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邪教徒とか噂流されたんですけど
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聖女さま相手にやらかしてしまった。
そのことをパパとアリス先生に話して謝ったら、許してくれたどころか聖女さまの失礼な態度に怒ってくれた。
絶対的な味方がいるって、心強いよね。
「本当にごめんね、パパ。アリス先生もごめんなさい」
「いいんだよ、そんな態度を取ってきた聖女さまが悪い」
「気に食わない女だな。誰のおかげで貴様のいる教会が保っていると思っているのか」
それはそう。
教会が保っているのはパパが皇帝陛下の暴走を諌めたからである。
でもあの聖女さま、そういうこと一切考えてなさそうだからなぁ。
「だがその女は、アニエスを敵だと認識したのならなにをしてくるかわからないな」
「妬み嫉みは嫌がらせに繋がるからね。気をつけないと」
パパとアリス先生の予想は結局、最悪の形で叶ってしまった。
「私が邪教徒なんじゃないかって噂が流れているの?」
「ああ、そうらしい」
パパがイライラした様子で言う。
別に邪教徒扱いされても生活に影響がなければ、私の場合特に気にしないけど…まあ、醜聞は貴族にとっては致命的だから本当は気にしなきゃいけないんだろうな。
パパがイライラするのも無理はない。
それより怖いのは、そんなパパの横でピリピリしてるアリス先生。
「さて、どうしてくれようか」
「アリス先生、あんまり過激なことはしちゃダメだよ」
「もう、アニエスは優しいんだから」
優しくない人でも、アリス先生が暴走しそうならさすがに止めると思うよ。
それにしても、邪教徒とか噂流されたのは予想外。
そこまでするとは思わなんだ。
別に今更怒っていないし、むしろ意外と苦労人っぽい聖女さまの地雷原でタップダンスを踊ったのは私。
私的にはこの流れは全部自分の自業自得だ。
「聖女さまにはお手柔らかにね。聖女さまにこんなことをさせたのは、不安にさせた私なんだから」
「アニエスは優しすぎる…」
「俺の娘は本当に良い子に育った」
何故か二人とも感動しているけど、実際自分のせいなんだからそりゃ庇うって。
「でもとりあえずしばらくは、噂をどう払拭するかだねぇ」
「放っておけばそのうちそんな噂消えると思うけど」
「ダメだよ、こういうことはちゃんと否定しないと」
そうかぁ、否定しなきゃダメかぁ…。
「なら教皇猊下に色々説明して、味方になってもらうのが手っ取り早いかなぁ」
「アニエス、それナイスアイデア」
「是非それで行こう。教皇に今度アポイントメントを取っておく」
ということで、色々なことを教皇猊下に相談することになりました。
教皇猊下は優しいし仲良しだから、安心だね。
そのことをパパとアリス先生に話して謝ったら、許してくれたどころか聖女さまの失礼な態度に怒ってくれた。
絶対的な味方がいるって、心強いよね。
「本当にごめんね、パパ。アリス先生もごめんなさい」
「いいんだよ、そんな態度を取ってきた聖女さまが悪い」
「気に食わない女だな。誰のおかげで貴様のいる教会が保っていると思っているのか」
それはそう。
教会が保っているのはパパが皇帝陛下の暴走を諌めたからである。
でもあの聖女さま、そういうこと一切考えてなさそうだからなぁ。
「だがその女は、アニエスを敵だと認識したのならなにをしてくるかわからないな」
「妬み嫉みは嫌がらせに繋がるからね。気をつけないと」
パパとアリス先生の予想は結局、最悪の形で叶ってしまった。
「私が邪教徒なんじゃないかって噂が流れているの?」
「ああ、そうらしい」
パパがイライラした様子で言う。
別に邪教徒扱いされても生活に影響がなければ、私の場合特に気にしないけど…まあ、醜聞は貴族にとっては致命的だから本当は気にしなきゃいけないんだろうな。
パパがイライラするのも無理はない。
それより怖いのは、そんなパパの横でピリピリしてるアリス先生。
「さて、どうしてくれようか」
「アリス先生、あんまり過激なことはしちゃダメだよ」
「もう、アニエスは優しいんだから」
優しくない人でも、アリス先生が暴走しそうならさすがに止めると思うよ。
それにしても、邪教徒とか噂流されたのは予想外。
そこまでするとは思わなんだ。
別に今更怒っていないし、むしろ意外と苦労人っぽい聖女さまの地雷原でタップダンスを踊ったのは私。
私的にはこの流れは全部自分の自業自得だ。
「聖女さまにはお手柔らかにね。聖女さまにこんなことをさせたのは、不安にさせた私なんだから」
「アニエスは優しすぎる…」
「俺の娘は本当に良い子に育った」
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「是非それで行こう。教皇に今度アポイントメントを取っておく」
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教皇猊下は優しいし仲良しだから、安心だね。
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