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スイカのアイス

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「ねえねえ、百合」

「どうしました?」

「あのスイカのアイスって本当にスイカの味がするんですか?」

興味津々な辰巳さんが可愛いので、スイカのアイスを手に取る。

「買ってみますか?」

「ええ、食べてみましょう!」

ということで、スイカのアイスを買った。

そして手を繋いだまま買い物を終え、手を繋いだまま家に戻る。

「ただいまー」

「おかえりなさい、百合。そしてただいま」

「おかえりなさい、辰巳さん」

一人で住んでいた時は家に帰るとなんとなく寂しさを感じていたが、辰巳さんがいるとそんなものはない。

むしろもう一人ではないのだと安心する。

「辰巳さん、早速食べてみますか?」

「ええ、食べましょう」

「いただきます」

「いただきます」

二人でスイカのアイスを食べる。

甘い。

「見事にスイカ味ですね」

「でもちゃんと甘いですね」

「美味しいですね」

スイカの再現度は高いが、アイスらしい甘さもあるので本物のスイカを食べるよりお得な気がする。

「見た目もちゃんとスイカっぽいですよね」

「面白いですよね」

シャクシャクと食べ進めると、案外すぐになくなってしまう。

「美味しかったですね」

「ええ、とても」

「…百合」

「はい」

「当たりが出ました」

「あら」

買ったところに洗って持って行って、もう一つスイカのアイスをゲット。

家に持って帰って二人で食べる。

「いただきます」

「いただきます」

「ふふ、間接キスですね」

「間接キスですね」

「僕はファーストキスです」

「私もファーストキスですよ」

シャクシャクと食べながらそんな話をする。

辰巳さんがとても嬉しそうに笑った。

「では、お揃いですね」

「はい、お揃いです」

「そしてお互いがお互いの初めてですね」

「…ふふふ、そうですね」

なんだか楽しそうで嬉しそうな辰巳さんに、こちらまでそんな気分になってしまう。

「百合の初めてが僕で良かった」

「いや、辰巳さん言い方」

「ふふ、だってそうでしょう?」

もう、このセクハラ魔め。
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