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僕の幼馴染と放課後
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放課後になった。ユリアを教室まで迎えに行く。
「ユリア!迎えに来たよ!一緒に帰ろう!」
ユリアがこちらに来ようとした時、ルークがユリアの手を掴んで引き留める。何勝手にユリアに触ってるんだあいつ!ユリアに何の用だよ!
ルークがユリアの前でお願い!と手を合わせている。ねえ何してるの?あんまりユリアに近寄らないでよ。
ユリアとルークは二人で僕の所に来た。
「…?なんでルークも一緒にいるの?」
「ノア、今日はルーク様と一緒に帰りましょう?」
「え!?なんで!?せっかくのユリアとの二人っきりの時間が…!」
そんなの絶対やだ!
「あー!はいはい!お邪魔虫でごめんね!でもちょっとくらいいいじゃん!」
「ちょっとでもやだ!婚約者である僕を無視して何勝手な約束してるの!」
「ごめんごめん!まあそこをなんとか!」
「絶対やだー!」
意地でも認めるもんか!絶対やだ!何が何でも断る!
「ノア、今日だけなのだし別にいいじゃない。ね?」
「……………………ユリアがそういうなら」
ユリアが可愛く小首を傾げるので思わずOKしてしまった。しまったー!
「あ、今日だけとは言わずこれから毎日一緒に登下校しよう」
「え?」
「はい、わかりました」
「ユリア!なにさらっと了承してるの!?」
なんでルークなんかに二人きりの時間を邪魔されなきゃいけないの!?
「ふふ。ありがとう、ユリちゃん」
「どういたしまして。じゃあ行きましょう」
「そ、そんな…!ユリア、考え直してー!」
でも僕の叫びはユリアには届かなかった。そして僕達は同じ馬車に乗って帰り道を通っている。
「ところでさ、ユリちゃんってどんな食べ物が好きなの?」
「チョコレートですね」
「へー、ノアとお揃いだね」
ルークがユリアの好みに探りを入れてくる。何企んでるんだこいつ。
「ユリアとは食の好みも似てるんだよね。ねー、ユリア」
「そうね、ノア」
「ラブラブだね。でもチョコレートならアリア様もお好きだよ」
「そうなのですか?」
「うんそう。俺は苦手だけど」
「知ってる」
アリアがチョコレート好きだからなんだよ。お前がチョコレート嫌いなのはもう知ってるよ。でもユリアはとても楽しそう。きっと初めて出来た友達だから嬉しいんだろうな。ルークをカケラも疑っていない優しいユリアを傷付けたくはない。あんまり余計なことを言わないでおこう。
「じゃあ好きな花は?」
「百合です」
「可愛いよね」
さらっとユリアを褒める。百合が好きなユリアが可愛いから。僕が百合をプレゼントするたびに満面の笑みを浮かべるユリアはとても愛おしい。
「そうね。いつもノアが百合の花をくれるから、私の部屋は百合の花畑のようになっているんですよ」
「…へえ、そうなんだ」
「ユリア、僕が可愛いよねって言ったのはユリアのことだよ」
「もう、ノアったら!」
「ふふ」
ルークは僕達が仲良くじゃれあっているのを黙って見ている。…やっぱりこいつ何か企んでる?
「ルーク様?」
「…あ、ごめんごめん。本当に仲がいいなと思ってさ」
「そりゃあそうだよ。僕とユリアだもの。ね、ユリア」
「そうね、ノア」
「じゃあさ、好きな宝石は?」
さらっと話題を変えるルーク。やっぱり怪しくない?
「トルマリンです」
「へえ、トルマリン!やっぱり宝石言葉的に?」
「はい、そうです。誕生石でもあるので」
「この間ユリアにトルマリンのついたネックレスをあげたらすごく喜んでくれたんだよね」
「ふふ。ノアからのプレゼントならなんでも嬉しいわ」
「ふふ。そう言って貰えると嬉しいな」
「…へえ」
そうしてルークの言動に気をつけていたらいつの間にかルークの屋敷に着いた。
「今日はありがとう、また明日ね」
「はい、また明日」
「じゃあまたね」
明日も気を抜けないなぁ。
「ユリア!迎えに来たよ!一緒に帰ろう!」
ユリアがこちらに来ようとした時、ルークがユリアの手を掴んで引き留める。何勝手にユリアに触ってるんだあいつ!ユリアに何の用だよ!
ルークがユリアの前でお願い!と手を合わせている。ねえ何してるの?あんまりユリアに近寄らないでよ。
ユリアとルークは二人で僕の所に来た。
「…?なんでルークも一緒にいるの?」
「ノア、今日はルーク様と一緒に帰りましょう?」
「え!?なんで!?せっかくのユリアとの二人っきりの時間が…!」
そんなの絶対やだ!
「あー!はいはい!お邪魔虫でごめんね!でもちょっとくらいいいじゃん!」
「ちょっとでもやだ!婚約者である僕を無視して何勝手な約束してるの!」
「ごめんごめん!まあそこをなんとか!」
「絶対やだー!」
意地でも認めるもんか!絶対やだ!何が何でも断る!
「ノア、今日だけなのだし別にいいじゃない。ね?」
「……………………ユリアがそういうなら」
ユリアが可愛く小首を傾げるので思わずOKしてしまった。しまったー!
「あ、今日だけとは言わずこれから毎日一緒に登下校しよう」
「え?」
「はい、わかりました」
「ユリア!なにさらっと了承してるの!?」
なんでルークなんかに二人きりの時間を邪魔されなきゃいけないの!?
「ふふ。ありがとう、ユリちゃん」
「どういたしまして。じゃあ行きましょう」
「そ、そんな…!ユリア、考え直してー!」
でも僕の叫びはユリアには届かなかった。そして僕達は同じ馬車に乗って帰り道を通っている。
「ところでさ、ユリちゃんってどんな食べ物が好きなの?」
「チョコレートですね」
「へー、ノアとお揃いだね」
ルークがユリアの好みに探りを入れてくる。何企んでるんだこいつ。
「ユリアとは食の好みも似てるんだよね。ねー、ユリア」
「そうね、ノア」
「ラブラブだね。でもチョコレートならアリア様もお好きだよ」
「そうなのですか?」
「うんそう。俺は苦手だけど」
「知ってる」
アリアがチョコレート好きだからなんだよ。お前がチョコレート嫌いなのはもう知ってるよ。でもユリアはとても楽しそう。きっと初めて出来た友達だから嬉しいんだろうな。ルークをカケラも疑っていない優しいユリアを傷付けたくはない。あんまり余計なことを言わないでおこう。
「じゃあ好きな花は?」
「百合です」
「可愛いよね」
さらっとユリアを褒める。百合が好きなユリアが可愛いから。僕が百合をプレゼントするたびに満面の笑みを浮かべるユリアはとても愛おしい。
「そうね。いつもノアが百合の花をくれるから、私の部屋は百合の花畑のようになっているんですよ」
「…へえ、そうなんだ」
「ユリア、僕が可愛いよねって言ったのはユリアのことだよ」
「もう、ノアったら!」
「ふふ」
ルークは僕達が仲良くじゃれあっているのを黙って見ている。…やっぱりこいつ何か企んでる?
「ルーク様?」
「…あ、ごめんごめん。本当に仲がいいなと思ってさ」
「そりゃあそうだよ。僕とユリアだもの。ね、ユリア」
「そうね、ノア」
「じゃあさ、好きな宝石は?」
さらっと話題を変えるルーク。やっぱり怪しくない?
「トルマリンです」
「へえ、トルマリン!やっぱり宝石言葉的に?」
「はい、そうです。誕生石でもあるので」
「この間ユリアにトルマリンのついたネックレスをあげたらすごく喜んでくれたんだよね」
「ふふ。ノアからのプレゼントならなんでも嬉しいわ」
「ふふ。そう言って貰えると嬉しいな」
「…へえ」
そうしてルークの言動に気をつけていたらいつの間にかルークの屋敷に着いた。
「今日はありがとう、また明日ね」
「はい、また明日」
「じゃあまたね」
明日も気を抜けないなぁ。
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