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魔法を教えてくれた理由
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「魔法使いさん」
「うん?」
「なんで魔法を教えてくれたの?」
山からの帰り道、そう尋ねれば魔法使いさんは笑った。
「お姫様が大切だからだよ」
「ありがとう」
「うん」
「魔法と魔術は違うんだよね」
「そうだね。普段人々が使うのは魔術。魔力を最小限に抑えられる便利な生活必需品、みたいなものだね。魔法は専門的に学んだ魔法使いが使うもの、みたいな認識かな。覚えてる?」
前に教えてもらったことは覚えてる。魔術は使う魔力の少なくて済む日常生活に使うもの。魔法は魔力をたくさん使うけど、その分ものすごいことが出来る奇跡の力らしい。だから、魔法使いから魔法を教えてもらえるのはすごいこと。
「まあ、お姫様に必要な魔法は今のところこのくらいだからこれ以上はもう教えないかもしれないけど」
「充分。楽しかった」
「そう。これからは定期的に加護や結界を強化しておこうね。重ねがけって言えばいいのかな、そんな感じで。隠蔽魔法もね」
「うん、わかった」
「キュウ!」
ちなみに、ロゼにも隠蔽魔法がかかってるらしい。それで魔獣だって秘密に出来るって。
「そういえば、前言ってた」
「なにを?」
「ロゼが聖獣寄りになるって」
「うん、そうだね」
「なってる?」
問えば、ちょっと困ったように笑う魔法使いさん。
「思ったより早く聖獣寄りになってきてる。ロゼったらすごく大食らいだね?お姫様の魔力をめちゃくちゃたくさん食べてるみたい」
「ふーん」
「まあともかく、まだ幼体なのにかなり聖獣寄りの存在だよ。すごいな」
「聖獣だってバレたら、取られちゃう?」
「まあね。でもどの道僕の隠蔽魔法があるから大丈夫だよ。バレることはない」
よかった。ロゼはとっても大事だから。
「キュウ!」
そんな話をしていたら、ロゼが肩に乗ってきて頬にスリスリしてくれた。可愛い。
「もうすっかり懐いたね」
「うん」
「まあ、何事もないのが一番だけど。何かあってもなんとかなりそうかな」
よくわからないから、頷いておく。魔法使いさんはやっぱり笑顔。
「守ってあげるよ、お姫様」
「うん」
「キュウ!」
魔法使いさんが来てから、毎日が幸せ。もう十分、守られている。
「うん?」
「なんで魔法を教えてくれたの?」
山からの帰り道、そう尋ねれば魔法使いさんは笑った。
「お姫様が大切だからだよ」
「ありがとう」
「うん」
「魔法と魔術は違うんだよね」
「そうだね。普段人々が使うのは魔術。魔力を最小限に抑えられる便利な生活必需品、みたいなものだね。魔法は専門的に学んだ魔法使いが使うもの、みたいな認識かな。覚えてる?」
前に教えてもらったことは覚えてる。魔術は使う魔力の少なくて済む日常生活に使うもの。魔法は魔力をたくさん使うけど、その分ものすごいことが出来る奇跡の力らしい。だから、魔法使いから魔法を教えてもらえるのはすごいこと。
「まあ、お姫様に必要な魔法は今のところこのくらいだからこれ以上はもう教えないかもしれないけど」
「充分。楽しかった」
「そう。これからは定期的に加護や結界を強化しておこうね。重ねがけって言えばいいのかな、そんな感じで。隠蔽魔法もね」
「うん、わかった」
「キュウ!」
ちなみに、ロゼにも隠蔽魔法がかかってるらしい。それで魔獣だって秘密に出来るって。
「そういえば、前言ってた」
「なにを?」
「ロゼが聖獣寄りになるって」
「うん、そうだね」
「なってる?」
問えば、ちょっと困ったように笑う魔法使いさん。
「思ったより早く聖獣寄りになってきてる。ロゼったらすごく大食らいだね?お姫様の魔力をめちゃくちゃたくさん食べてるみたい」
「ふーん」
「まあともかく、まだ幼体なのにかなり聖獣寄りの存在だよ。すごいな」
「聖獣だってバレたら、取られちゃう?」
「まあね。でもどの道僕の隠蔽魔法があるから大丈夫だよ。バレることはない」
よかった。ロゼはとっても大事だから。
「キュウ!」
そんな話をしていたら、ロゼが肩に乗ってきて頬にスリスリしてくれた。可愛い。
「もうすっかり懐いたね」
「うん」
「まあ、何事もないのが一番だけど。何かあってもなんとかなりそうかな」
よくわからないから、頷いておく。魔法使いさんはやっぱり笑顔。
「守ってあげるよ、お姫様」
「うん」
「キュウ!」
魔法使いさんが来てから、毎日が幸せ。もう十分、守られている。
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