王女なのに虐げられて育った私が、隣国の俺様皇帝の番ですか？-または龍神皇帝の溺愛日記-

メランコーリッシュ、俺様皇帝と一緒に寝る

今日は流星群が現れる日だそうで、ニタに誘われてニタの部屋で流星群を眺めることになりました。今日はニタの部屋でお泊りです。

「シュシュ」

「なんですか、ニタ…わ！」

ニタが枕を投げてきます。見事私の顔面に命中。これは所謂枕投げという奴ですね。ならば私も！

「えいっ！」

私も応戦します。しかしニタはひょいと躱してしまいます。

「もう！えいっ」

「はは、それっ！」

「ちょっとは当たってください！」

「シュシュこそ！」

枕投げなんて子供っぽいかもしれませんが、とても楽しいです。

「それっ」

「えいっ」

今度はお互いの顔面に命中します。私達は思わず吹き出しました。

「ふ、ふふふ…あはははは！」

「ははっ…ははははは！」

たくさん笑って落ち着くと、今度はニタに抱き寄せられます。

「いつまでもこうやって、馬鹿やってはしゃいで、仲良くしたい」

「ニタとならなにをしても楽しい自信があります」

「俺もだ」

「そういえば、今日は流星群が見れるんですよね」

「ああ、それが目的だったな。バルコニーに出よう」

「はい」

私はニタと一緒に窓辺で毛布にくるまって流星群を待ちます。するとニタが私をぎゅっと抱きしめてくれました。

「寒いのは苦手だろう？夜は冷えるから、抱きしめてやる」

「ありがとうございます、ニタ」

私のことを大切そうに優しく、でも力強く抱きしめるニタ。嬉しくて、心がくすぐったいです。

「あの、ニタは流れ星になにを願いますか？」

「シュシュとずっとこうして一緒にいられますように、だな」

「私も、ずっとニタとこうして一緒にいられるように願いますね」

「ふふ、絶対叶えるぞ」

「はい！絶対です！」

そうして私とニタは抱きしめ合いながら星の雨を待ちます。

「あ、流れ星！」

「お、始まったな」

「ニタとずっと一緒にいられますように、ニタとずっと一緒にいられますように、ニタとずっと一緒にいられますように…」

「シュシュとずっと一緒にいられますように、シュシュとずっと一緒にいられますように、シュシュとずっと一緒にいられますように…」

「ニタが他の女性に目移りしませんように、ニタが他の女性に目移りしませんように、ニタが他の女性に目移りしませんように」

「シュシュがずっと俺のことを好きでいてくれますように、シュシュがずっと俺のことを好きでいてくれますように、シュシュがずっと俺のことを好きでいてくれますように」

「おばあちゃんになってもニタの好みの女性でいられますように、おばあちゃんになってもニタの好みの女性でいられますように、おばあちゃんになってもニタの好みの女性でいられますように」

「おじいちゃんになったらたくさんの孫に囲まれてシュシュと笑って過ごせますように、おじいちゃんになったらたくさんの孫に囲まれてシュシュと笑って過ごせますように、おじいちゃんになったらたくさんの孫に囲まれてシュシュと笑って過ごせますように」

「よし、これで大丈夫ですね！」

「もう少し見たらベッドに戻るぞ」

「はい！」

そうして私とニタは流星群を楽しんだ後ベッドに入ります。

ところが気持ち良く安心して眠りについたのに、私は悲しい夢を見て飛び起きてしまいました。

「…っ！」

塔に幽閉されていた時の夢。侍女長に虐待され、とても怖かった。

「と、とりあえず今は…まだ三時…まだ寝なきゃ…また怖い夢をみたらどうしよう…」

「ん…シュシュ、どうした…？」

「ニタ。ごめんなさい、起こしてしまいましたか？」

「俺は大丈夫だ。それより、お前こそこんな時間にどうした？眠れないのか？」

「虐待されていた頃の夢を見て飛び起きたんです。とっても怖くて…」

「…そうか。もう大丈夫だ、シュシュ」

私は優しく抱きしめてくれるニタに安心します。

「眠れるまで話でもしよう。あ、抱きしめたまま寝てもいいか？」

「逆にそこまでしてもらっていいんですか？」

「当たり前だ。俺はお前の運命の番だぞ？」

ニタはそういうと、本当に私を抱きしめてくれてそのまま横になります。ニタの胸元に耳を当てると、心地良い鼓動が聞こえます。

「あ、どうせなら腕枕しようか」

「はい、ありがとうございます」

ニタに腕枕をされ、更に強く抱きしめられ、私はもう夢の怖さなど忘れてときめいてしまっています。

「ニタ、大好きです」

「ん…俺もだ。ただ、こういう状況で言われるとうっかり手を出しそうになるから…」

困ったように笑うニタ。私は意味に気付いて赤面します。

「おやすみ、シュシュ」

「おやすみなさい、ニタ」

そうして私は再びぐっすり眠れたのです。

そして朝、私は体をこちょこちょとされてくすぐったくて目が覚めました。

「ニタったら！」

「おはよう、シュシュ。よく眠れたか？」

「おかげさまでよく眠れました。ありがとうございます。でもなんでこちょこちょするんですか！」

「はは、だってシュシュが可愛い寝顔で寝てるから、つい」

「理由になってないです！」

そんなこんなで今日も幸せです。