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プレゼント
しおりを挟む二人きりのお誕生日会をした次の日、コトハはいつも通りに登校する。
『おはよう!マミちゃん!』
『おはよう、コトハちゃん』
コトハはすっかりと仲良くなったマミに話しかける。
そんなコトハに、マミはどこかそわそわした様子だ。
『…マミちゃん、どうかした?』
『あのね、コトハちゃん。お誕生日おめでとう!』
マミは後ろ手に隠していた、誕生日プレゼントをコトハに渡す。
『え、ありがとう!すごく嬉しい!』
ぱっと笑うコトハにマミは目に見えて安心した表情。
『開けてみてもいい?』
『うん!』
コトハは丁寧に包み紙を開ける。
中から出てきたのは、なにかの飾りのついた髪留め。
そして飾りになっている石には、破魔の力が込められていた。
…別に、僕には効かないけど。
だって今の僕は祟り神としての本質は変わらないけれど、コトハのための守り神でもあるからね。
『これ…』
『破魔の力がこもったお守りの石を、髪留めに加工してもらったの。お祖父ちゃんが職人さんで、お祖母ちゃんが拝み屋さんなんだ』
『そうなんだ!』
『うん、だからお祖母ちゃんはナギさんのことも勘付いてるよ。でも完全に悪いモノではないし、むしろコトハちゃんがずっと信じる心を捧げていればいずれ本質すら変化するだろうって。だからコトハちゃんがこの髪留めをつけても影響はないらしいよ』
『難しいことはわからないけど、良かった!』
…なるほど、なるほど。
まあ、僕はコトハとずっといるつもりだし。
コトハの僕への信じる心は日に日に強くなる一方だし。
マミのお祖母ちゃんの言うように、祟り神としての本質すら変わる日は案外早く来るのかもしれないね?
拝み屋さんが言うなら間違いないだろう…うん、それならその方が嬉しくはある。
『さっそくつけてみてもいい?』
『うん、いいよ!』
『どうかな?』
『すごく可愛いよ、コトハちゃん!』
『ありがとう!』
破魔の効果はもちろんのこと、見た目も洗練された髪留め。
コトハによく似合っている。
悔しいが、プレゼントのセンスがとてもいい。
『大切にするね!』
『うん!』
まあ、コトハもすごく嬉しそうだしいいか。
『おはよう!マミちゃん!』
『おはよう、コトハちゃん』
コトハはすっかりと仲良くなったマミに話しかける。
そんなコトハに、マミはどこかそわそわした様子だ。
『…マミちゃん、どうかした?』
『あのね、コトハちゃん。お誕生日おめでとう!』
マミは後ろ手に隠していた、誕生日プレゼントをコトハに渡す。
『え、ありがとう!すごく嬉しい!』
ぱっと笑うコトハにマミは目に見えて安心した表情。
『開けてみてもいい?』
『うん!』
コトハは丁寧に包み紙を開ける。
中から出てきたのは、なにかの飾りのついた髪留め。
そして飾りになっている石には、破魔の力が込められていた。
…別に、僕には効かないけど。
だって今の僕は祟り神としての本質は変わらないけれど、コトハのための守り神でもあるからね。
『これ…』
『破魔の力がこもったお守りの石を、髪留めに加工してもらったの。お祖父ちゃんが職人さんで、お祖母ちゃんが拝み屋さんなんだ』
『そうなんだ!』
『うん、だからお祖母ちゃんはナギさんのことも勘付いてるよ。でも完全に悪いモノではないし、むしろコトハちゃんがずっと信じる心を捧げていればいずれ本質すら変化するだろうって。だからコトハちゃんがこの髪留めをつけても影響はないらしいよ』
『難しいことはわからないけど、良かった!』
…なるほど、なるほど。
まあ、僕はコトハとずっといるつもりだし。
コトハの僕への信じる心は日に日に強くなる一方だし。
マミのお祖母ちゃんの言うように、祟り神としての本質すら変わる日は案外早く来るのかもしれないね?
拝み屋さんが言うなら間違いないだろう…うん、それならその方が嬉しくはある。
『さっそくつけてみてもいい?』
『うん、いいよ!』
『どうかな?』
『すごく可愛いよ、コトハちゃん!』
『ありがとう!』
破魔の効果はもちろんのこと、見た目も洗練された髪留め。
コトハによく似合っている。
悔しいが、プレゼントのセンスがとてもいい。
『大切にするね!』
『うん!』
まあ、コトハもすごく嬉しそうだしいいか。
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