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ヒロインが他の男を選んだからよりを戻す?いやいやいや、もう既に新しい婚約者がいますから
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「ベアトリス、すまなかった!」
そう私に頭を下げてくるのは公爵令息、アマドゥール・コンベール様です。私の元婚約者ですわ。
はじめまして、ご機嫌よう。私、ベアトリス・シャティと申します。公爵令嬢ですわ。そして、この乙女ゲームの世界の悪役令嬢…に、なる筈でしたの。
私、前世では日本という国で乙女ゲームという恋愛ゲームにはまっていましたわ。そして死後、何故かその乙女ゲームの世界に生まれ変わりましたの。悪役令嬢として。ですが私、悪役令嬢としてのフラグを折って折って折りまくりましたわ。まず絶対にヒロインさんに関わらず、いじめを行う者を窘め、悪役にならないよう最大限努力しましたわ。結果、婚約者こそ逆ハーレムに取られましたけれど、悪役令嬢にならずに済み、国外追放を免れましたの。
もちろん婚約破棄はされましたけれど、相手有責でしたからむしろ多額の慰謝料をもらえ、結婚前に渡した支度金も返してもらいましたわ。
さて、それでどうして一方的な婚約破棄をしてきたアマドゥール様が私に頭を下げているかというと。ヒロインさん…アストリ・ジラールさんが逆ハーレムメンバーを捨てて隣国の王子に嫁ぐことになったからですの。所謂隠しキャラルートですわね。逆ハーレムルートに入ると解放されますの。
「もし、許してくれるならばもう一度僕と婚約してくれないか」
「許すも何も…」
アストリさんに捨てられたアマドゥール様は必死です。何故なら、もう貴族社会では平民にうつつを抜かして有力な婚約者を捨てた馬鹿な男として、そして結婚する前から他に女を作った不誠実な男として有名になってしまったからです。誰も好き好んで嫁ぐ方はいませんわ。
「アマドゥール様。俺の婚約者に手を出されては困ります」
そう言って後ろから私を抱きしめてくるのは侯爵令息、エルネスト・コンラディン。私の新しい婚約者ですわ。
「エルネスト…?ベアトリス、もう新しい婚約者を選んだのか!?」
信じられない、裏切られた、という表情をするアマドゥール様。裏切られたのは私の方でしてよ。
「ええ、アマドゥール様に捨てられて泣いていたところを拾っていただきましたの」
「拾っただなんてとんでもない。俺の方から口説いたんですよ。何せこんなに美しく聡明で優しく、誠実で有力なご令嬢他にはいませんから。俺以外からも口説かれていたので、俺を選んでもらうのは大変でしたよ」
そういいながらいかにも愛おしそうに私の髪を手で梳くエル。もう、意地悪なんだから。これじゃ本当に悪役令嬢ですわ。
「そ、そんな…」
「さあ、リリ、行こうか」
「ええ、エル」
エルのエスコートでその場を後にする。決して振り返らずに。アマドゥール様はただそこに佇んでいましたわ。
ー…
「…っ!あっはははは!見たかよリリ!アマドゥール様のあの表情!」
「もう!エルは意地悪過ぎるわ!あれじゃ私が意地悪してるみたいじゃない!」
「別にいいだろ。あんな奴虐めたって。俺の大切なリリを捨てた男なんだから」
そう。私達はただ当てつけの為にいちゃいちゃしていたわけではなく、元々こういう距離感なのです。アマドゥール様との婚約の時と違い、私を本当に大切にしてくれるエルに私もべた惚れなのです。
「愛してるぜ、リリ。世界一幸せにする」
「私も愛してるわ。エル。もう世界一幸せよ」
前の男のことはさっさと忘れて、真実の愛を手に入れる。それも一つの選択肢ですわ。
そう私に頭を下げてくるのは公爵令息、アマドゥール・コンベール様です。私の元婚約者ですわ。
はじめまして、ご機嫌よう。私、ベアトリス・シャティと申します。公爵令嬢ですわ。そして、この乙女ゲームの世界の悪役令嬢…に、なる筈でしたの。
私、前世では日本という国で乙女ゲームという恋愛ゲームにはまっていましたわ。そして死後、何故かその乙女ゲームの世界に生まれ変わりましたの。悪役令嬢として。ですが私、悪役令嬢としてのフラグを折って折って折りまくりましたわ。まず絶対にヒロインさんに関わらず、いじめを行う者を窘め、悪役にならないよう最大限努力しましたわ。結果、婚約者こそ逆ハーレムに取られましたけれど、悪役令嬢にならずに済み、国外追放を免れましたの。
もちろん婚約破棄はされましたけれど、相手有責でしたからむしろ多額の慰謝料をもらえ、結婚前に渡した支度金も返してもらいましたわ。
さて、それでどうして一方的な婚約破棄をしてきたアマドゥール様が私に頭を下げているかというと。ヒロインさん…アストリ・ジラールさんが逆ハーレムメンバーを捨てて隣国の王子に嫁ぐことになったからですの。所謂隠しキャラルートですわね。逆ハーレムルートに入ると解放されますの。
「もし、許してくれるならばもう一度僕と婚約してくれないか」
「許すも何も…」
アストリさんに捨てられたアマドゥール様は必死です。何故なら、もう貴族社会では平民にうつつを抜かして有力な婚約者を捨てた馬鹿な男として、そして結婚する前から他に女を作った不誠実な男として有名になってしまったからです。誰も好き好んで嫁ぐ方はいませんわ。
「アマドゥール様。俺の婚約者に手を出されては困ります」
そう言って後ろから私を抱きしめてくるのは侯爵令息、エルネスト・コンラディン。私の新しい婚約者ですわ。
「エルネスト…?ベアトリス、もう新しい婚約者を選んだのか!?」
信じられない、裏切られた、という表情をするアマドゥール様。裏切られたのは私の方でしてよ。
「ええ、アマドゥール様に捨てられて泣いていたところを拾っていただきましたの」
「拾っただなんてとんでもない。俺の方から口説いたんですよ。何せこんなに美しく聡明で優しく、誠実で有力なご令嬢他にはいませんから。俺以外からも口説かれていたので、俺を選んでもらうのは大変でしたよ」
そういいながらいかにも愛おしそうに私の髪を手で梳くエル。もう、意地悪なんだから。これじゃ本当に悪役令嬢ですわ。
「そ、そんな…」
「さあ、リリ、行こうか」
「ええ、エル」
エルのエスコートでその場を後にする。決して振り返らずに。アマドゥール様はただそこに佇んでいましたわ。
ー…
「…っ!あっはははは!見たかよリリ!アマドゥール様のあの表情!」
「もう!エルは意地悪過ぎるわ!あれじゃ私が意地悪してるみたいじゃない!」
「別にいいだろ。あんな奴虐めたって。俺の大切なリリを捨てた男なんだから」
そう。私達はただ当てつけの為にいちゃいちゃしていたわけではなく、元々こういう距離感なのです。アマドゥール様との婚約の時と違い、私を本当に大切にしてくれるエルに私もべた惚れなのです。
「愛してるぜ、リリ。世界一幸せにする」
「私も愛してるわ。エル。もう世界一幸せよ」
前の男のことはさっさと忘れて、真実の愛を手に入れる。それも一つの選択肢ですわ。
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