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お風呂
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景色を楽しみ、料理を楽しみ、シエスタを楽しみ。
そして夕飯も二人で作って一緒に食べた。
今日の旅行はとても充実している。
「さて、ではお風呂に入りましょうか」
「どちらから入りますか?」
「一緒に入りましょう?」
「え」
本気かと焦ったが、辰巳さんは旅行鞄から見たことのない水着を取り出した。
「これ、僕と百合の水着です。買っておいたんですよ」
「え」
「絶対百合に似合うと思うんです。お互いこれを着て、お風呂に一緒に入りましょう」
ワクワクした表情でそう言う辰巳さん。
水着はちょっと恥ずかしいけれど…辰巳さんが望むなら。
「いいですよ、二人で入りましょう」
「よかった!」
そして二人で水着に着替えて、沸かしたお風呂に二人で入ることにした。
辰巳さんと二人でちゃぽんとお風呂に入る。
辰巳さんは後ろから私を抱っこして、いわゆるラッコさん座りの状態。
「百合、実はこのお風呂温泉水らしいんですよ」
「え、すごい」
「すごいですよね。すべすべの百合の肌がさらにすべすべになりますね」
「辰巳さんの方がいっそ肌触りいいと思いますけど」
「それはまあ、そう擬態しているので」
お湯の温かさと、辰巳さんのひんやり体温が気持ちいい。
温泉水だとわかると、お湯そのものも気持ちよく感じる。
「辰巳さん、入浴気持ちいいですね」
「ですね、百合」
「あと、水着にあってます」
「百合こそとても可愛いですよ」
辰巳さんは慣れない水着姿の私を褒めてくれる。
それがなんだか心地よくて、でも照れてしまう。
「ありがとうございます、辰巳さん」
「ふふ、ただの本音ですからね」
「もう」
そしてお互いに親を堪能して、お風呂から上がった。
その後も水着姿を絶賛されたが、寝巻きに着替えた。
そして二人でいつも通り引っ付いて寝る。
ただそれだけなのに、なぜか気分は最高だった。
そして翌朝、また二人で料理をして郷土料理を楽しみ片付けをして宿を出た。
「旅行、楽しかったですね」
「ええ、とても楽しかったですね」
電車でそんな話をする。
「また日常に戻りますが、この思い出は大事にしましょうね」
「ええ、そうですね」
そうしてまた日常に戻った。
けれどその日常には辰巳さんがいる。
それだけで私は幸せだ。
そして夕飯も二人で作って一緒に食べた。
今日の旅行はとても充実している。
「さて、ではお風呂に入りましょうか」
「どちらから入りますか?」
「一緒に入りましょう?」
「え」
本気かと焦ったが、辰巳さんは旅行鞄から見たことのない水着を取り出した。
「これ、僕と百合の水着です。買っておいたんですよ」
「え」
「絶対百合に似合うと思うんです。お互いこれを着て、お風呂に一緒に入りましょう」
ワクワクした表情でそう言う辰巳さん。
水着はちょっと恥ずかしいけれど…辰巳さんが望むなら。
「いいですよ、二人で入りましょう」
「よかった!」
そして二人で水着に着替えて、沸かしたお風呂に二人で入ることにした。
辰巳さんと二人でちゃぽんとお風呂に入る。
辰巳さんは後ろから私を抱っこして、いわゆるラッコさん座りの状態。
「百合、実はこのお風呂温泉水らしいんですよ」
「え、すごい」
「すごいですよね。すべすべの百合の肌がさらにすべすべになりますね」
「辰巳さんの方がいっそ肌触りいいと思いますけど」
「それはまあ、そう擬態しているので」
お湯の温かさと、辰巳さんのひんやり体温が気持ちいい。
温泉水だとわかると、お湯そのものも気持ちよく感じる。
「辰巳さん、入浴気持ちいいですね」
「ですね、百合」
「あと、水着にあってます」
「百合こそとても可愛いですよ」
辰巳さんは慣れない水着姿の私を褒めてくれる。
それがなんだか心地よくて、でも照れてしまう。
「ありがとうございます、辰巳さん」
「ふふ、ただの本音ですからね」
「もう」
そしてお互いに親を堪能して、お風呂から上がった。
その後も水着姿を絶賛されたが、寝巻きに着替えた。
そして二人でいつも通り引っ付いて寝る。
ただそれだけなのに、なぜか気分は最高だった。
そして翌朝、また二人で料理をして郷土料理を楽しみ片付けをして宿を出た。
「旅行、楽しかったですね」
「ええ、とても楽しかったですね」
電車でそんな話をする。
「また日常に戻りますが、この思い出は大事にしましょうね」
「ええ、そうですね」
そうしてまた日常に戻った。
けれどその日常には辰巳さんがいる。
それだけで私は幸せだ。
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