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のんびりタイム
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リスとラヴァンド、ロゼッタとソールでのんびりと過ごしていた昼下がり。ロゼッタはハンモックの上でうとうととしており、ソールはそんなロゼッタの隣で椅子に座りながら本を読む。時折ロゼッタのほうをちらりと見てはだらしのない顔をしているのはご愛嬌である。リスはそんな二人を微笑ましく思いつつラヴァンドの膝の上で紅茶を飲んでいる。ラヴァンドはリスを膝に抱え、抱きしめたり悪戯を仕掛けたりしつつ穏やかな時間を過ごしていた。
「いやー、平和だねぇ」
「陽の光が気持ちいいな。ロゼッタはすっかり夢の中だな」
「お前も人には色々言うくせにロゼッタには甘いな」
「…こ、婚約者なんだから別にいいだろう」
「誰もダメとは言っていない。なあ、リス」
「そうだね。ロゼッタとソールが仲が良くてお姉ちゃんは満足だよ」
「はは、リスの方が俺よりもロゼッタに甘いようだな」
「言えてる。リス、ロゼッタばかりではなく僕に構ってくれ」
ラヴァンドがリスにくすぐり攻撃を仕掛ける。リスは身をよじってくすぐったがる。
「あははは、も、もう、はは、ラヴァンド!」
「はは。ラヴァンド、やめてやれ」
「わかったわかった。リスは僕の婚約者なのだから、嫉妬させないでくれよ?」
「あはは。わかったよもう」
ラヴァンドがくすぐり攻撃をやめてようやくリスは落ち着く。
「ところで相談なんだけどさ」
「どうした?」
「なんだ?」
「私が妖精の愛し子だって話、両親にした方がいいと思う?」
リスの質問にラヴァンドとソールは目を点にする。
「むしろまだ話してなかったのか?」
「いやだってさ、今まで散々放置してきた娘が実は特殊なタイプの聖女で、しかも嫌ってた理由が妖精からの精神干渉だったとかいきなり言われても信じられなくない?」
リスの返答に納得した様子のラヴァンドとソール。
「だが、最近では屋敷内での評判も変わってきたのだろう?義父上も義母上も納得させるには、十分な下地を作れたと思うぞ?」
「そうかなぁ」
「それでも信じてもらえるかどうか不安なら、それこそロゼッタの方から話を通してもらえばどうだ?」
「あー…んー…でも、この話は私からした方がいいと思う。多分」
「まあそうだろうな」
「いっそのことロゼッタと二人で話しに行ったらどうだ?」
「やっぱりそれしかないかな?」
「そうだな」
「それがいいと思うぞ」
「わかった。じゃあラヴァンドとソールが帰ったら、ロゼッタと一緒に話してみる」
ようやく決心を固めたリス。ラヴァンドはそんなリスの頭を撫でて励ます。ソールはリスの背中をばしばしと叩いて気合を入れてやる。ロゼッタだけが一人で呑気にうとうとしていた。
「いやー、平和だねぇ」
「陽の光が気持ちいいな。ロゼッタはすっかり夢の中だな」
「お前も人には色々言うくせにロゼッタには甘いな」
「…こ、婚約者なんだから別にいいだろう」
「誰もダメとは言っていない。なあ、リス」
「そうだね。ロゼッタとソールが仲が良くてお姉ちゃんは満足だよ」
「はは、リスの方が俺よりもロゼッタに甘いようだな」
「言えてる。リス、ロゼッタばかりではなく僕に構ってくれ」
ラヴァンドがリスにくすぐり攻撃を仕掛ける。リスは身をよじってくすぐったがる。
「あははは、も、もう、はは、ラヴァンド!」
「はは。ラヴァンド、やめてやれ」
「わかったわかった。リスは僕の婚約者なのだから、嫉妬させないでくれよ?」
「あはは。わかったよもう」
ラヴァンドがくすぐり攻撃をやめてようやくリスは落ち着く。
「ところで相談なんだけどさ」
「どうした?」
「なんだ?」
「私が妖精の愛し子だって話、両親にした方がいいと思う?」
リスの質問にラヴァンドとソールは目を点にする。
「むしろまだ話してなかったのか?」
「いやだってさ、今まで散々放置してきた娘が実は特殊なタイプの聖女で、しかも嫌ってた理由が妖精からの精神干渉だったとかいきなり言われても信じられなくない?」
リスの返答に納得した様子のラヴァンドとソール。
「だが、最近では屋敷内での評判も変わってきたのだろう?義父上も義母上も納得させるには、十分な下地を作れたと思うぞ?」
「そうかなぁ」
「それでも信じてもらえるかどうか不安なら、それこそロゼッタの方から話を通してもらえばどうだ?」
「あー…んー…でも、この話は私からした方がいいと思う。多分」
「まあそうだろうな」
「いっそのことロゼッタと二人で話しに行ったらどうだ?」
「やっぱりそれしかないかな?」
「そうだな」
「それがいいと思うぞ」
「わかった。じゃあラヴァンドとソールが帰ったら、ロゼッタと一緒に話してみる」
ようやく決心を固めたリス。ラヴァンドはそんなリスの頭を撫でて励ます。ソールはリスの背中をばしばしと叩いて気合を入れてやる。ロゼッタだけが一人で呑気にうとうとしていた。
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