ、そうですか?ありがとうございます」
私も今顔が真っ赤です。二人して顔が真っ赤なので他人からみたらカップルに見えちゃうかも知れません。
「それにしても」
「?はい」
「これでお互い間接キスしちゃったね」
私の顔が余計に真っ赤になります。そこまで考えていませんでした。
「…あ、ごめんなさい。いつもノアとしているのでつい」
私がそういうと、ハリーは一瞬苦い顔をしましたがその後すぐに笑顔になりました。
「そっかそっか。でも僕は間接キスでもユーナに触れられて嬉しいよ」
ハリーったらまた冗談を。案外楽しい人なようです。
「ふふ。ハリーは本当に冗談がお上手ね」
「冗談ではないよ」
「ふふふ、ハリーったら」
「…これだけ口説いても伝わらないかぁ」
「え?」
「ふふ、なんでもないよ。さあそろそろ帰ろう。あとは手配しておいた馬車で送るよ」
「ええ、それじゃあお邪魔します」
「さあ、僕の手に捕まって」
「はい」
そうして楽しく話しながら馬車に乗って帰りました。とっても楽しかったです!
「ふふ」
「うん?ユーナ、どうかしたかい?」
「いや、私もこうしてお友達とお出かけ出来るのが楽しいんですけど」
「うん」
「ハリーはもっと楽しそうだなって思って」
私の言葉に何故か顔を赤くするハリー。
「すまない。少し浮かれ過ぎてしまったかもしれない」
「いえ、そんな!私も同じ気持ちですから!」
「…ふふ、それはよかった」
「あ!ハリー、見てください!焼き芋屋さんですよ!」
「ほう!これが焼き芋屋か!珍しいな!」
「本当ですね!でも、平民の皆様にとっては馴染みのお店らしいですよ!」
「なんと!そうなのか!」
私達貴族には焼き芋そのものが馴染みが薄いのです。ましてや焼き芋屋さんなんて初めてみるのです。
「もしかしてこれは、買ってすぐに食べられるのだろうか?」
「毒味係がいないのはちょっと不安ですけど、せっかくですし買ってみましょうか?」
「そうだな、是非食べてみよう」
焼き芋屋さんで焼き芋を買います。店員さんが親切で、私はもちろんハリーもこのお店を気に入ったようです。
「よし、じゃあ早速買い食いというものをしてみよう」
「はい!是非!では早速いただきます!」
「いただきます」
うーん、美味しい!蜜たっぷりで、ほくほくで、ねっとりしていてとても美味しい!
「温かいですね!」
「冷たくない温かい出来立ての料理がこれほど美味しいとは」
「案外こういう面では平民の皆様の方が恵まれているのかも知れませんね!」
「そうだな。僕達の食事は基本的に決まったものばかりだし、冷めた頃に食べるからちょっと味が落ちる」
「そうですね、今日はとっても楽しいです!」
知らなかった平民の皆様の暮らしぶりも少し知れましたし!
「ふふ。そんなに喜んでくれると誘った甲斐があったよ」
「さあ!次に行きましょう!」
「ふふ。はいはい」
「まあ!見てください、ハリー!ドーナツ屋さんですよ!」
「ふふ。じゃあ行ってみようか」
ドーナツ屋さんでもドーナツを買って食べてみます。
「うーん、出来立てのドーナツがこんなに美味しいなんて!」
「これは嵌ってしまいそうだね」
「ええ、とっても!」
「チョコレートがかかっているのもなかなか美味しい」
「プレーンも美味しいですよ!一口食べますか?」
「あ、…うん、いただくよ」
何故かお顔が真っ赤なハリー。私が食べたところを齧ります。
「…美味しいね」
「よかった!」
「ユーナもチョコレートドーナツ一口食べるかい?」
「ええ、是非!」
ハリーがくれたチョコレートドーナツを一口ぱくり。
「うーん、美味しいー!」
「ふふ。ユーナは本当に幸せそうに食べるね。見ていて気持ちが良いよ」
「そ、そうですか?ありがとうございます」
私も今顔が真っ赤です。二人して顔が真っ赤なので他人からみたらカップルに見えちゃうかも知れません。
「それにしても」
「?はい」
「これでお互い間接キスしちゃったね」
私の顔が余計に真っ赤になります。そこまで考えていませんでした。
「…あ、ごめんなさい。いつもノアとしているのでつい」
私がそういうと、ハリーは一瞬苦い顔をしましたがその後すぐに笑顔になりました。
「そっかそっか。でも僕は間接キスでもユーナに触れられて嬉しいよ」
ハリーったらまた冗談を。案外楽しい人なようです。
「ふふ。ハリーは本当に冗談がお上手ね」
「冗談ではないよ」
「ふふふ、ハリーったら」
「…これだけ口説いても伝わらないかぁ」
「え?」
「ふふ、なんでもないよ。さあそろそろ帰ろう。あとは手配しておいた馬車で送るよ」
「ええ、それじゃあお邪魔します」
「さあ、僕の手に捕まって」
「はい」
そうして楽しく話しながら馬車に乗って帰りました。とっても楽しかったです!
23
お気に入りに追加
5,636
あなたにおすすめの小説

結婚しても別居して私は楽しくくらしたいので、どうぞ好きな女性を作ってください
シンさん
ファンタジー
サナス伯爵の娘、ニーナは隣国のアルデーテ王国の王太子との婚約が決まる。
国に行ったはいいけど、王都から程遠い別邸に放置され、1度も会いに来る事はない。
溺愛する女性がいるとの噂も!
それって最高!好きでもない男の子供をつくらなくていいかもしれないし。
それに私は、最初から別居して楽しく暮らしたかったんだから!
そんな別居願望たっぷりの伯爵令嬢と王子の恋愛ストーリー
最後まで書きあがっていますので、随時更新します。
表紙はエブリスタでBeeさんに描いて頂きました!綺麗なイラストが沢山ございます。リンク貼らせていただきました。

【完結】 私を忌み嫌って義妹を贔屓したいのなら、家を出て行くのでお好きにしてください
ゆうき
恋愛
苦しむ民を救う使命を持つ、国のお抱えの聖女でありながら、悪魔の子と呼ばれて忌み嫌われている者が持つ、赤い目を持っているせいで、民に恐れられ、陰口を叩かれ、家族には忌み嫌われて劣悪な環境に置かれている少女、サーシャはある日、義妹が屋敷にやってきたことをきっかけに、聖女の座と婚約者を義妹に奪われてしまった。
義父は義妹を贔屓し、なにを言っても聞き入れてもらえない。これでは聖女としての使命も、幼い頃にとある男の子と交わした誓いも果たせない……そう思ったサーシャは、誰にも言わずに外の世界に飛び出した。
外の世界に出てから間もなく、サーシャも知っている、とある家からの捜索願が出されていたことを知ったサーシャは、急いでその家に向かうと、その家のご子息様に迎えられた。
彼とは何度か社交界で顔を合わせていたが、なぜかサーシャにだけは冷たかった。なのに、出会うなりサーシャのことを抱きしめて、衝撃の一言を口にする。
「おお、サーシャ! 我が愛しの人よ!」
――これは一人の少女が、溺愛されながらも、聖女の使命と大切な人との誓いを果たすために奮闘しながら、愛を育む物語。
⭐︎小説家になろう様にも投稿されています⭐︎
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。

王太子エンドを迎えたはずのヒロインが今更私の婚約者を攻略しようとしているけどさせません
黒木メイ
恋愛
日本人だった頃の記憶があるクロエ。
でも、この世界が乙女ゲームに似た世界だとは知らなかった。
知ったのはヒロインらしき人物が落とした『攻略ノート』のおかげ。
学園も卒業して、ヒロインは王太子エンドを無事に迎えたはずなんだけど……何故か今になってヒロインが私の婚約者に近づいてきた。
いったい、何を考えているの?!
仕方ない。現実を見せてあげましょう。
と、いうわけでクロエは婚約者であるダニエルに告げた。
「しばらくの間、実家に帰らせていただきます」
突然告げられたクロエ至上主義なダニエルは顔面蒼白。
普段使わない頭を使ってクロエに戻ってきてもらう為に奮闘する。
※わりと見切り発車です。すみません。
※小説家になろう様にも掲載。(7/21異世界転生恋愛日間1位)
第12回ネット小説大賞 小説部門入賞!
書籍化作業進行中
(宝島社様から大幅加筆したものを出版予定です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる