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男運は良いのか悪いのか…
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「貴方とはここでお別れです」
「え、ちょっとちょっと待って待って…」
「さようなら」
そう言って、婚約者とさようならをした。
何故ならば。
婚約者は、知らない女の子と合体していたから。
それも、野外で。
私は映像を映像石と呼ばれる録画機能のある宝石に記録して、すぐに屋敷に戻った。
「お父様、お母様、これみて」
「え…?うわぁ…」
「えぇ…野外で…」
「この男に爵位継がせられる?」
「無理」
ということで、両親はさっさと婚約者を切った。
婚約者の両親に映像石のコピーを渡して、あちら有責で多額の慰謝料を得て正式に別れた。
醜聞は瞬く間に広がって、彼は両親にも相当詰られたらしい。
彼の実家は彼の兄が継ぐ。
なのでうちへの婿入りが無くなった彼は、彼の両親から見れば邪魔でしかない。
「この親不孝者ー!!!」
「ふーざーけーるーなー!!!」
両親と兄からボッコボコにされ、自慢のお顔が腫れ上がり勘当を言い渡されたらしい。
「…って、それで終わればよかったのにねぇ」
話はそれで終わらなかった。
「まさかまさか、こんなことになるとは…」
何故か、本当に何故か元婚約者はボロボロの姿でうちの屋敷の前でボロボロで土下座していた。
「ねえねえ、何してるの?」
「助けてくれ!」
「嫌です」
「このままじゃ金持ちの変態ジジイに買われるんだ!」
「お好きにどうぞ」
この男、懲りずに今度はどこぞで借金して身売りされそうになっているらしい。
「なあ頼むよ助けてくれよ!」
「誰が助けるかすっとこどっこい」
「まだ婚約者も決まってないだろ?頼むよ!俺を婚約者に戻してくれよ!」
土下座する彼に告げる。
「婚約者はもう決まってます」
「え」
「私、これでもモテるんですよ。実家の力もあるでしょうけど、美人ってよく言われるのも知ってるでしょ?その度に貴方首を傾げていましたけど…」
「だ、だって」
「あの映像石で相手の女の顔を見た人、みんな言ってましたよ。あんなブルドッグみたいな顔の女のどこがいいんだって…貴方、言っちゃ悪いけどブス専なんですよ。何故か自覚がないみたいですけど」
がーん、という表情の元婚約者。
いやいや、自分の癖くらい把握しておきなさいな…。
「そんな、あんな美人他にいないと思ってたのに…自慢になると思ってたのに…」
「浮気する理由までアホですね…貴方の好みの女性では自慢になりませんよ」
「そんなぁ…じゃあ俺は何のために…」
「知りませんよ。そもそもブルドッグ似の彼女に助けを求めたらいいじゃないですか」
「彼女はお金がないんだよ」
彼を思い切り蹴り上げる。
案外軽く飛んだ。
「うぅ…」
「だから!知るかボケ!帰れ!」
「うぅ…」
そして使用人に命じて屋敷から遠くに捨ててきてもらった。
最終的に、変態ジジイとやらに拾われていったらしい。
「…いやぁ、盛大に蹴り上げたねぇ」
「あ、居たの?」
「居たよ婚約者に失礼だなぁ」
「だって、こういう時って居たら庇ってくれるものじゃない?」
「庇う暇もなく反撃してるんだもの」
そう言われて、そういえばそうだったと納得。
「まあ、安心してよ。僕は浮気なんかしないし」
「人嫌いの魔術王様だものねぇ」
「そんな人嫌いの心を唯一奪った女がなんか言ってる」
私の新たな婚約者がそう言って笑う。
「…ねえ、思ったんだけど」
「ん?」
「あの日、あのバカがわざわざ野外で盛ってたのって…」
「僕は何もしてないよ?ただちょっと『確実に』『決定的な場面で』『浮気をしていることがバレる』お呪いをかけただけさ」
「…浮気自体は彼の意思よね?」
こくりと頷く彼。
「浮気はあれより前からあったよ」
「ふーん…」
「まあ…君に惚れた時点で彼に弱みとか無いかなぁとコソコソ調べてたのはそうなんだけど」
「うわぁ…」
「でも…本当に『何の非もない』『君を幸せに出来る』男なら諦めるつもりでいたけどね。君の幸せが一番だし」
残念ながらそんな良い男ではなかったから、僕が掻っ攫ったけど…なんて言う婚約者に笑ってしまう。
「貴方なら何の非もない相手でも追い詰めそうなのに」
「君の幸せが一番なんだってば。そこは信じてよ」
「わかったわかった。信じます」
「ふふ、ありがとう」
頬にキスをされる。
「ところで、あのブルドッグ似の彼女はその後どうなったのかしら…」
「あー、それは…」
「それは?貴方あっちにも何かしたの?」
「え、あー、いやー…」
「正直に吐きなさい」
彼は観念して言った。
「あっちはなんと『既婚者』だったからさ、映像石のコピーを…ね?」
「待てそのコピーどこで手に入れた。醜聞は広めたが映像石は彼の周りの人に見せはしてもモノは渡してないんだけど」
「いやぁ…まあ…ちょっと…?」
「…はぁ。お願いだからこれから先は何の相談もなく変なことしないでね!」
「肝に銘じます」
コクコク頷く彼に、とりあえず反省してくれるなら良いかと矛を収めた。
しかし我ながら、浮気男に執着男に変な男に捕まるものだと思ったが…執着の方はとりあえず本当に私を幸せにしようという意志だけは感じるのでまあ仕方がないかと男運の悪さは諦めた。
「え、ちょっとちょっと待って待って…」
「さようなら」
そう言って、婚約者とさようならをした。
何故ならば。
婚約者は、知らない女の子と合体していたから。
それも、野外で。
私は映像を映像石と呼ばれる録画機能のある宝石に記録して、すぐに屋敷に戻った。
「お父様、お母様、これみて」
「え…?うわぁ…」
「えぇ…野外で…」
「この男に爵位継がせられる?」
「無理」
ということで、両親はさっさと婚約者を切った。
婚約者の両親に映像石のコピーを渡して、あちら有責で多額の慰謝料を得て正式に別れた。
醜聞は瞬く間に広がって、彼は両親にも相当詰られたらしい。
彼の実家は彼の兄が継ぐ。
なのでうちへの婿入りが無くなった彼は、彼の両親から見れば邪魔でしかない。
「この親不孝者ー!!!」
「ふーざーけーるーなー!!!」
両親と兄からボッコボコにされ、自慢のお顔が腫れ上がり勘当を言い渡されたらしい。
「…って、それで終わればよかったのにねぇ」
話はそれで終わらなかった。
「まさかまさか、こんなことになるとは…」
何故か、本当に何故か元婚約者はボロボロの姿でうちの屋敷の前でボロボロで土下座していた。
「ねえねえ、何してるの?」
「助けてくれ!」
「嫌です」
「このままじゃ金持ちの変態ジジイに買われるんだ!」
「お好きにどうぞ」
この男、懲りずに今度はどこぞで借金して身売りされそうになっているらしい。
「なあ頼むよ助けてくれよ!」
「誰が助けるかすっとこどっこい」
「まだ婚約者も決まってないだろ?頼むよ!俺を婚約者に戻してくれよ!」
土下座する彼に告げる。
「婚約者はもう決まってます」
「え」
「私、これでもモテるんですよ。実家の力もあるでしょうけど、美人ってよく言われるのも知ってるでしょ?その度に貴方首を傾げていましたけど…」
「だ、だって」
「あの映像石で相手の女の顔を見た人、みんな言ってましたよ。あんなブルドッグみたいな顔の女のどこがいいんだって…貴方、言っちゃ悪いけどブス専なんですよ。何故か自覚がないみたいですけど」
がーん、という表情の元婚約者。
いやいや、自分の癖くらい把握しておきなさいな…。
「そんな、あんな美人他にいないと思ってたのに…自慢になると思ってたのに…」
「浮気する理由までアホですね…貴方の好みの女性では自慢になりませんよ」
「そんなぁ…じゃあ俺は何のために…」
「知りませんよ。そもそもブルドッグ似の彼女に助けを求めたらいいじゃないですか」
「彼女はお金がないんだよ」
彼を思い切り蹴り上げる。
案外軽く飛んだ。
「うぅ…」
「だから!知るかボケ!帰れ!」
「うぅ…」
そして使用人に命じて屋敷から遠くに捨ててきてもらった。
最終的に、変態ジジイとやらに拾われていったらしい。
「…いやぁ、盛大に蹴り上げたねぇ」
「あ、居たの?」
「居たよ婚約者に失礼だなぁ」
「だって、こういう時って居たら庇ってくれるものじゃない?」
「庇う暇もなく反撃してるんだもの」
そう言われて、そういえばそうだったと納得。
「まあ、安心してよ。僕は浮気なんかしないし」
「人嫌いの魔術王様だものねぇ」
「そんな人嫌いの心を唯一奪った女がなんか言ってる」
私の新たな婚約者がそう言って笑う。
「…ねえ、思ったんだけど」
「ん?」
「あの日、あのバカがわざわざ野外で盛ってたのって…」
「僕は何もしてないよ?ただちょっと『確実に』『決定的な場面で』『浮気をしていることがバレる』お呪いをかけただけさ」
「…浮気自体は彼の意思よね?」
こくりと頷く彼。
「浮気はあれより前からあったよ」
「ふーん…」
「まあ…君に惚れた時点で彼に弱みとか無いかなぁとコソコソ調べてたのはそうなんだけど」
「うわぁ…」
「でも…本当に『何の非もない』『君を幸せに出来る』男なら諦めるつもりでいたけどね。君の幸せが一番だし」
残念ながらそんな良い男ではなかったから、僕が掻っ攫ったけど…なんて言う婚約者に笑ってしまう。
「貴方なら何の非もない相手でも追い詰めそうなのに」
「君の幸せが一番なんだってば。そこは信じてよ」
「わかったわかった。信じます」
「ふふ、ありがとう」
頬にキスをされる。
「ところで、あのブルドッグ似の彼女はその後どうなったのかしら…」
「あー、それは…」
「それは?貴方あっちにも何かしたの?」
「え、あー、いやー…」
「正直に吐きなさい」
彼は観念して言った。
「あっちはなんと『既婚者』だったからさ、映像石のコピーを…ね?」
「待てそのコピーどこで手に入れた。醜聞は広めたが映像石は彼の周りの人に見せはしてもモノは渡してないんだけど」
「いやぁ…まあ…ちょっと…?」
「…はぁ。お願いだからこれから先は何の相談もなく変なことしないでね!」
「肝に銘じます」
コクコク頷く彼に、とりあえず反省してくれるなら良いかと矛を収めた。
しかし我ながら、浮気男に執着男に変な男に捕まるものだと思ったが…執着の方はとりあえず本当に私を幸せにしようという意志だけは感じるのでまあ仕方がないかと男運の悪さは諦めた。
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