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皇帝陛下からプレゼント!?
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「うわぁ…」
「どうする?全部捨てるか?」
「いや、物に罪はないから…」
あの後、私はパパに甘やかしてもらって精神力を回復した。
なのに次の日。
皇帝陛下から、何故か…というか多分お詫びの品のつもりなんだろうけどプレゼントの山が届いた。
いや、いいとは思うよ?お詫びの品。うん。
ただ限度は考えて欲しかった。この量のプレゼントをどう処理しろと。
「天使様」
「皇帝陛下の執事さん」
「覚えていてくださったのですね」
にっこりと笑う執事さん。
皇帝陛下の執事さんなら、それなりに偉い人だろうな。
「リオルと申します。以後お見知り置きを」
「リオルさん」
「先日は我が主人が大変失礼を致しました」
丁寧に頭を下げてくれるけど、助けてくれなかったんだよなぁ。
「我が主人に代わってお詫びを申し上げます」
「…いえ、大丈夫です」
「アニエス」
「パパ、いいの」
パパがそんなに怒ってくれるから、私は怒る気にもならない。だってパパの気持ちが嬉しくて、嫌な気持ちが何処かに行っちゃうから。
「天使様のご厚意に感謝を」
「でも、贈り物がすごいです」
「我が主人は極端な方ですから…申し訳ありません。主人なりの誠意なのです」
物で釣ってるようにしか思わないけどなぁ。
「ですが主人は今、すごく天使様に感謝しているのですよ」
「え?」
「天使様がジャック様の幸せそのものなのだと。ならばこれほど愛おしい存在もないと。そして、ジャック様のそばにいてくれることに心から感謝していると…そのように仰せでした」
…なるほどたしかに極端な人だ。
「本当は主人が自ら出向きたかったそうなのですが、まずは天使様を怖がらせないことが大事だと考えて自重なさいました。天使様も、主人がまだ怖いでしょう?」
「…えっと」
「良いのです。主人がしたことは、七つの子にとってあまりにも酷いこと。怖がっても無理はありません」
うんうん頷くリオルさん。
「ですが、少しずつでも警戒を解いていただければ幸いです」
「…はい」
「いつまで都合のいいことをほざいている?」
いけない。パパがキレそう。
「…これは申し訳ありませんでした。では、私はこれで。天使様、どうかお身体にはお気をつけて。手洗いうがいは基本ですよ。喉が痛い時には是非ハチミツを」
「は、はい」
「あと、普段から生姜湯を飲むのもよろしいでしょう。あとは…」
「いいからさっさと帰れ」
とうとうパパが追い出した。
リオルさんは案外めげなくて、玄関のドアが閉じるまで私に手を振っていた。
「どうする?全部捨てるか?」
「いや、物に罪はないから…」
あの後、私はパパに甘やかしてもらって精神力を回復した。
なのに次の日。
皇帝陛下から、何故か…というか多分お詫びの品のつもりなんだろうけどプレゼントの山が届いた。
いや、いいとは思うよ?お詫びの品。うん。
ただ限度は考えて欲しかった。この量のプレゼントをどう処理しろと。
「天使様」
「皇帝陛下の執事さん」
「覚えていてくださったのですね」
にっこりと笑う執事さん。
皇帝陛下の執事さんなら、それなりに偉い人だろうな。
「リオルと申します。以後お見知り置きを」
「リオルさん」
「先日は我が主人が大変失礼を致しました」
丁寧に頭を下げてくれるけど、助けてくれなかったんだよなぁ。
「我が主人に代わってお詫びを申し上げます」
「…いえ、大丈夫です」
「アニエス」
「パパ、いいの」
パパがそんなに怒ってくれるから、私は怒る気にもならない。だってパパの気持ちが嬉しくて、嫌な気持ちが何処かに行っちゃうから。
「天使様のご厚意に感謝を」
「でも、贈り物がすごいです」
「我が主人は極端な方ですから…申し訳ありません。主人なりの誠意なのです」
物で釣ってるようにしか思わないけどなぁ。
「ですが主人は今、すごく天使様に感謝しているのですよ」
「え?」
「天使様がジャック様の幸せそのものなのだと。ならばこれほど愛おしい存在もないと。そして、ジャック様のそばにいてくれることに心から感謝していると…そのように仰せでした」
…なるほどたしかに極端な人だ。
「本当は主人が自ら出向きたかったそうなのですが、まずは天使様を怖がらせないことが大事だと考えて自重なさいました。天使様も、主人がまだ怖いでしょう?」
「…えっと」
「良いのです。主人がしたことは、七つの子にとってあまりにも酷いこと。怖がっても無理はありません」
うんうん頷くリオルさん。
「ですが、少しずつでも警戒を解いていただければ幸いです」
「…はい」
「いつまで都合のいいことをほざいている?」
いけない。パパがキレそう。
「…これは申し訳ありませんでした。では、私はこれで。天使様、どうかお身体にはお気をつけて。手洗いうがいは基本ですよ。喉が痛い時には是非ハチミツを」
「は、はい」
「あと、普段から生姜湯を飲むのもよろしいでしょう。あとは…」
「いいからさっさと帰れ」
とうとうパパが追い出した。
リオルさんは案外めげなくて、玄関のドアが閉じるまで私に手を振っていた。
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