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まずは保護者

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「さてと」

僕は学校に行くというコトハを止めて、学校に連絡を入れた。

事情があってコトハをしばらく休ませると告げれば、了承された。

「コトハ、今から僕とちょっとお出かけしようか」

「う、うん」

コトハを連れて向かったのは、この村の外。

街に出て、弁護士事務所とやらに入った。

「お電話しました巫です。突然のことなのにすみません」

「いえいえ、とんでもない」

「…兄様、このおじさんだれ?」

「弁護士の先生だよ。コトハのお義父さんとお母さんが帰ってこないから、相談したんだ」

にっこり微笑んでそう言えば、コトハはパッと笑った。

「おじさん、お義父さんとお母さんのこと知ってるの?連れて帰ってきてくれるの?私、ずっと会えてないから心配してたんだよ!」

「そっか…色々、全力を尽くします。だから教えてくれるかな?お嬢さんは、お父さんとお母さんのいない間どう過ごしてたのかな?」

「えっと、お母さんの置いてあった冷凍食品を食べて、それがなくなったらお米を炊いてお醤油をかけて食べたり…」

「…そっか、頑張りましたね」

コトハにはしばらく隣に座っていてもらって、弁護士と話を進める。

「コトハの両親の残していった書類です。督促状やらなんやら色々ありますが、コトハを養育できる状況ではない証拠になるかと思うのですが…」

「そうですね。まず今巫さんがお嬢さんを養育している事実と、ご両親の所在が分からない現状。これだけで保護責任者遺棄罪に該当しますね。次いでこれらの書類もご両親の親権を停止するために有効でしょう」

「そうですか、よかった」

きょとんとしているコトハの頭を撫でる。

コトハはそれににっこり笑う。

「時間はとってありますので、証拠を持って警察に行きましょうか。告訴するだけでなく、一応きちんとお嬢さんのご両親の捜索願いも出しましょう」

「お願いします。コトハ、ちょっと移動しようか」

「どこいくの?」

「警察のお兄さんたちに、お義父さんとお母さんの捜索願い…探してくださいってお願いをしに行くんだよ」

「!行こう!」

そして捜索願いを出して、保護責任者遺棄罪で告訴もした。

これで仕込みは上々。

純粋に待っているコトハにはちょっと申し訳ないけれど、人間関係の断捨離も今のコトハには大事だからね。

親戚たちはこの僕の行動に驚いたようだが、さすがに三男坊であるコトハの義父に呆れ果てていたので目をつぶってくれた。

いや、その前にお前らがここまで動けよと思ったのだが…村の連中への仕返しは後回しと決めたので今日はスルー。
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