13 / 55
元悪役令嬢の婚約者襲来
しおりを挟む
ご機嫌よう。メランコーリッシュです。今日はプーロ様がいらっしゃって二人で百合園でお茶会をしていたのですが…。
「それでね、メランコーリッシュ王女。私の婚約者ったら、私が階段でつまずいただけでもう大慌てで…」
「ふふ、仲がよろしいのですね」
「うふふ。彼と私は運命の番ですもの。ニタ従兄様とメランコーリッシュ王女もいずれはそうなりますわ」
「ロロ!」
「…!?ナート!?なんでここにいるんですの!?」
「ロロがここにいると聞いて飛んできたんだ!」
「あらまあ」
二人の雰囲気でわかりますが、おそらく彼がプーロ様の婚約者様でしょう。ご挨拶します。
「はじめまして、ご機嫌よう。私はメランコーリッシュ・パラディースと申します。以後お見知りおきを」
「お初にお目にかかります、ラットフィナート・リカントロポ・ミラコロと申します。侯爵家の次男です。メランコーリッシュ王女殿下におかれましては、ご機嫌麗しく」
金髪に緑の瞳の美青年が恭しく頭を下げると様になりますね。かっこいいです。プーロ様にぴったりな素敵な方ですね。
「よかったらラットフィナート様もいかがですか?」
「恐れ入ります。しかしながら、僕はロロに用があるので遠慮しておきます」
「そうですか、ではまたの機会に」
「ええ。ロロ、一緒に帰ろう」
「いやよ」
「!?プーロ様、何か大事な用かもしれませんし…私は大丈夫なので、行ってください」
「大丈夫ですわ、メランコーリッシュ王女。どうせナートは私とメランコーリッシュ王女が仲良くしているのを邪魔したいだけですわ」
「えっ」
「うっ」
「私の婚約者、見た目はさることながら、性格も能力も申し分ないとされていますけれどもね、その分というか、嫉妬深いんですの」
「…あらまあ」
「僕が嫉妬深いんじゃなくて、君が僕だけを見てくれないだけだよ」
「それが嫉妬深いというんですのよ。いくら運命の番だからと言って、四六時中相手のことを考えているなんて無理がありますわ」
「僕は四六時中ロロのことを考えている!」
「それはナートの勝手ですわ。私の知ったことではありませんわ」
「ロロ…」
「メランコーリッシュ王女にまで嫉妬するなんてありえませんわ。いい加減になさいませ」
「僕はこんなにもロロが好きなのに…」
「十分わかっておりますわ。だからそんな健気な貴方のために私、メランコーリッシュ王女にダンスや料理を習っていますのよ?それなのにそれにすら口を出されたら誰だって怒りますわ。出直していらっしゃいまし」
「そ、そんな、ロロ…」
「出口はあちらでしてよ」
「ロロ…わかったよ…ごめん…」
とぼとぼと帰っていくナート様。大丈夫でしょうか…。
「それでね、メランコーリッシュ王女。私の婚約者ったら、私が階段でつまずいただけでもう大慌てで…」
「ふふ、仲がよろしいのですね」
「うふふ。彼と私は運命の番ですもの。ニタ従兄様とメランコーリッシュ王女もいずれはそうなりますわ」
「ロロ!」
「…!?ナート!?なんでここにいるんですの!?」
「ロロがここにいると聞いて飛んできたんだ!」
「あらまあ」
二人の雰囲気でわかりますが、おそらく彼がプーロ様の婚約者様でしょう。ご挨拶します。
「はじめまして、ご機嫌よう。私はメランコーリッシュ・パラディースと申します。以後お見知りおきを」
「お初にお目にかかります、ラットフィナート・リカントロポ・ミラコロと申します。侯爵家の次男です。メランコーリッシュ王女殿下におかれましては、ご機嫌麗しく」
金髪に緑の瞳の美青年が恭しく頭を下げると様になりますね。かっこいいです。プーロ様にぴったりな素敵な方ですね。
「よかったらラットフィナート様もいかがですか?」
「恐れ入ります。しかしながら、僕はロロに用があるので遠慮しておきます」
「そうですか、ではまたの機会に」
「ええ。ロロ、一緒に帰ろう」
「いやよ」
「!?プーロ様、何か大事な用かもしれませんし…私は大丈夫なので、行ってください」
「大丈夫ですわ、メランコーリッシュ王女。どうせナートは私とメランコーリッシュ王女が仲良くしているのを邪魔したいだけですわ」
「えっ」
「うっ」
「私の婚約者、見た目はさることながら、性格も能力も申し分ないとされていますけれどもね、その分というか、嫉妬深いんですの」
「…あらまあ」
「僕が嫉妬深いんじゃなくて、君が僕だけを見てくれないだけだよ」
「それが嫉妬深いというんですのよ。いくら運命の番だからと言って、四六時中相手のことを考えているなんて無理がありますわ」
「僕は四六時中ロロのことを考えている!」
「それはナートの勝手ですわ。私の知ったことではありませんわ」
「ロロ…」
「メランコーリッシュ王女にまで嫉妬するなんてありえませんわ。いい加減になさいませ」
「僕はこんなにもロロが好きなのに…」
「十分わかっておりますわ。だからそんな健気な貴方のために私、メランコーリッシュ王女にダンスや料理を習っていますのよ?それなのにそれにすら口を出されたら誰だって怒りますわ。出直していらっしゃいまし」
「そ、そんな、ロロ…」
「出口はあちらでしてよ」
「ロロ…わかったよ…ごめん…」
とぼとぼと帰っていくナート様。大丈夫でしょうか…。
10
お気に入りに追加
473
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】うっかり異世界召喚されましたが騎士様が過保護すぎます!
雨宮羽那
恋愛
いきなり神子様と呼ばれるようになってしまった女子高生×過保護気味な騎士のラブストーリー。
◇◇◇◇
私、立花葵(たちばなあおい)は普通の高校二年生。
元気よく始業式に向かっていたはずなのに、うっかり神様とぶつかってしまったらしく、異世界へ飛ばされてしまいました!
気がつくと神殿にいた私を『神子様』と呼んで出迎えてくれたのは、爽やかなイケメン騎士様!?
元の世界に戻れるまで騎士様が守ってくれることになったけど……。この騎士様、過保護すぎます!
だけどこの騎士様、何やら秘密があるようで――。
◇◇◇◇
※過去に同名タイトルで途中まで連載していましたが、連載再開にあたり設定に大幅変更があったため、加筆どころか書き直してます。
※アルファポリス先行公開。
※表紙はAIにより作成したものです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
告白さえできずに失恋したので、酒場でやけ酒しています。目が覚めたら、なぜか夜会の前夜に戻っていました。
石河 翠
恋愛
ほんのり想いを寄せていたイケメン文官に、告白する間もなく失恋した主人公。その夜、彼女は親友の魔導士にくだを巻きながら、酒場でやけ酒をしていた。見事に酔いつぶれる彼女。
いつもならば二日酔いとともに目が覚めるはずが、不思議なほど爽やかな気持ちで起き上がる。なんと彼女は、失恋する前の日の晩に戻ってきていたのだ。
前回の失敗をすべて回避すれば、好きなひとと付き合うこともできるはず。そう考えて動き始める彼女だったが……。
ちょっとがさつだけれどまっすぐで優しいヒロインと、そんな彼女のことを一途に思っていた魔導士の恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる