妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ

久しぶりの学園です

ようやく臨時休校も明けて登校出来るようになりました。早速登校するとティナ様とジェシー様が駆け寄ってきてくださいました。

「エレナ様！エレナ様の領地は特に水害に遭われたとか！大丈夫ですの！？」

「領地では奇跡の姫君として讃えられているとか聞きましたぁ。何があったんですかぁ？」

「いやあの…奇跡の姫君とかはですね…まあ色々あって…とりあえず奇跡的に人的被害は抑えられましたし、復興事業も問題なく進みそうです。大丈夫ですよ。領民達のペットちゃん達も避難所にちゃんと連れてきて無事だったみたいですしね。ただ家畜とかはちょっと無理だったみたいで結構な損害が出たみたいで、その補填とか色々が大変ですね。家畜達は可哀想でした…」

「そうなんですねぇ…大変でしたねぇ…私に協力できることがあれば頼ってくださいねぇ。私はエレナ様のお友達なんですからぁ！」

「ありがとうございます、ジェシー様。頼りにしていますね」

「あら、私だってお友達ですわ！私のことも頼ってくださいまし！」

「もちろんです。ティナ様、いつもありがとうございます」

「大事なお友達ですもの！当然ですわ！」

「で、奇跡の姫君ってなんだい？」

後ろから急に声を掛けられてびっくりしました。

「クリス様！」

「ああ、驚かせてごめんよ。ご機嫌よう、可愛いお嬢さん。それで、話に混ぜてもらえるかな？」

「もちろんです！奇跡の姫君というのはですね、その…」

「なんでも奇跡の光で領民を救われたとか」

「その瞬い光に領民達がひれ伏したとかぁ」

「話が大袈裟になり過ぎです！私と私の使い魔が光魔法を使えるので、結界と治癒魔法だけ特訓しまして…それで、水害の際に避難所で光魔法を使って領民を助けたらなんだか大袈裟なことになっちゃって…」

「…てっきり聖魔法かと思ったけど光魔法か」

「でも外堀を埋めるには充分じゃないですかぁ？」

「領民達から慕われているというのもポイント高いですわよねぇ」

「これであとは両思いになるだけですねぇ」

「そこが一番肝心なのですけれど…ねえ？」

「ねぇ？」

「本当にうるさいな君達は！」

外堀ってなんでしょうか？話の流れがわかりません。

「とりあえず、今回の豪雨災害については色々やらなきゃいけないことがあるから時間はかかるだろうけど必ず国の方でも補填するから。安心しておいで」

「ありがとうございます、クリス様。そう言っていただけるととても安心します」

「それにしても、局地的な豪雨がモロにエレナ様のところの領地にだけ降るとか神様は何を考えていらっしゃるのかしら」

「領民達とペットちゃん達が無事だったのは良かったですけれどぉ。お家が流されたり浸水して住めなくなるとやっぱり避難所生活が続いて大変ですものねぇ」

「お家が流されたところは新しく建築するしかなくて、それに掛かる費用の一部を補填するしかないのですが、浸水した家は光属性の魔法使いさん達にお願いして、同じく浸水した家財道具や衣類などと一緒に新品同様に戻して貰おうと思って。そちらも掛かる費用の一部を補填することになっています。魔法使いさんにお願いする家は建築し直す家と比べてさくっと家に帰れるようになります…が、元の生活に戻れるかはまだわからないですよね。お兄様も含めてみんな大変です。そんな中で学園に通わせてもらえる私は幸せ者ですね。クリス様にもティナ様とジェシー様にも会えますし」

私がそう言うと、クリス様が頭を優しく撫でてくださいました。幸せな気分になって落ち着きます。