73 / 108
オレの番に加護なんか与えたら本気で叩き斬ってやる
しおりを挟む 陽がとっぷり暮れた頃に、クライヴとリラの父であるチャールズ・アリエスは屋敷に戻ってきた。
何やら憑き物が取れたようにチャールズは穏やかな笑みを浮かべていた。
リラはふたりが何を話したのか少し気になったものの、男同士の会話を尋ねるなど不躾だろうと思い尋ねることはなかった。
晩餐後。
リラとクライヴはチャールズの執務室に案内された。
要件はもちろん、チャールズが婚約証書に署名するためであった。
チャールズは執務机の正面のソファに座るようにふたりを促した。
「リラ、クライヴ様と一緒にいて幸せかい。」
チャールズは、真剣に真っ直ぐな瞳でリラに尋ねた。
おそらくこれはリラへの最後の確認なのだろう。
この婚約証書にチャールズがサインすれば、後戻りはできず、クライヴとの婚約そして結婚はより約束されたものになる。
「はい、お父様。クライヴ様といて、とても幸せです。」
リラは緊張しながらも、真っ直ぐ瞳でチャールズにそう答えた。
リラに迷いはなかった。
誰かといて、これほどまでに心が動かされることなど初めてだった。
おそらくこれからもクライヴ以外の人間にこれほど心を動かされることはないだろう。
リラは素直にそう思えたのだった。
「そうか。リラ、幸せになってくれ。忙しいとは思うが、我が家にも領地にもいつでも遊びにきて構わないからな。」
チャールズは立ち上がり、執務机に向かうとササッと机に置かれた羽ペンで二枚の婚約証書に自身の名前を記し、横に家紋の捺印を行うと一枚をクライヴに手渡した。
「クライヴ様、大変お待たせいたしました。こちらでよろしいでしょうか。」
「ありがとうございます。義父上《ちちうえ》。」
『義父上』その言葉を受けチャールズは照れくさそうに優しく微笑んだ。
「こちらこそ、義息子《むすこ》になってくださってありがとうございます。」
翌朝。
ふたりは街の外れの墓地を訪れた。
これからの門出を母に報告ためだった。
「クライヴ様、わざわざこちらにお越しいただきましてありがとうございます。」
リラは墓跡を花を供えながら、クライヴに礼を言った。
「いや、いずれ訪れたいとは思っていた。」
クライヴのその言葉にリラは目頭が熱くなった。
「俺も手を合わせていいだろうか。」
「はい。もちろんです。」
リラは、手を合わせ終わるとクライヴにその場を譲った。
暫くクライヴは目を瞑り手を合わせていた。
クライヴが祈り終わると、ふたりはそのまま馬車に乗りアクイラ国皇城へと出発した。
アクイラ国までは橋を渡ればすぐであるが、皇城までは馬車で三日であった。
リラは、これから待ち構える出来事に不安を抱えながら移り行く景色を眺めていた。
皇城についたら、まず最初はアクイラ国皇と皇后への挨拶だろう。
それから婚約式の打ち合わせ、結婚までのスケジュールの相談などやることは山積みである。
リラの希望としては、領地でやり残した仕事や学園の卒業式もあるため、挨拶が終わったら一度領地に帰りたいと思っていた。
(色々、クライヴ様と相談しなくては…。)
「リラ、改めて礼を言わせてくれ。」
物思いに耽るリラにクライヴはリラの左手を取り、薬指をなぞりながら話しかけた。
「婚約に了承、いや、妻になってくれる決断をしてくれてありがとう。」
そう言うとクライヴはその手に口付けをした。
「リラの家族はいいな。ルーカスは面白いし、チャールズはとても優しく、心温かい家族だよ。今まで出逢ったどんな貴族よりも素晴らしい家族に思えた。」
クライヴはもの寂しげな表情を浮かべた。
「リラに、あらかじめ謝っておきたいことがある。」
リラは、いつになく頼りないクライヴの表情にドキリッとした。
一体、今からどんな言葉が紡がれるのだろうか。
(まさか、未だにアクイラ国皇に了承を得ていないのかしら…。)
元々身分違いの結婚である、結婚証書は発行されているものの未だにアクイラ国皇や皇后の了承を得ていない可能性は十分にあった。
そうなると、もしかしたら本国に別の婚約者が待っているのかもしれない。
リラは身震いし、不安に怯えた表情を浮かべた。
クライヴは、そんなリラの表情を見ると、少しだけ口元を緩めると優しく肩を抱き寄せた。
「結婚については問題ないと思っているのだが、不安なのは俺の家族のことだ。」
「え?」
リラは意味がわからないといったように小首を傾げた。
「以前にも話した通り、俺は家族と決して良好な関係ではない。母と弟は俺以上に癖のある人間だ。そのことでリラを悩ませるかもしれない。そのことがリラに申し訳なくて。」
リラは自分が想像したよりも他愛ない内容に拍子抜けしたのか、きょとんっとした表情を浮かべ、吹き出したように笑い出した。
「ふふふっ。ごめんなさい。そんなことを心配されているとは思わなくて。」
クライヴはリラの反応に驚いた表情を浮かべた。
「大丈夫ですわ。私は、元々片田舎の伯爵家の娘ですわ。皇族に入ることが相応しくないことは重々承知です。鼻から好かれると思っておりません。」
そうリラは最初から自身がクライヴの家族にすんなり受け入れられるとは思っていなかった。
リラが一番よくわかっていたのだった。
この婚約そして結婚が素直に受け入れられるものでないことを…。
クライヴが直々に選んだとはいえ、リラはアベリア国に対して全く権力のない片田舎の伯爵家の娘である。
そんな娘を何処の皇族も手放しで喜んで迎えるなど、到底考えられなかった。
どちらかといえば願い下げという方がしっくりくる。
「けれど、私、クライヴ様と一緒に生きると決めましたの。だから、なんとか相応しくなれるように教養を身につけていこうとは思ってますわ。それをこれからはきちんと伝えていこうと思っておりますの。うふふ。」
リラは肩をすくめて照れながらもニッコリ笑ってそう言うのだった。
クライヴはやはり何か腑に落ちない表情を浮かべながらも、リラを強く抱き寄せた。
クライヴの中では、不安が拭いきれないのだろう。
リラはクライヴの過去を垣間聞いただけでも、想像を絶していた。
きっとクライヴはリラが想像に及ばないほどの不便があったに違いなかった。
(これから妻になる私がこの人を支えていかなくては…。)
リラはそう思いながら、優しくクライヴの腕に頬擦りした。
「さあ!そうと決まればやはり勉強ですわ!」
リラは気合を入れ直した。
兎にも角にもクライヴを支えるためにもクライヴの不安を払拭するためにも、自分には教養が必要である、リラはそう思い、目の前の席に置かれたアクイラ国の歴史が書かれた書籍を手に取った。
そんな真面目なリラにクライヴは退屈そうな表情を一瞬浮かべたかと思うと、ニヤリと意地悪く笑った。
「そうそう、今日からの宿は一緒の部屋を手配するように頼んでおいたから。」
「え!え?え!?」
リラはあまりの発言に驚き慌てて振り返り、持っていた書籍を落としそうになった。
「どういうことですか!?」
「もう夫婦になったも同然だと思ってね。夫婦は一緒の部屋だろう。」
「え?(いやいや、まだ夫婦どころか婚約もしていませんわ。)」
「嫌だった?」
クライヴは眉尻をワザとらしく下げて寂しそうにそう言った。
「嫌ではありませんわ。(そんな表情をされては断れないじゃない!!)」
リラはぶんぶんっと大きく首を横に振った。
「それなら良かった。」
(良かったのだろうか…。)
異性と寝室を共にするなど、もちろん経験のないリラは顔を真っ紅にしながら目を回していた。
「あ。そうそう。せっかくなら、それ、俺が教えるよ。」
クライヴは、疲弊したリラを後ろから抱き寄せたまま歴史書のページを捲った。
(このまま勉強など頭に入りませんわ…。)
何やら憑き物が取れたようにチャールズは穏やかな笑みを浮かべていた。
リラはふたりが何を話したのか少し気になったものの、男同士の会話を尋ねるなど不躾だろうと思い尋ねることはなかった。
晩餐後。
リラとクライヴはチャールズの執務室に案内された。
要件はもちろん、チャールズが婚約証書に署名するためであった。
チャールズは執務机の正面のソファに座るようにふたりを促した。
「リラ、クライヴ様と一緒にいて幸せかい。」
チャールズは、真剣に真っ直ぐな瞳でリラに尋ねた。
おそらくこれはリラへの最後の確認なのだろう。
この婚約証書にチャールズがサインすれば、後戻りはできず、クライヴとの婚約そして結婚はより約束されたものになる。
「はい、お父様。クライヴ様といて、とても幸せです。」
リラは緊張しながらも、真っ直ぐ瞳でチャールズにそう答えた。
リラに迷いはなかった。
誰かといて、これほどまでに心が動かされることなど初めてだった。
おそらくこれからもクライヴ以外の人間にこれほど心を動かされることはないだろう。
リラは素直にそう思えたのだった。
「そうか。リラ、幸せになってくれ。忙しいとは思うが、我が家にも領地にもいつでも遊びにきて構わないからな。」
チャールズは立ち上がり、執務机に向かうとササッと机に置かれた羽ペンで二枚の婚約証書に自身の名前を記し、横に家紋の捺印を行うと一枚をクライヴに手渡した。
「クライヴ様、大変お待たせいたしました。こちらでよろしいでしょうか。」
「ありがとうございます。義父上《ちちうえ》。」
『義父上』その言葉を受けチャールズは照れくさそうに優しく微笑んだ。
「こちらこそ、義息子《むすこ》になってくださってありがとうございます。」
翌朝。
ふたりは街の外れの墓地を訪れた。
これからの門出を母に報告ためだった。
「クライヴ様、わざわざこちらにお越しいただきましてありがとうございます。」
リラは墓跡を花を供えながら、クライヴに礼を言った。
「いや、いずれ訪れたいとは思っていた。」
クライヴのその言葉にリラは目頭が熱くなった。
「俺も手を合わせていいだろうか。」
「はい。もちろんです。」
リラは、手を合わせ終わるとクライヴにその場を譲った。
暫くクライヴは目を瞑り手を合わせていた。
クライヴが祈り終わると、ふたりはそのまま馬車に乗りアクイラ国皇城へと出発した。
アクイラ国までは橋を渡ればすぐであるが、皇城までは馬車で三日であった。
リラは、これから待ち構える出来事に不安を抱えながら移り行く景色を眺めていた。
皇城についたら、まず最初はアクイラ国皇と皇后への挨拶だろう。
それから婚約式の打ち合わせ、結婚までのスケジュールの相談などやることは山積みである。
リラの希望としては、領地でやり残した仕事や学園の卒業式もあるため、挨拶が終わったら一度領地に帰りたいと思っていた。
(色々、クライヴ様と相談しなくては…。)
「リラ、改めて礼を言わせてくれ。」
物思いに耽るリラにクライヴはリラの左手を取り、薬指をなぞりながら話しかけた。
「婚約に了承、いや、妻になってくれる決断をしてくれてありがとう。」
そう言うとクライヴはその手に口付けをした。
「リラの家族はいいな。ルーカスは面白いし、チャールズはとても優しく、心温かい家族だよ。今まで出逢ったどんな貴族よりも素晴らしい家族に思えた。」
クライヴはもの寂しげな表情を浮かべた。
「リラに、あらかじめ謝っておきたいことがある。」
リラは、いつになく頼りないクライヴの表情にドキリッとした。
一体、今からどんな言葉が紡がれるのだろうか。
(まさか、未だにアクイラ国皇に了承を得ていないのかしら…。)
元々身分違いの結婚である、結婚証書は発行されているものの未だにアクイラ国皇や皇后の了承を得ていない可能性は十分にあった。
そうなると、もしかしたら本国に別の婚約者が待っているのかもしれない。
リラは身震いし、不安に怯えた表情を浮かべた。
クライヴは、そんなリラの表情を見ると、少しだけ口元を緩めると優しく肩を抱き寄せた。
「結婚については問題ないと思っているのだが、不安なのは俺の家族のことだ。」
「え?」
リラは意味がわからないといったように小首を傾げた。
「以前にも話した通り、俺は家族と決して良好な関係ではない。母と弟は俺以上に癖のある人間だ。そのことでリラを悩ませるかもしれない。そのことがリラに申し訳なくて。」
リラは自分が想像したよりも他愛ない内容に拍子抜けしたのか、きょとんっとした表情を浮かべ、吹き出したように笑い出した。
「ふふふっ。ごめんなさい。そんなことを心配されているとは思わなくて。」
クライヴはリラの反応に驚いた表情を浮かべた。
「大丈夫ですわ。私は、元々片田舎の伯爵家の娘ですわ。皇族に入ることが相応しくないことは重々承知です。鼻から好かれると思っておりません。」
そうリラは最初から自身がクライヴの家族にすんなり受け入れられるとは思っていなかった。
リラが一番よくわかっていたのだった。
この婚約そして結婚が素直に受け入れられるものでないことを…。
クライヴが直々に選んだとはいえ、リラはアベリア国に対して全く権力のない片田舎の伯爵家の娘である。
そんな娘を何処の皇族も手放しで喜んで迎えるなど、到底考えられなかった。
どちらかといえば願い下げという方がしっくりくる。
「けれど、私、クライヴ様と一緒に生きると決めましたの。だから、なんとか相応しくなれるように教養を身につけていこうとは思ってますわ。それをこれからはきちんと伝えていこうと思っておりますの。うふふ。」
リラは肩をすくめて照れながらもニッコリ笑ってそう言うのだった。
クライヴはやはり何か腑に落ちない表情を浮かべながらも、リラを強く抱き寄せた。
クライヴの中では、不安が拭いきれないのだろう。
リラはクライヴの過去を垣間聞いただけでも、想像を絶していた。
きっとクライヴはリラが想像に及ばないほどの不便があったに違いなかった。
(これから妻になる私がこの人を支えていかなくては…。)
リラはそう思いながら、優しくクライヴの腕に頬擦りした。
「さあ!そうと決まればやはり勉強ですわ!」
リラは気合を入れ直した。
兎にも角にもクライヴを支えるためにもクライヴの不安を払拭するためにも、自分には教養が必要である、リラはそう思い、目の前の席に置かれたアクイラ国の歴史が書かれた書籍を手に取った。
そんな真面目なリラにクライヴは退屈そうな表情を一瞬浮かべたかと思うと、ニヤリと意地悪く笑った。
「そうそう、今日からの宿は一緒の部屋を手配するように頼んでおいたから。」
「え!え?え!?」
リラはあまりの発言に驚き慌てて振り返り、持っていた書籍を落としそうになった。
「どういうことですか!?」
「もう夫婦になったも同然だと思ってね。夫婦は一緒の部屋だろう。」
「え?(いやいや、まだ夫婦どころか婚約もしていませんわ。)」
「嫌だった?」
クライヴは眉尻をワザとらしく下げて寂しそうにそう言った。
「嫌ではありませんわ。(そんな表情をされては断れないじゃない!!)」
リラはぶんぶんっと大きく首を横に振った。
「それなら良かった。」
(良かったのだろうか…。)
異性と寝室を共にするなど、もちろん経験のないリラは顔を真っ紅にしながら目を回していた。
「あ。そうそう。せっかくなら、それ、俺が教えるよ。」
クライヴは、疲弊したリラを後ろから抱き寄せたまま歴史書のページを捲った。
(このまま勉強など頭に入りませんわ…。)
481
お気に入りに追加
1,838
あなたにおすすめの小説

拾った宰相閣下に溺愛されまして。~残念イケメンの執着が重すぎます!
枢 呂紅
恋愛
「わたしにだって、限界があるんですよ……」
そんな風に泣きながら、べろべろに酔いつぶれて行き倒れていたイケメンを拾ってしまったフィアナ。そのまま道端に放っておくのも忍びなくて、仏心をみせて拾ってやったのがすべての間違いの始まりだった――。
「天使で、女神で、マイスウィートハニーなフィアナさん。どうか私の愛を受け入れてください!」
「気持ち悪いし重いんで絶対嫌です」
外見だけは最強だが中身は残念なイケメン宰相と、そんな宰相に好かれてしまった庶民ムスメの、温度差しかない身分差×年の差溺愛ストーリー、ここに開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。

我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~

ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
五珠 izumi
恋愛
城の下働きとして働いていた私。
ある日、開かれた姫様達のお見合いパーティー会場に何故か魔獣が現れて、運悪く通りかかった私は切られてしまった。
ああ、死んだな、そう思った私の目に見えるのは、私を助けようと手を伸ばす銀髪の美少年だった。
竜獣人の美少年に溺愛されるちょっと不運な女の子のお話。
*魔獣、獣人、魔法など、何でもありの世界です。
*お気に入り登録、しおり等、ありがとうございます。
*本編は完結しています。
番外編は不定期になります。
次話を投稿する迄、完結設定にさせていただきます。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。


【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる