侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました

下菊みこと

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パパと先生がガルガルやってる

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「僕は可愛い子にほど自由を与えるべきだと思うなぁ」

「与えてる」

「じゃあ友達も作ってあげなよ」

「他人と触れ合っても傷つけられるだけだ」

「それは過保護だよ」

にこにこ笑いながらチクチクとパパに口撃するアリス先生。クールなお顔で受け流そうとするパパ。

「アリス先生!」

「ん?なあに?」

「こっちきて!これ美味しいよ!」

「むぐっ…」

アリス先生に手招きして近づいてもらって、お口にお菓子を突っ込む。

「むぐむぐ…」

「美味しいでしょ?」

「んん…うん、美味しいよ。ありがとう、アニエス」

にっこり笑うアリス先生。ご機嫌治ったかな。

「まあ、今日はこれ以上無理強いするのはやめておくけど」

「けどなんだ」

「いずれは同性のお友達も必要だよ。可愛いアニエスがぼっちになったら責任とれるの」

「ふん。アニエスほどの娘ならわざわざ呼ばずともいくらでも人は寄ってくる」

「まあそうだけどさ。人付き合いの経験がないと寄ってくる奴らを捌けないでしょ」

パパはその言葉にちらっとこっちを見る。

とりあえずにっこり笑っておく。

「…愛嬌もある」

「それだけじゃ足りない部分もあるでしょ。根源に接続したとはいえ、まだ子供なんだから。前の人生とこの世界では付き合いに違いもあるし」

「…ふん」

「おや?少しは考える気になった?」

「…アニエスはまだ俺たちに甘えたいらしいが?」

うん、そうそう。

お友達もいいけど、パパとアリス先生との時間がなくなったらやだ。

「アニエス、お友達と言っても毎日会うわけでもないし普段はパパや僕にも甘えられるよ」

「うーん」

「…もし頷いてくれるならアニエスが気にいるくらい可愛い女の子を探しておくつもりなんだけど」

「いいよ!」

そんなに可愛い子なら全然いいよ!

「お前…」

「アニエスは素直だなぁ…」

よしよし、とアリス先生は私の頭を撫でる。

「うーん。でもそれだけ可愛くて性格も良い女の子を貴族の子女から選ぶなら骨が折れるなぁ」

「性格が一番のネックだな」

「その上容姿も選ぶとなるとね。爵位はとりあえず度外視かな」

「選ぶのはお前に任せるが、最終的には俺にも報告してからにしろ」

「わかったわかった」

どんな可愛子ちゃんと出会えるかなぁ。

ワクワク。
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