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王妃の反応
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ヴェルテュは今、魔法使いの魔法でだいぶ丈夫になって安全も確保されてる。そのおかげで気も楽になったと言い、王子としてしっかり努力している。さらに立派になった息子はきっと将来良い王になる。
私も、そのおかげでストレスがすごく減った。精神的にだいぶ落ち着いたと思う。あの王女の存在に目を瞑れるくらいには。
国王陛下も、最近国の運営が上手くいっていて余裕ができた。ヴェルテュのことを気にかけて親子の交流もしてくれている。ヴェルテュが嬉しそうに報告してくれた。国王陛下も珍しくご機嫌に話してくださった。
最近、私と国王陛下の夫婦仲も良くなっている。
魔法使いがヴェルテュを救い、あの王女の後見人になってから何もかもが上手くいっている。
「だから、あの魔法使いには感謝している。それは本当です」
自ら後見人になったのも、あの王女の養育費も生活費も全てを自費で負担しているのも今では心から受け入れられる。あの王女の教育を一人で行うのも良い。あの王女を可愛がるのも大事にするのも百歩譲って良い。
「ですが、婚約は…」
元々、王女は王位継承権は持たない。その上魔法使い以外頼れる者もいない娘。ヴェルテュの脅威にはなり得ない存在。だからこそ今ではその存在に目を瞑ることが出来ている。
そんな王女は魔法使いの婚約者になった。結婚したら魔法使いの戸籍に移ることを、婚約届けにも明記されている。これで完全に私も安心できる。
あの娘はもう、ヴェルテュの邪魔にはなり得ないと。
だからこそ。そうなるとさすがに…と思う。
別に、将来結婚する際に王家を離れて相手の戸籍に移るなら魔法使いで無くても良いはず。歳のうんと離れた魔法使いに嫁がせるのは…。
「そうは思いますが、私の言えたことでもない」
ネグレクトに加え、暴力すら振るっていた私は王女に関して口を出す権利はない。
精神的におかしくなっていたとはいえ、可哀想なことをした。恨まれていてもおかしくはない。
国王陛下が仰るには、王女自らあの魔法使いを望んだらしい。
初めて助けてくれた人だから、らしい。
ならば…やはり私は何も言えない。
「…自ら関わる気はありませんが」
ヴェルテュの邪魔にならない範囲で、勝手に幸せになればいい。
王女に害を与えた私が祈るようなことでもないけれど、最近は毎日そう祈っている。
「国王陛下もヴェルテュも、あの王女を可愛がっているようですが」
ヴェルテュのことも、構ってくださるようになった国王陛下。ヴェルテュも満足そうにしている。
それだけで十分。
その輪の中に私も加えてもらっている。
それだけで過剰すぎる幸せだ。
だから、私のいないところで国王陛下とヴェルテュがあの王女を構う分には…私はもう何も言わない。
「いずれにせよ、あの魔法使いには感謝ですね。ロリコンなのはどうかと思いますが」
まあ、それでいけばいくつも年下の夫を持っていた私の母はショタコン扱いになるので言わぬが花か。
「…」
今更過ぎる。
けれど、どうか。
私の関係ないところで、末永く幸せに。
目に入ってしまうと、私はまた狂うかもしれないから。
知らないところで、幸せに。
私も、そのおかげでストレスがすごく減った。精神的にだいぶ落ち着いたと思う。あの王女の存在に目を瞑れるくらいには。
国王陛下も、最近国の運営が上手くいっていて余裕ができた。ヴェルテュのことを気にかけて親子の交流もしてくれている。ヴェルテュが嬉しそうに報告してくれた。国王陛下も珍しくご機嫌に話してくださった。
最近、私と国王陛下の夫婦仲も良くなっている。
魔法使いがヴェルテュを救い、あの王女の後見人になってから何もかもが上手くいっている。
「だから、あの魔法使いには感謝している。それは本当です」
自ら後見人になったのも、あの王女の養育費も生活費も全てを自費で負担しているのも今では心から受け入れられる。あの王女の教育を一人で行うのも良い。あの王女を可愛がるのも大事にするのも百歩譲って良い。
「ですが、婚約は…」
元々、王女は王位継承権は持たない。その上魔法使い以外頼れる者もいない娘。ヴェルテュの脅威にはなり得ない存在。だからこそ今ではその存在に目を瞑ることが出来ている。
そんな王女は魔法使いの婚約者になった。結婚したら魔法使いの戸籍に移ることを、婚約届けにも明記されている。これで完全に私も安心できる。
あの娘はもう、ヴェルテュの邪魔にはなり得ないと。
だからこそ。そうなるとさすがに…と思う。
別に、将来結婚する際に王家を離れて相手の戸籍に移るなら魔法使いで無くても良いはず。歳のうんと離れた魔法使いに嫁がせるのは…。
「そうは思いますが、私の言えたことでもない」
ネグレクトに加え、暴力すら振るっていた私は王女に関して口を出す権利はない。
精神的におかしくなっていたとはいえ、可哀想なことをした。恨まれていてもおかしくはない。
国王陛下が仰るには、王女自らあの魔法使いを望んだらしい。
初めて助けてくれた人だから、らしい。
ならば…やはり私は何も言えない。
「…自ら関わる気はありませんが」
ヴェルテュの邪魔にならない範囲で、勝手に幸せになればいい。
王女に害を与えた私が祈るようなことでもないけれど、最近は毎日そう祈っている。
「国王陛下もヴェルテュも、あの王女を可愛がっているようですが」
ヴェルテュのことも、構ってくださるようになった国王陛下。ヴェルテュも満足そうにしている。
それだけで十分。
その輪の中に私も加えてもらっている。
それだけで過剰すぎる幸せだ。
だから、私のいないところで国王陛下とヴェルテュがあの王女を構う分には…私はもう何も言わない。
「いずれにせよ、あの魔法使いには感謝ですね。ロリコンなのはどうかと思いますが」
まあ、それでいけばいくつも年下の夫を持っていた私の母はショタコン扱いになるので言わぬが花か。
「…」
今更過ぎる。
けれど、どうか。
私の関係ないところで、末永く幸せに。
目に入ってしまうと、私はまた狂うかもしれないから。
知らないところで、幸せに。
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