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元悪役令嬢の婚約者襲来

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ご機嫌よう。メランコーリッシュです。今日はプーロ様がいらっしゃって二人で百合園でお茶会をしていたのですが…。

「それでね、メランコーリッシュ王女。私の婚約者ったら、私が階段でつまずいただけでもう大慌てで…」

「ふふ、仲がよろしいのですね」

「うふふ。彼と私は運命の番ですもの。ニタ従兄様とメランコーリッシュ王女もいずれはそうなりますわ」

「ロロ!」

「…!?ナート!?なんでここにいるんですの!?」

「ロロがここにいると聞いて飛んできたんだ!」

「あらまあ」

二人の雰囲気でわかりますが、おそらく彼がプーロ様の婚約者様でしょう。ご挨拶します。

「はじめまして、ご機嫌よう。私はメランコーリッシュ・パラディースと申します。以後お見知りおきを」

「お初にお目にかかります、ラットフィナート・リカントロポ・ミラコロと申します。侯爵家の次男です。メランコーリッシュ王女殿下におかれましては、ご機嫌麗しく」

金髪に緑の瞳の美青年が恭しく頭を下げると様になりますね。かっこいいです。プーロ様にぴったりな素敵な方ですね。

「よかったらラットフィナート様もいかがですか?」

「恐れ入ります。しかしながら、僕はロロに用があるので遠慮しておきます」

「そうですか、ではまたの機会に」

「ええ。ロロ、一緒に帰ろう」

「いやよ」

「!?プーロ様、何か大事な用かもしれませんし…私は大丈夫なので、行ってください」

「大丈夫ですわ、メランコーリッシュ王女。どうせナートは私とメランコーリッシュ王女が仲良くしているのを邪魔したいだけですわ」

「えっ」

「うっ」

「私の婚約者、見た目はさることながら、性格も能力も申し分ないとされていますけれどもね、その分というか、嫉妬深いんですの」

「…あらまあ」

「僕が嫉妬深いんじゃなくて、君が僕だけを見てくれないだけだよ」

「それが嫉妬深いというんですのよ。いくら運命の番だからと言って、四六時中相手のことを考えているなんて無理がありますわ」

「僕は四六時中ロロのことを考えている!」

「それはナートの勝手ですわ。私の知ったことではありませんわ」

「ロロ…」

「メランコーリッシュ王女にまで嫉妬するなんてありえませんわ。いい加減になさいませ」

「僕はこんなにもロロが好きなのに…」

「十分わかっておりますわ。だからそんな健気な貴方のために私、メランコーリッシュ王女にダンスや料理を習っていますのよ?それなのにそれにすら口を出されたら誰だって怒りますわ。出直していらっしゃいまし」

「そ、そんな、ロロ…」

「出口はあちらでしてよ」

「ロロ…わかったよ…ごめん…」

とぼとぼと帰っていくナート様。大丈夫でしょうか…。
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