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シュシュはそのままでいいのに

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シュシュのぽつぽつと語るその言葉は、俺の胸を締め付ける。人族だからなんだ、亜人族だからなんだ。俺はシュシュが好きなんだ!身を引くなんて、シュシュが考える必要ない!

「俺はシュシュが好きだ。他の誰でもない、シュシュがいい。シュシュ、俺から離れていかないでくれ!」

「ニタ…でも、私…」

「シュシュのことは必ず俺が守る。もう二度とこんな思いさせない。だから、頼むから。俺の側にいて欲しい。…頼むから、頷いてくれ」

シュシュの瞳は揺れるばかり。溢れる涙もそのまま、シュシュは固まってしまった。

「ニタ…でも、私、ニタにふさわしいか自信がありません…」

「ふさわしいとかふさわしくないとか関係ない!俺はシュシュがいいんだ。シュシュは、俺が嫌いか?」

ふるふると首を横に振るシュシュ。

「なら…俺のこと、好き?」

こくりと頷いてくれたシュシュ。

「それなら、それでいいだろ。俺はシュシュが好きだ。シュシュも俺が好きなら、それだけで一緒にいる理由になるだろ。他の誰が否定しようが、俺にはシュシュが必要だ。シュシュ以外なんてなにもいらない。シュシュ、ずっと側にいてくれ」

シュシュをもう一度抱きしめて、語り掛ける。シュシュが小さく頷いてくれた。俺はシュシュを解放する。

「シュシュ。これ、受け取って欲しい」

俺はポケットから小さな箱を取り出した。そしてシュシュの前に跪き、箱の中身を見せる。

「指輪…」

「本当ならもう少しムードを盛り上げて渡したかったんだが、渡すなら今しかないと思って」

「結婚指輪、ですか…?本当に?…私なんかでいいんですか?」

「シュシュだからいいんだ。受け取ってくれるか?シュシュ」

「…っ!喜んで…!」

ぼろぼろと涙を流すシュシュをもう一度抱きしめる。そして溢れる涙をキスで受け止めて、顔中にキスを落とす。

「見せつけてくれますわね…」

ロロがやれやれと首を振る。仕方ないだろ。今いいところなんだから。

「…っ、プーロ様、お恥ずかしいところを…ニタ!?」

シュシュがロロのせいで離れていきそうだったので、抱きしめる力を強くする。シュシュは俺の運命の番なんだ。ロロにもやらない。

「シュシュ。今から結婚式の準備をしよう。中央教会と連絡を取るから、式の段取りを決めよう」

「えっ、急過ぎませんか?」

「メランコーリッシュ王女。諦めなさいませ。おそらくもう逃げられませんわよ」

「いえ、逃げるつもりは…」

「くーん…わふっ!」

「し、シエルまで。もう逃げたりしないから」

シエルがシュシュのドレスの裾をくわえて逃がさんとばかりに抑え込む。ナイスだ、シエル。
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