妾の子として虐げられていた私が、爵位を継いだお兄様から溺愛されるだけ

下菊みこと

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僕のものに手を出す不届き者がいるらしい

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いつも絡んでくる女が今日は話しかけて来ない。そして、放課後すぐに帰る。その様子に違和感を感じ、まさかとエレナの教室に向かうとエレナはあの女に連れ出されていた。

いつもエレナを守っている過保護なジェシカ嬢とオーギュスティナ嬢は、今日に限って二人ともさっさと実験室に向かったらしい。使えないなぁ!まあ、僕が一番悪いんだけど、さ!

廊下を走る。生徒会長失格だなとは思うが、説教なら後で受ける。今はエレナの安全が先だ。

僕がようやく当たりの空き教室のドアを開けると、エレナが魔法で攻撃される直前だった。僕は結界付きのアミュレットを常に身に付けているから、エレナを守るために飛び出す。結界が発動し、僕とその後ろにいたエレナを守った。発動した場合、攻撃魔法を使った相手とその時間、使った魔法などの詳細が記録されるので、アミュレットはまだ捨てずに身につけておく。これでこの女を追い詰めるために。

ー…僕のものに手を出す不届き者は、この学園にも、この国にも要らない。

それを知らしめるためにも、厳しい処理をする。

…まあ、そんなことは当たり前として、エレナの安全を確認する。大きな怪我はなさそうだが、頬が赤くなっている。平手打ちされたのか。可哀想に。

エレナをお姫様抱っこして医務室へと運ぶ。その際あの女に話しかけられたが無視。後でたっぷり可愛がってやるけどな。地獄に叩き落としてやる。

エレナからあまり虐めないであげて欲しいと言われたが。僕はただ、ニコリと笑って誤魔化した。
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