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久しぶりの学園

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今日から学園にまた通います。少しお休みをいただいていたので、なんだかちょっと緊張します。教室に入ると、ティナ様とジェシー様が駆け寄ってきました。

「エレナ様!もう大丈夫ですの?」

「はい、おかげさまでゆっくりと休めました。ご心配をおかけしました」

「エレナ様とまたこうして学園生活を送れて嬉しいですぅ。エレナ様、おかえりなさいですぅ」

「ふふ、ただいま戻りました」

「エレナ様、私とジェシー様で新たなお薬を作ったんですの。よければお守りとしてお持ちになって」

ティナ様から淡い紫色の液体状の薬の入った小さな瓶を渡される。

「これに入れておけば落としてもそう簡単には割れませんよぉ」

ジェシー様から袋を渡される。

「このお薬は一時的に魔法の干渉を受けなくなるものですの。といっても、本当に数秒しか効果がないのですけれど…無いよりマシですわ。構想は前からあったのですけれど、実用化は中々難しくて。エレナ様がお休みしている間に、なんとか完成させて実験も繰り返しましたわ。変なモノは混じってませんから、安全は保証いたしますわ」

「え、それってすごい発明ですよね?私が貰って良いんですか?」

私が受け取っても良いのでしょうか?

「うふふ。エレナ様を守るために作ったんですもの。どうぞお受け取りになって」

「ありがとうございます。ティナ様、ジェシー様」

ティナ様とジェシー様の優しいお心遣いに、私は胸が温かくなります。

「どういたしまして、ですわ」

「お気になさらずぅ。こっちの袋は保全の魔法がかかっていますからよっぽどのことがない限りは中身は無事ですよぅ。使ってくださいねぇ」

「何から何まで本当にありがとうございます。早速袋に入れてポケットに入れておきますね」

私は大切に小さな瓶を袋に入れて、制服のポケットに失くさないように大切に仕舞います。

「でも、こんなすごい発明をしたら相当騒ぎになったのでは?」

「逆ですよぅ。すごい発明過ぎて秘密にされてますぅ」

「今回の発明で私とジェシー様は、貴族の令嬢としては異例ですが学園卒業後に、魔法省の特殊科に配属が決まりましたの」

「え、すごいです!」

魔法省の特殊科は、余程の実績が無い限りどんなに家柄が良くても成績優秀でもなかなか入れないすごく狭き門なのです。

「これで卒業後もお薬の研究が出来ますぅ。楽しみですぅ」

「まあ、今のように自由に研究できる訳じゃないですけれどね」

「国のお金で研究ですから仕方ないですぅ。でも、しばらくはこのお薬の効果をもっと高めて長時間持続可能にするのに専念ですねぇ」

「あと、逆に薬の効果を消したい時のためのお薬も作らないと。使用者が怪我をした時治癒魔法が使えないわ」

「ですねぇ。楽しみですぅ」

「ふふ、陰ながら応援していますね」

「エレナ様も卒業後は忙しくなるでしょうけれど、卒業後もこうしてみんなで仲良く過ごしたいですぅ」

「もちろんです!お二人はお忙しいでしょうから私が会いに行きますね」

「どちらかというとエレナ様の方が忙しくなりそうですぅ」

「私達が会いに行きますわ」

「?」

魔法省の特殊科に行くお二人より私の方が忙しくなるなんてことあるのでしょうか?
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