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天然令嬢が頑張った結果が酷いお話
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「アネット、いい加減諦めなさいよ。あんたじゃコレット様に敵わないわ」
とうとう唯一味方してくれていた友人にまで言われてしまい、意気消沈する。
「うん…でもどうしたら納得してもらえるだろう…」
「…え、もしかして比較的円満な婚約の白紙化を提案してもクリストフ様に聞いてもらえないって本当なの?ホラ吹いてたんじゃなくて?」
「そうなんだよぉ…どうしよぉ~!!!」
「泣くな泣くな!わかった!ホラじゃないのはわかった!今度こそちゃんと聞くから!」
最終的にズバッととどめを刺してきたとはいえ、唯一の味方はこの心の友ルイーズ…面倒くさいからいつも通り愛称で呼ぼう、ルゥだけ。
私の発言はホラ吹きだと思われていたとしても、他の人と違って私の言い分を聞いてはくれていたし他の人から庇ってくれてもいた。
心無い罵声の防波堤になってくれていた彼女の心境を考えれば心の友と呼ぶ他ない。
「クリス様はココ様とお似合いだってみんなに言われて、実際実家で散々な目にあってクリス様を頼って逃げてきたココ様にクリス様が夢中になってるのもわかってた。でも別れ話しようとすると露骨に話題逸らされたり、聞いてもらえても却下されるんだよ…多分うちの資産目当てだと思うけど…」
そう愚痴ればルゥは頭を抱えた。
「絶対アンタの持参金目当てじゃない…搾り取るだけ搾り取ってお飾りの妻にされるパターンか…」
「いやまあ、それはいいの。耐えられないのは別れない私に業を煮やしたココ様の親衛隊の皆さんの暴言よ」
「そっちもまあまあ酷いから気持ちはわかるけど、お飾りの妻も嫌がりなさいよ」
「いや、だってクリス様と私じゃ釣り合い取れないし…むしろ当然では?」
私の言葉にルゥはシラーっとした顔になる。
「私アンタのそういうところ嫌い」
「え」
「このルゥ様の心の友なんだからもっと自分に自信を持ちなさいよね!」
びしっとデコピンされてしまった。
でもそうか、ルゥも心の友と思ってくれていたのか…よかった。
「えへへ」
「嬉しそうな顔をする理由は察しがつくけどあえて触れないわ。それよりどうやって円満に婚約を解消するかよね」
「うん…うちは商人であるお祖父様が成り上がった歴史の浅いお金だけしか取り柄のない男爵家…クリス様のところは由緒ある子爵家…本来ならあり得ないほど幸運な婚約なの…」
「お金って取り柄はそれだけで何にも勝るのよ普通。でもまあ、歴史が浅いのも事実だけど」
「下手に逆らえないけど現状私が耐えられないから早く別れて欲しい…」
グズグズとまた泣きそうになればルゥにまたデコピンされた。
「泣くのは後!問題を先送りしない!」
「あい…」
「まあ、うちの親の権力を振りかざせば一発なのよね」
「怒られるよ」
「ええ、だから別の方法を考えてだめならそれでいきましょう」
ルゥは私のために親の力すら利用しようとしてくれる。
でもさすがにそれはヤバいので、自分に喝を入れて言った。
「…とりあえず、もう一度クリス様にお話してみる!」
「え、アンタ大丈夫なの?」
「うん、あのね、今度クリス様のところに行く時うちの両親も一緒に行くから、クリス様のご両親もココ様もいるだろう場所でこれ流す」
そうして監視魔法でこっそり撮っておいた、ココ様の親衛隊たちが私にクリス様と別れろと罵声混じりで脅してくる映像を流した。
「…なるほど」
「別れる理由になるよね?ね?」
「有利に別れられそうじゃない。やってきなさい!」
有利にというか、円満に解決するつもりなんだけど…頑張ろう!うん!
「アン、いらっしゃい。よく来てくれましたね」
「アン様、久しぶり」
「は、はい。お久しぶりです」
クリス様とココ様に向かってぎこちなく笑う。
クリス様もココ様もそんな私に首をかしげるが、私はさくっとクリス様のご両親にも挨拶をして全員に見て欲しいものがあるとお願いした。
両親もクリス様のご両親も、クリス様とココ様も承諾してくれて例の映像を流す。
『いい加減にクリストフ様と別れなさいよこの醜女!』
『コレット様にとってクリストフ様に嫁ぐのが一番の幸せだとわからないのか冷徹女!』
『自分の幸せしか考えられないクズがコレット様の幸せの邪魔をするな!』
暴言、罵声、脅迫のオンパレード。そして終いにはゴミを投げつけられる様まで見せて映像を終了する。
「…なんですか、これ」
クリス様は驚いた顔でこちらを見るが、こっちこそなんですかと問いたい。
言ってはいけないことだが、もしクリス様が実家で虐待を受けていたというコレット様に同情して家に匿ったり大切にしたりしなければこうはなってない。
いや、クリス様のしたことは人として正しいことかもしれない。でも他にやりようもあったと思う。具体的にどうすればよかったかなんてわからないけど、そう思ってしまう。
「ココ…?何か知っていますか?」
「わ、私こんなの知らない…みんな、どうして、アン様はいつも私に優しくしてくださるってみんなにも言ったのに…!!!」
混乱するクリス様とココ様。
両家の両親は大人の話し合いをするらしく部屋を移った。
残された私たちはお互い困った顔で見つめあったが、どれほどそうしていたかわからないがいきなりクリス様とココ様が私に頭を下げた。
「ごめんなさい、そんなつもりじゃなかったの!!!」
「必ず誤解は解きます、だからどうか別れるなんて言わないでください!!!」
ええ…と思いつつも二人に頭を下げられるとどうしたらいいかわからない。
そうしているうちに両親が戻ってきて、とりあえず今日はこのまま帰ることになった。
私を見送ろうとするクリス様を私の両親がお断りして、冷たい雰囲気のまま馬車に乗る。
両親には、ああいうことはもっと早く言えと馬車の中で怒られた。そして抱きしめられて、なんだか思ったより円満に行かないなぁと困ってしまった。
こういう私の気の利かないところを考えても、やっぱりクリス様の婚約者に私は向いていないと思う。お金持ちのお爺ちゃんの後妻とかの方がよっぽど上手くやれる…いやそっちもそっちで大変そうかも。
…いっそ出家しようかな。
結局のところ、私とクリス様の婚約は宙ぶらりんだ。
ただ、ココ様が親衛隊の人たちに怒鳴り込んで「アン様を傷つけた人たちなんて嫌い!」とやらかしたらしく親衛隊の人たちから謝罪があった。
でも、謝罪を受けたことはココ様に説明したけど仲直りする気は無いらしい。
ココ様がもう一度私に正式に謝罪してくれた後、親衛隊と関わらなくなった分の時間私にべったりになったのは親衛隊ざまぁと思ってしまう。
ココ様には別に悪感情はないのでもっと仲良くなれて嬉しいし。
クリス様からも改めて正式に謝罪があった。誤解されるようなことをしたことを重く受け止めているらしい。
ココ様は大丈夫だけど、クリス様にはなんか言葉にできないモヤモヤがある。多分、嫉妬とかその類なのかな。
だから、私が許したら終わりのはずの騒動なのに問題は宙ぶらりん。
でも、そんな中で今日クリス様が私を訪ねてきた。
「…アン、本当にすみませんでした」
「あの、クリス様」
「なんです?」
「私、自分でも言葉にできないモヤモヤがクリス様にあるんです」
「…ええ、僕の軽率な行動が発端ですからね」
意気消沈した様子のクリス様だが、それでも言っておこうと思う。
「私、意思も弱々で気も利かないです」
「そんなことはありません。虐待を受け凍え切ったココの精神を安定させたのは君の存在だ」
「え」
「僕は屋敷に匿い側にいることしか出来なかった。ココを励まして優しく癒してくれたのは君です」
そうだろうか?ココ様は会うたび自然と元気になっていったと思うのだけど。
「僕もそうです」
「え」
「幼い頃から自由はなく、ただ家を継ぐためだけに生きてきた僕が初めて…愛したい、幸せにしたい、側にいてほしいと人間らしい感情を得た。君に出会えて僕は本当に幸せだった」
…なんの話だろう。そう思ってもらえているなら嬉しいけど、私は特別何もしていないのだけど。
「君はちょっと抜けたところがあって、色々足りないところがあるけど」
「うぐっ…」
「そこがまた可愛らしいし、守ってあげたくなるし、なんだか一緒にいるだけで満たされるんです」
「褒めてますか、貶してますか」
「両方です」
にっこり笑って言われて、それ以上何も言えない。
「だから僕は君を手放したくない」
「…」
「けれど、僕が君を幸せにできないなら意味がない」
クリス様は切なげな表情で私を見つめる。
「本当にすみませんでした。君が僕を許せないなら、甘んじて婚約破棄を受け入れます」
「…いや、婚約破棄だなんて。婚約の白紙化とかではダメですか」
「ダメです。一方的に僕が悪いんですからそんなに気遣わないでいい」
「…えー」
どうしよう。
でも…迷っている時点で答えは出てるか。
「…私、多分まだクリス様が好きです」
「!」
「でもなんか…イマイチ信用しきれないので、婚約は継続した上で信用できるようにしてください。二年の期限付きで」
「は、はい!ありがとう、アン!愛しています!」
ぎゅっと抱きしめられて、これでよかったのかなぁと思う自分と良かったと思う自分とがせめぎ合う。
二年後、結局絆されて無事仲直りのち結婚に至ったのは私の性格上しょうがなかろうと思う。
とうとう唯一味方してくれていた友人にまで言われてしまい、意気消沈する。
「うん…でもどうしたら納得してもらえるだろう…」
「…え、もしかして比較的円満な婚約の白紙化を提案してもクリストフ様に聞いてもらえないって本当なの?ホラ吹いてたんじゃなくて?」
「そうなんだよぉ…どうしよぉ~!!!」
「泣くな泣くな!わかった!ホラじゃないのはわかった!今度こそちゃんと聞くから!」
最終的にズバッととどめを刺してきたとはいえ、唯一の味方はこの心の友ルイーズ…面倒くさいからいつも通り愛称で呼ぼう、ルゥだけ。
私の発言はホラ吹きだと思われていたとしても、他の人と違って私の言い分を聞いてはくれていたし他の人から庇ってくれてもいた。
心無い罵声の防波堤になってくれていた彼女の心境を考えれば心の友と呼ぶ他ない。
「クリス様はココ様とお似合いだってみんなに言われて、実際実家で散々な目にあってクリス様を頼って逃げてきたココ様にクリス様が夢中になってるのもわかってた。でも別れ話しようとすると露骨に話題逸らされたり、聞いてもらえても却下されるんだよ…多分うちの資産目当てだと思うけど…」
そう愚痴ればルゥは頭を抱えた。
「絶対アンタの持参金目当てじゃない…搾り取るだけ搾り取ってお飾りの妻にされるパターンか…」
「いやまあ、それはいいの。耐えられないのは別れない私に業を煮やしたココ様の親衛隊の皆さんの暴言よ」
「そっちもまあまあ酷いから気持ちはわかるけど、お飾りの妻も嫌がりなさいよ」
「いや、だってクリス様と私じゃ釣り合い取れないし…むしろ当然では?」
私の言葉にルゥはシラーっとした顔になる。
「私アンタのそういうところ嫌い」
「え」
「このルゥ様の心の友なんだからもっと自分に自信を持ちなさいよね!」
びしっとデコピンされてしまった。
でもそうか、ルゥも心の友と思ってくれていたのか…よかった。
「えへへ」
「嬉しそうな顔をする理由は察しがつくけどあえて触れないわ。それよりどうやって円満に婚約を解消するかよね」
「うん…うちは商人であるお祖父様が成り上がった歴史の浅いお金だけしか取り柄のない男爵家…クリス様のところは由緒ある子爵家…本来ならあり得ないほど幸運な婚約なの…」
「お金って取り柄はそれだけで何にも勝るのよ普通。でもまあ、歴史が浅いのも事実だけど」
「下手に逆らえないけど現状私が耐えられないから早く別れて欲しい…」
グズグズとまた泣きそうになればルゥにまたデコピンされた。
「泣くのは後!問題を先送りしない!」
「あい…」
「まあ、うちの親の権力を振りかざせば一発なのよね」
「怒られるよ」
「ええ、だから別の方法を考えてだめならそれでいきましょう」
ルゥは私のために親の力すら利用しようとしてくれる。
でもさすがにそれはヤバいので、自分に喝を入れて言った。
「…とりあえず、もう一度クリス様にお話してみる!」
「え、アンタ大丈夫なの?」
「うん、あのね、今度クリス様のところに行く時うちの両親も一緒に行くから、クリス様のご両親もココ様もいるだろう場所でこれ流す」
そうして監視魔法でこっそり撮っておいた、ココ様の親衛隊たちが私にクリス様と別れろと罵声混じりで脅してくる映像を流した。
「…なるほど」
「別れる理由になるよね?ね?」
「有利に別れられそうじゃない。やってきなさい!」
有利にというか、円満に解決するつもりなんだけど…頑張ろう!うん!
「アン、いらっしゃい。よく来てくれましたね」
「アン様、久しぶり」
「は、はい。お久しぶりです」
クリス様とココ様に向かってぎこちなく笑う。
クリス様もココ様もそんな私に首をかしげるが、私はさくっとクリス様のご両親にも挨拶をして全員に見て欲しいものがあるとお願いした。
両親もクリス様のご両親も、クリス様とココ様も承諾してくれて例の映像を流す。
『いい加減にクリストフ様と別れなさいよこの醜女!』
『コレット様にとってクリストフ様に嫁ぐのが一番の幸せだとわからないのか冷徹女!』
『自分の幸せしか考えられないクズがコレット様の幸せの邪魔をするな!』
暴言、罵声、脅迫のオンパレード。そして終いにはゴミを投げつけられる様まで見せて映像を終了する。
「…なんですか、これ」
クリス様は驚いた顔でこちらを見るが、こっちこそなんですかと問いたい。
言ってはいけないことだが、もしクリス様が実家で虐待を受けていたというコレット様に同情して家に匿ったり大切にしたりしなければこうはなってない。
いや、クリス様のしたことは人として正しいことかもしれない。でも他にやりようもあったと思う。具体的にどうすればよかったかなんてわからないけど、そう思ってしまう。
「ココ…?何か知っていますか?」
「わ、私こんなの知らない…みんな、どうして、アン様はいつも私に優しくしてくださるってみんなにも言ったのに…!!!」
混乱するクリス様とココ様。
両家の両親は大人の話し合いをするらしく部屋を移った。
残された私たちはお互い困った顔で見つめあったが、どれほどそうしていたかわからないがいきなりクリス様とココ様が私に頭を下げた。
「ごめんなさい、そんなつもりじゃなかったの!!!」
「必ず誤解は解きます、だからどうか別れるなんて言わないでください!!!」
ええ…と思いつつも二人に頭を下げられるとどうしたらいいかわからない。
そうしているうちに両親が戻ってきて、とりあえず今日はこのまま帰ることになった。
私を見送ろうとするクリス様を私の両親がお断りして、冷たい雰囲気のまま馬車に乗る。
両親には、ああいうことはもっと早く言えと馬車の中で怒られた。そして抱きしめられて、なんだか思ったより円満に行かないなぁと困ってしまった。
こういう私の気の利かないところを考えても、やっぱりクリス様の婚約者に私は向いていないと思う。お金持ちのお爺ちゃんの後妻とかの方がよっぽど上手くやれる…いやそっちもそっちで大変そうかも。
…いっそ出家しようかな。
結局のところ、私とクリス様の婚約は宙ぶらりんだ。
ただ、ココ様が親衛隊の人たちに怒鳴り込んで「アン様を傷つけた人たちなんて嫌い!」とやらかしたらしく親衛隊の人たちから謝罪があった。
でも、謝罪を受けたことはココ様に説明したけど仲直りする気は無いらしい。
ココ様がもう一度私に正式に謝罪してくれた後、親衛隊と関わらなくなった分の時間私にべったりになったのは親衛隊ざまぁと思ってしまう。
ココ様には別に悪感情はないのでもっと仲良くなれて嬉しいし。
クリス様からも改めて正式に謝罪があった。誤解されるようなことをしたことを重く受け止めているらしい。
ココ様は大丈夫だけど、クリス様にはなんか言葉にできないモヤモヤがある。多分、嫉妬とかその類なのかな。
だから、私が許したら終わりのはずの騒動なのに問題は宙ぶらりん。
でも、そんな中で今日クリス様が私を訪ねてきた。
「…アン、本当にすみませんでした」
「あの、クリス様」
「なんです?」
「私、自分でも言葉にできないモヤモヤがクリス様にあるんです」
「…ええ、僕の軽率な行動が発端ですからね」
意気消沈した様子のクリス様だが、それでも言っておこうと思う。
「私、意思も弱々で気も利かないです」
「そんなことはありません。虐待を受け凍え切ったココの精神を安定させたのは君の存在だ」
「え」
「僕は屋敷に匿い側にいることしか出来なかった。ココを励まして優しく癒してくれたのは君です」
そうだろうか?ココ様は会うたび自然と元気になっていったと思うのだけど。
「僕もそうです」
「え」
「幼い頃から自由はなく、ただ家を継ぐためだけに生きてきた僕が初めて…愛したい、幸せにしたい、側にいてほしいと人間らしい感情を得た。君に出会えて僕は本当に幸せだった」
…なんの話だろう。そう思ってもらえているなら嬉しいけど、私は特別何もしていないのだけど。
「君はちょっと抜けたところがあって、色々足りないところがあるけど」
「うぐっ…」
「そこがまた可愛らしいし、守ってあげたくなるし、なんだか一緒にいるだけで満たされるんです」
「褒めてますか、貶してますか」
「両方です」
にっこり笑って言われて、それ以上何も言えない。
「だから僕は君を手放したくない」
「…」
「けれど、僕が君を幸せにできないなら意味がない」
クリス様は切なげな表情で私を見つめる。
「本当にすみませんでした。君が僕を許せないなら、甘んじて婚約破棄を受け入れます」
「…いや、婚約破棄だなんて。婚約の白紙化とかではダメですか」
「ダメです。一方的に僕が悪いんですからそんなに気遣わないでいい」
「…えー」
どうしよう。
でも…迷っている時点で答えは出てるか。
「…私、多分まだクリス様が好きです」
「!」
「でもなんか…イマイチ信用しきれないので、婚約は継続した上で信用できるようにしてください。二年の期限付きで」
「は、はい!ありがとう、アン!愛しています!」
ぎゅっと抱きしめられて、これでよかったのかなぁと思う自分と良かったと思う自分とがせめぎ合う。
二年後、結局絆されて無事仲直りのち結婚に至ったのは私の性格上しょうがなかろうと思う。
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