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開き直っちゃえ☆
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私は泣き疲れて眠ってしまったようで、長い長い夢を見た。
地球という星の日本という国に生まれた、平凡な平民の女の子になった夢。
両親からの愛情たっぷりに育って、自由に生きた。幸せだった。
けれど大学生になって二十歳の誕生日を迎えたすぐあとのある日、見知らぬ男にお腹を刺されてしまった。
そのあまりにリアルな痛みに飛び起きる。
「…お嬢様!お目覚めですか!?よかった!」
飛び起きた私を見て、そばに控えていた乳母はそう言って私を抱きしめる。
「五日間も高熱に魘されていらしたのですよ…!」
ああ、だから。
長い長い夢という形で、前世の記憶を思い出したのか。
「マリー、水」
「はい、お嬢様」
乳母のマリーは水を飲ませてくれる。
とりあえず、落ち着いたら現状整理と行こうか。
まずは前世から整理しよう。
「私の前世は、日本の大学生。二十歳になったばかりで、残念ながら通りすがりのヤベェ奴に突然お腹を刺されて以降記憶がない。つまりはそういうことだろう」
そして、今世の記憶もバッチリある。
「今世の私は、日本からすると異世界にあたる場所の大国に住んでる。しかも侯爵家の跡取り。とはいえ子供らしからぬ悩みがあった」
私は今世の「お父様」の実の娘ではなく、平民と愛し合い駆け落ちしたらしいお父様の弟の子。
跡取りにするため引き取られて、母方の親戚とは縁切り済み。
養育は全部乳母、父親になってくれた人はネグレクト気味で愛情は一切感じず。
しかも幼いうちから上記の事情を馬鹿正直に教えられる。おかげで悩んで熱で寝込んだ。それがあったから前世の記憶を取り戻せたのだけど。
でも引き取ってくれたお父様、思い返せばネグレクト野郎だけどまじイケメン。前世の記憶を取り戻した私にとって超好み。控えめにいって好き。よって推し決定。
「…まあでも、正直悩まなくても良さそう」
前世のことはもうどうしようもない。
今世のことは、前世の記憶に性格が引っ張られた結果か「あー、そんなもんか」と思えるようになった。
侯爵家の跡取りだから将来は約束されてるし、勉強は今世の知識と日本の知識の合わせ技でチートもあるからまだ頑張れるだろう。
ならば。
「推し活、頑張りましょ!」
開き直った私はしつこいぞ、お父様。
地球という星の日本という国に生まれた、平凡な平民の女の子になった夢。
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そのあまりにリアルな痛みに飛び起きる。
「…お嬢様!お目覚めですか!?よかった!」
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「五日間も高熱に魘されていらしたのですよ…!」
ああ、だから。
長い長い夢という形で、前世の記憶を思い出したのか。
「マリー、水」
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とりあえず、落ち着いたら現状整理と行こうか。
まずは前世から整理しよう。
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そして、今世の記憶もバッチリある。
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侯爵家の跡取りだから将来は約束されてるし、勉強は今世の知識と日本の知識の合わせ技でチートもあるからまだ頑張れるだろう。
ならば。
「推し活、頑張りましょ!」
開き直った私はしつこいぞ、お父様。
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