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嫁いだ先はパラダイスでした
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気が付いたら死んでいた。気が付いたら大好きな小説の世界だった。気が付いたらその物語の悪役令嬢だった。気が付いたらその場で婚約破棄宣言をされたがそれよりヒロインちゃん可愛いよ!ヒーローの王太子かっこいいよ!そうだ私を思う存分貶め幸せになるがいい!私は草葉の陰からそれを眺めたい!
ということで断罪されて、宗主国の嫌われ者、フェルナンド王弟殿下に嫁がされることになりました、凛花改めてリーンと申します。ちょうど良く大好きな断罪シーンと、ヒロインとヒーローの幸せな婚約パレードを見られて幸せな私はどんなに虐げられようが耐えられる自信があります。
「ようこそ、奥様。旦那様がお待ちです」
「あ、はい。ありがとうございます」
「…っ!?」
お礼を言っただけで驚かれた。解せぬ。まあ、悪役令嬢リーンはこんな殊勝な態度取らないかぁ?
「よく来たな、花嫁よ」
「わあイケメン」
「は?」
「あ、失礼しました。リーンです、よろしくお願いします」
「ふん。俺は貴様とよろしくする気はない。悪いがお前には一片たりとも恩寵は与えないし、公務も与えない。屋敷で一生飼い殺しだ」
ざまぁみろ、と目が言っている。あー、この男もヒロインちゃんに充てられた口かぁ。そっかぁ、そりゃあ悪役令嬢リーンが嫌いだわな?リーン、ヒロインちゃん相当虐めてるもんな?
「わかりました!ニート生活満喫させていただきます!」
「は?」
「あ、えっと、大人しく引きこもってます。そんな人を殺せる目で睨まないで…ごめんて…」
イケメンは睨んでもイケメンだけど、その分怖い。イケメンの睨み怖い。
「全く、さっきから訳の分からん…とにかく、俺からはそれだけだ。今後顔を合わせることもないだろう。じゃあな」
じゃあな、と笑うその目は嘲りを含んでいたけれど、やっぱりイケメンは眼福だった。好き。
ー…
「で、ここが私に与えられた別邸と」
「はい、奥様」
「なんか…思ったより立派じゃない?」
「え」
いや、だって普通に建てられたばかりで見た目も綺麗で清潔だし。中庭付きだし綺麗だし。中の家具なども普通に上質なものだし。あ、ドレスも素敵。え、冷遇されるんじゃないの…?と、思ったがそうかここ宗主国だった!そりゃあ本国より良い生活送れるよね!これ、冷遇しているつもりなんだ!びっくり!
「まあいいや。ありがとうね、色々と」
「お、奥様…」
にっこり笑う私に何を思ったか憐れみの表情を浮かべた、私付きに任命されたメイド達。ごめんね、違うんだ…色々違うんだ…。
「ま、まあ…それにしても暇だよね!何かさせて貰ってもいい?」
「旦那様からお小遣いを預かっております。その範囲なら好きにして良いようです。一月に一度渡されます」
「え、いくら?…え、厚遇過ぎない?宗主国怖い」
「奥様…」
メイド達は宗主国怖いという私の言葉に哀しげな表情を見せる。ごめんね、そうじゃないんだ。
「えーっと…じゃあさ、果物いくつか買ってきてくれる?」
「はい、わかりました」
「えーっと、メイドさんが五人だから…六人分買ってきてね」
「…え」
「私付きなんかにされちゃってみんな嫌でしょ。お礼というかお詫び?に受け取ってよ。この国はまだ暑いし、そうだな、私の氷魔法で凍らせて即席シャーベットにして食べよ!ね?」
「奥様…っ!」
感極まり一人のメイドが泣き出す。そんな感動するほどのことじゃないよー。
その後みんなでシャーベットを食べる。冷たい果物に火照った身体が癒されるー。
「奥様、その、私奥様を誤解しておりました…」
「あ、誤解じゃないよー。やってきたことは事実。改心したってわけでもなくて、ただ好きに過ごしてるだけだよ」
「奥様…」
「でもまあ、それを好意的に受け取ってくれるみんながメイドでよかったよー。普通、裏があるとか勘繰るものだよ?」
「ですが奥様はその…属国の実の両親からも見捨てられて…旦那様に嫁がれたのでしょう?属国にも噂は広まっているはずなのに…」
「あー、気に食わない相手を次々と斬り殺したってあれ?別に私は気にしないよー。だって、私も似たようなもんだもん」
「奥様…奥様はそれでよろしいのですか…?」
「いいよ、ニートライフ満喫出来そうだし」
「え?」
「ふふ、なんでもない。んー、でも暇になっちゃったな。ねえねえ、厨房行ってもいい?」
「もちろんでございます」
厨房に行くとコックが腕を振るっていた。昼食楽しみー。
「…奥様?こんなところに何の用です?」
「あ、私のこともう知ってるんだ」
「そりゃあそうでしょう。属国から来た生贄娘と噂ですよ」
「奥様になんてこと言うの!」
「本当のことだろ」
「なんですって!?奥様はこう見えて…っ!」
パンと手を打つ。みんなが注目する。
「喧嘩は好きじゃないなー。あと、実際そうだし気にしなくていいよー。それよりコックさん、私ひとりぼっちだからメイドさんやコックさんや庭師さんと一緒にみんなでご飯食べたいんだ。急で悪いんだけど人数分用意出来る?あ、材料費はお小遣いから出すよ!」
コックは目を丸くした後、メイド達と目を合わせて何故か頷く。どういうことなんだろうか。そしてコックは材料くらい幾らでもあるから小遣いはいらない、たくさん作ってやると言ってくれた。手間もかかるだろうにごめんねと謝るとウィンクだけ返される。そんな何故か急に雰囲気の柔らかくなったコックに、良い機会だと後で厨房を貸して欲しい、お菓子作りをしてみたいと強請る。みんなで一緒に作ることになった。
お昼になり、庭師にも声をかけてみんなで優雅なランチタイム。とても美味でした。さすが宗主国。いや、コックの腕前故なのかな。
みんなで和気藹々の雰囲気で食事を楽しんだ後、気を良くした庭師に中庭を案内してもらう。とても綺麗な花が咲いていてそれは見事だった。
「奥様はお花がお好きですなぁ。こちらも張り合いがありますじゃ」
「でも、それは手間を掛けて花を世話する庭師さんの苦労あってこそだよ。綺麗な咲いたお花じゃなきゃ心は潤わないもの」
「ほっほっほっ。奥様、庭のことならこの爺にお任せくだされ。沢山の花で奥様の心を癒しましょうぞ」
「庭師さん、ありがとう!」
この景色を眺めてティータイムなんて、きっと素敵だろうな。そのためにも厨房に戻って、コックと一緒に美味しいお菓子を作ろう。
ということで、厨房に戻ってお菓子作り。コックやメイド達に指導を受けなんとか可愛らしい美味しいお菓子を作ることに成功。中庭でメイド達とコックと庭師と共に優雅なティータイム。とても幸せ。
ー…
そんな感じで日々を過ごし、余ったお小遣いは適当に孤児院や養老院に送って自堕落に過ごす中、急に旦那様が来訪された。
曰く、たまたまメイド達やコックや庭師と仲良くしている姿を見てしまい、調べれば調べるほど私があのリーンとは思えないようなことが判明したと。まあ、リーンはお菓子作りなんてしないわな。使用人に施しもしないし、ましてや孤児院や養老院への出資などあり得ない。
だけれど私ははっきり言った。私はリーン本人で間違いなく、ヒロインちゃん達にしたことも本当。しかも反省なんかしてないし、改心なんて以ての外。ただ、好きに生きているだけなのだと。
それでも旦那様は、本邸に住居を移さないか、暇ならある程度の公務も任せたいと言ってきたが、そうは問屋が卸さない。最初に旦那様が言った言葉を突きつけ、別邸での生活を譲らなかった。
その内なんだかんだで旦那様はティータイムに混ざってくるようになった。私の特製ケーキを平らげ、満足そうに帰っていく旦那様の背中を見て一人で考える。
もし旦那様が私に本気になるなら、それもありかなと。
その夜、いくら敷地内とはいえ不用心な気もするが、旦那様が夜這いに来た。まあ、花を摘まれた。翌朝メイド達は祝福するかなと思ったけれど、旦那様はまだ奥様にこの冷遇を謝られてもいないのに純潔を奪うとは…!とお怒りの様子。コックと庭師もメイド達の憤慨ぶりを見て察したのかちょっと怖い顔をしていた。
そんなこんなで、その日のティータイムは旦那様にとって非常に殺伐としたものになった。遂に耐えかねた旦那様から色々な意味の謝罪と、愛の言葉をいただき、私はそれを許して応えた。だが、気楽な別邸生活は譲らなかったが。それでも、たまになら公務も付き合ってあげるようにはなったけれど。
それから何年も経ち、今では子宝に恵まれて幸せに暮らしている。さすがに子供が出来てからは本邸に住居を移した。メイドやコックや庭師も本邸に移してもらった。が、たまに思い出したように別邸に向かいみんなで和気藹々と別邸生活をエンジョイしたりする。
そこに遊び盛りの子供達が混ざるともうカオス。だがそれが良い。ヒロインちゃんとヒーローも幸せにやっているようで、その様子を描いた絵を見て萌え萌えな私は多分この世界一の幸せ者である。
ということで断罪されて、宗主国の嫌われ者、フェルナンド王弟殿下に嫁がされることになりました、凛花改めてリーンと申します。ちょうど良く大好きな断罪シーンと、ヒロインとヒーローの幸せな婚約パレードを見られて幸せな私はどんなに虐げられようが耐えられる自信があります。
「ようこそ、奥様。旦那様がお待ちです」
「あ、はい。ありがとうございます」
「…っ!?」
お礼を言っただけで驚かれた。解せぬ。まあ、悪役令嬢リーンはこんな殊勝な態度取らないかぁ?
「よく来たな、花嫁よ」
「わあイケメン」
「は?」
「あ、失礼しました。リーンです、よろしくお願いします」
「ふん。俺は貴様とよろしくする気はない。悪いがお前には一片たりとも恩寵は与えないし、公務も与えない。屋敷で一生飼い殺しだ」
ざまぁみろ、と目が言っている。あー、この男もヒロインちゃんに充てられた口かぁ。そっかぁ、そりゃあ悪役令嬢リーンが嫌いだわな?リーン、ヒロインちゃん相当虐めてるもんな?
「わかりました!ニート生活満喫させていただきます!」
「は?」
「あ、えっと、大人しく引きこもってます。そんな人を殺せる目で睨まないで…ごめんて…」
イケメンは睨んでもイケメンだけど、その分怖い。イケメンの睨み怖い。
「全く、さっきから訳の分からん…とにかく、俺からはそれだけだ。今後顔を合わせることもないだろう。じゃあな」
じゃあな、と笑うその目は嘲りを含んでいたけれど、やっぱりイケメンは眼福だった。好き。
ー…
「で、ここが私に与えられた別邸と」
「はい、奥様」
「なんか…思ったより立派じゃない?」
「え」
いや、だって普通に建てられたばかりで見た目も綺麗で清潔だし。中庭付きだし綺麗だし。中の家具なども普通に上質なものだし。あ、ドレスも素敵。え、冷遇されるんじゃないの…?と、思ったがそうかここ宗主国だった!そりゃあ本国より良い生活送れるよね!これ、冷遇しているつもりなんだ!びっくり!
「まあいいや。ありがとうね、色々と」
「お、奥様…」
にっこり笑う私に何を思ったか憐れみの表情を浮かべた、私付きに任命されたメイド達。ごめんね、違うんだ…色々違うんだ…。
「ま、まあ…それにしても暇だよね!何かさせて貰ってもいい?」
「旦那様からお小遣いを預かっております。その範囲なら好きにして良いようです。一月に一度渡されます」
「え、いくら?…え、厚遇過ぎない?宗主国怖い」
「奥様…」
メイド達は宗主国怖いという私の言葉に哀しげな表情を見せる。ごめんね、そうじゃないんだ。
「えーっと…じゃあさ、果物いくつか買ってきてくれる?」
「はい、わかりました」
「えーっと、メイドさんが五人だから…六人分買ってきてね」
「…え」
「私付きなんかにされちゃってみんな嫌でしょ。お礼というかお詫び?に受け取ってよ。この国はまだ暑いし、そうだな、私の氷魔法で凍らせて即席シャーベットにして食べよ!ね?」
「奥様…っ!」
感極まり一人のメイドが泣き出す。そんな感動するほどのことじゃないよー。
その後みんなでシャーベットを食べる。冷たい果物に火照った身体が癒されるー。
「奥様、その、私奥様を誤解しておりました…」
「あ、誤解じゃないよー。やってきたことは事実。改心したってわけでもなくて、ただ好きに過ごしてるだけだよ」
「奥様…」
「でもまあ、それを好意的に受け取ってくれるみんながメイドでよかったよー。普通、裏があるとか勘繰るものだよ?」
「ですが奥様はその…属国の実の両親からも見捨てられて…旦那様に嫁がれたのでしょう?属国にも噂は広まっているはずなのに…」
「あー、気に食わない相手を次々と斬り殺したってあれ?別に私は気にしないよー。だって、私も似たようなもんだもん」
「奥様…奥様はそれでよろしいのですか…?」
「いいよ、ニートライフ満喫出来そうだし」
「え?」
「ふふ、なんでもない。んー、でも暇になっちゃったな。ねえねえ、厨房行ってもいい?」
「もちろんでございます」
厨房に行くとコックが腕を振るっていた。昼食楽しみー。
「…奥様?こんなところに何の用です?」
「あ、私のこともう知ってるんだ」
「そりゃあそうでしょう。属国から来た生贄娘と噂ですよ」
「奥様になんてこと言うの!」
「本当のことだろ」
「なんですって!?奥様はこう見えて…っ!」
パンと手を打つ。みんなが注目する。
「喧嘩は好きじゃないなー。あと、実際そうだし気にしなくていいよー。それよりコックさん、私ひとりぼっちだからメイドさんやコックさんや庭師さんと一緒にみんなでご飯食べたいんだ。急で悪いんだけど人数分用意出来る?あ、材料費はお小遣いから出すよ!」
コックは目を丸くした後、メイド達と目を合わせて何故か頷く。どういうことなんだろうか。そしてコックは材料くらい幾らでもあるから小遣いはいらない、たくさん作ってやると言ってくれた。手間もかかるだろうにごめんねと謝るとウィンクだけ返される。そんな何故か急に雰囲気の柔らかくなったコックに、良い機会だと後で厨房を貸して欲しい、お菓子作りをしてみたいと強請る。みんなで一緒に作ることになった。
お昼になり、庭師にも声をかけてみんなで優雅なランチタイム。とても美味でした。さすが宗主国。いや、コックの腕前故なのかな。
みんなで和気藹々の雰囲気で食事を楽しんだ後、気を良くした庭師に中庭を案内してもらう。とても綺麗な花が咲いていてそれは見事だった。
「奥様はお花がお好きですなぁ。こちらも張り合いがありますじゃ」
「でも、それは手間を掛けて花を世話する庭師さんの苦労あってこそだよ。綺麗な咲いたお花じゃなきゃ心は潤わないもの」
「ほっほっほっ。奥様、庭のことならこの爺にお任せくだされ。沢山の花で奥様の心を癒しましょうぞ」
「庭師さん、ありがとう!」
この景色を眺めてティータイムなんて、きっと素敵だろうな。そのためにも厨房に戻って、コックと一緒に美味しいお菓子を作ろう。
ということで、厨房に戻ってお菓子作り。コックやメイド達に指導を受けなんとか可愛らしい美味しいお菓子を作ることに成功。中庭でメイド達とコックと庭師と共に優雅なティータイム。とても幸せ。
ー…
そんな感じで日々を過ごし、余ったお小遣いは適当に孤児院や養老院に送って自堕落に過ごす中、急に旦那様が来訪された。
曰く、たまたまメイド達やコックや庭師と仲良くしている姿を見てしまい、調べれば調べるほど私があのリーンとは思えないようなことが判明したと。まあ、リーンはお菓子作りなんてしないわな。使用人に施しもしないし、ましてや孤児院や養老院への出資などあり得ない。
だけれど私ははっきり言った。私はリーン本人で間違いなく、ヒロインちゃん達にしたことも本当。しかも反省なんかしてないし、改心なんて以ての外。ただ、好きに生きているだけなのだと。
それでも旦那様は、本邸に住居を移さないか、暇ならある程度の公務も任せたいと言ってきたが、そうは問屋が卸さない。最初に旦那様が言った言葉を突きつけ、別邸での生活を譲らなかった。
その内なんだかんだで旦那様はティータイムに混ざってくるようになった。私の特製ケーキを平らげ、満足そうに帰っていく旦那様の背中を見て一人で考える。
もし旦那様が私に本気になるなら、それもありかなと。
その夜、いくら敷地内とはいえ不用心な気もするが、旦那様が夜這いに来た。まあ、花を摘まれた。翌朝メイド達は祝福するかなと思ったけれど、旦那様はまだ奥様にこの冷遇を謝られてもいないのに純潔を奪うとは…!とお怒りの様子。コックと庭師もメイド達の憤慨ぶりを見て察したのかちょっと怖い顔をしていた。
そんなこんなで、その日のティータイムは旦那様にとって非常に殺伐としたものになった。遂に耐えかねた旦那様から色々な意味の謝罪と、愛の言葉をいただき、私はそれを許して応えた。だが、気楽な別邸生活は譲らなかったが。それでも、たまになら公務も付き合ってあげるようにはなったけれど。
それから何年も経ち、今では子宝に恵まれて幸せに暮らしている。さすがに子供が出来てからは本邸に住居を移した。メイドやコックや庭師も本邸に移してもらった。が、たまに思い出したように別邸に向かいみんなで和気藹々と別邸生活をエンジョイしたりする。
そこに遊び盛りの子供達が混ざるともうカオス。だがそれが良い。ヒロインちゃんとヒーローも幸せにやっているようで、その様子を描いた絵を見て萌え萌えな私は多分この世界一の幸せ者である。
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