7 / 108
とりあえず神の子ではないです
しおりを挟む
騒がしさに目を覚ます。
同じような服を着た大勢の人たちに囲まれており、ああパラディース教に着いたのだなとわかった。
そして私を取り囲んで騒いでいたパラディース教の面々は、目を開いて起きた私の瞳を見てさらに騒がしくなった。
曰く、ゴッドリープ様と同じ色だと。
なるほどゴッドリープ様とやらがこの宗教の要なわけだとなんとなく悟る。おそらく神か神の御使なのだろうな、うん。
「おや、騒がしいね。どうしたのかな」
そこに透き通るような声が響いた。
見れば、烏の濡れ羽色の長い髪、そして右目は珍しいアースアイで、左目は紫色の少年。
対する私は当然、烏の濡れ羽色の短い髪、左目は珍しいアースアイで右目は黄金色なわけで。
なるほど、この少年がゴッドリープ様とやららしい。神の御使扱いされているのだろうな、うん。
少年は私の色を見てやや驚いた表情。一方で私は多分納得のいった表情。
「…その子は?」
「キューは、キューケンです。ゴッドリープ様にお会い出来て光栄です」
丁寧に挨拶をする。
その私の落ち着いた…大人びて見えるらしい様子に教徒たちが騒つく。
そして言った。
「キューは、この色のせいで捨てられました。どうか、パラディース教に入信させていただき保護していただきたいです」
この色のせいで捨てられました、と言ったせいだろうか。教徒たちが黙った。というか息を飲んだ。
「ふむ」
「でもごめんなさい。キューは、この色だけどゴッドリープ様と違って神の御使とか神の子とかではないです」
先手を打つ。
神の御使扱いはごめんである。
すると、私をそういう目で見ていたであろう教徒たちが黙ったまま困った顔をした。
だが、ゴッドリープ様とやらは言った。
「ああ、問題ないよ。だってキューケンは、オレの妹になるべくしてここにきたのだから」
同じような服を着た大勢の人たちに囲まれており、ああパラディース教に着いたのだなとわかった。
そして私を取り囲んで騒いでいたパラディース教の面々は、目を開いて起きた私の瞳を見てさらに騒がしくなった。
曰く、ゴッドリープ様と同じ色だと。
なるほどゴッドリープ様とやらがこの宗教の要なわけだとなんとなく悟る。おそらく神か神の御使なのだろうな、うん。
「おや、騒がしいね。どうしたのかな」
そこに透き通るような声が響いた。
見れば、烏の濡れ羽色の長い髪、そして右目は珍しいアースアイで、左目は紫色の少年。
対する私は当然、烏の濡れ羽色の短い髪、左目は珍しいアースアイで右目は黄金色なわけで。
なるほど、この少年がゴッドリープ様とやららしい。神の御使扱いされているのだろうな、うん。
少年は私の色を見てやや驚いた表情。一方で私は多分納得のいった表情。
「…その子は?」
「キューは、キューケンです。ゴッドリープ様にお会い出来て光栄です」
丁寧に挨拶をする。
その私の落ち着いた…大人びて見えるらしい様子に教徒たちが騒つく。
そして言った。
「キューは、この色のせいで捨てられました。どうか、パラディース教に入信させていただき保護していただきたいです」
この色のせいで捨てられました、と言ったせいだろうか。教徒たちが黙った。というか息を飲んだ。
「ふむ」
「でもごめんなさい。キューは、この色だけどゴッドリープ様と違って神の御使とか神の子とかではないです」
先手を打つ。
神の御使扱いはごめんである。
すると、私をそういう目で見ていたであろう教徒たちが黙ったまま困った顔をした。
だが、ゴッドリープ様とやらは言った。
「ああ、問題ないよ。だってキューケンは、オレの妹になるべくしてここにきたのだから」
225
お気に入りに追加
1,826
あなたにおすすめの小説
【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!
雨宮羽那
恋愛
いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。
◇◇◇◇
私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。
元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!
気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?
元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!
だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。
◇◇◇◇
※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。
※アルファポリス先行公開。
※表紙はAIにより作成したものです。
破滅ルートを全力で回避したら、攻略対象に溺愛されました
平山和人
恋愛
転生したと気付いた時から、乙女ゲームの世界で破滅ルートを回避するために、攻略対象者との接点を全力で避けていた。
王太子の求婚を全力で辞退し、宰相の息子の売り込みを全力で拒否し、騎士団長の威圧を全力で受け流し、攻略対象に顔さえ見せず、隣国に留学した。
ヒロインと王太子が婚約したと聞いた私はすぐさま帰国し、隠居生活を送ろうと心に決めていた。
しかし、そんな私に転生者だったヒロインが接触してくる。逆ハールートを送るためには私が悪役令嬢である必要があるらしい。
ヒロインはあの手この手で私を陥れようとしてくるが、私はそのたびに回避し続ける。私は無事平穏な生活を送れるのだろうか?
告白さえできずに失恋したので、酒場でやけ酒しています。目が覚めたら、なぜか夜会の前夜に戻っていました。
石河 翠
恋愛
ほんのり想いを寄せていたイケメン文官に、告白する間もなく失恋した主人公。その夜、彼女は親友の魔導士にくだを巻きながら、酒場でやけ酒をしていた。見事に酔いつぶれる彼女。
いつもならば二日酔いとともに目が覚めるはずが、不思議なほど爽やかな気持ちで起き上がる。なんと彼女は、失恋する前の日の晩に戻ってきていたのだ。
前回の失敗をすべて回避すれば、好きなひとと付き合うこともできるはず。そう考えて動き始める彼女だったが……。
ちょっとがさつだけれどまっすぐで優しいヒロインと、そんな彼女のことを一途に思っていた魔導士の恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
美形王子様が私を離してくれません!?虐げられた伯爵令嬢が前世の知識を使ってみんなを幸せにしようとしたら、溺愛の沼に嵌りました
葵 遥菜
恋愛
道端で急に前世を思い出した私はアイリーン・グレン。
前世は両親を亡くして児童養護施設で育った。だから、今世はたとえ伯爵家の本邸から距離のある「離れ」に住んでいても、両親が揃っていて、綺麗なお姉様もいてとっても幸せ!
だけど……そのぬりかべ、もとい厚化粧はなんですか? せっかくの美貌が台無しです。前世美容部員の名にかけて、そのぬりかべ、破壊させていただきます!
「女の子たちが幸せに笑ってくれるのが私の一番の幸せなの!」
ーーすると、家族が円満になっちゃった!? 美形王子様が迫ってきた!?
私はただ、この世界のすべての女性を幸せにしたかっただけなのにーー!
※約六万字で完結するので、長編というより中編です。
※他サイトにも投稿しています。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
婚約破棄された地味姫令嬢は獣人騎士団のブラッシング係に任命される
安眠にどね
恋愛
社交界で『地味姫』と嘲笑されている主人公、オルテシア・ケルンベルマは、ある日婚約破棄をされたことによって前世の記憶を取り戻す。
婚約破棄をされた直後、王城内で一匹の虎に出会う。婚約破棄と前世の記憶と取り戻すという二つのショックで呆然としていたオルテシアは、虎の求めるままブラッシングをしていた。その虎は、実は獣人が獣の姿になった状態だったのだ。虎の獣人であるアルディ・ザルミールに気に入られて、オルテシアは獣人が多く所属する第二騎士団のブラッシング係として働くことになり――!?
【第16回恋愛小説大賞 奨励賞受賞。ありがとうございました!】
行き遅れにされた女騎士団長はやんごとなきお方に愛される
めもぐあい
恋愛
「ババアは、早く辞めたらいいのにな。辞めれる要素がないから無理か? ギャハハ」
ーーおーい。しっかり本人に聞こえてますからねー。今度の遠征の時、覚えてろよ!!
テレーズ・リヴィエ、31歳。騎士団の第4師団長で、テイム担当の魔物の騎士。
『テレーズを陰日向になって守る会』なる組織を、他の師団長達が作っていたらしく、お陰で恋愛経験0。
新人訓練に潜入していた、王弟のマクシムに外堀を埋められ、いつの間にか女性騎士団の団長に祭り上げられ、マクシムとは公認の仲に。
アラサー女騎士が、いつの間にかやんごとなきお方に愛されている話。
モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~
咲桜りおな
恋愛
前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。
ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。
いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!
そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。
結構、ところどころでイチャラブしております。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。
この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。
番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。
「小説家になろう」でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる