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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第106話 紛い物のワイズマン

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3人がベヒーさんに案内され椅子に腰掛けると、ベヒーさんはようやくと言った顔で再び話を始めた。

「実は彼女達は貴方達よりも先にここまでの話を聞いていたのですよ。
そこで、ワイズマンの紛い物について、その行方について追ってもらっていたのです。
今日は貴方達が来ることになっていると予見されていたのでこの時間に来るようにと伝えていたのですよ。
して月の魔女リュナさん、どうでしたか?
彼についての消息など手がかりの方は?」

リュナさんは深いため息をついて一言。

「それがですね…、なんっの手がかりも目撃情報もないんですよ。見つけようにも見つけられない。
まさにそんな感じで…。」
「姉さん達もお父さんの目撃情報を追ってここに来たって感じよね?」
「うん、まぁそんな感じ。と言ってもこっちもまだ何の成果も得られてないんだけど…。
それと合わせて探している赤いコートの人も結局見つけられてないのよね…。」

お互いにハァ…っと深いため息をついて顔を見合わせる。

「おい魔女さん、いや、今はアズマと名乗ってるんだったな。ダンナの世界の言葉で「東」を意味する言葉とか言う理由で。
ま、んなこた今はどうでも良いや。
なんで、うちの旦那につながるかもしれない話を先に聞いておいて連絡なしだったんだよ…。」
「先に話してしまうと先入観が邪魔をして余計な情報に翻弄される恐れがあったからさ。
決して悪気あってのことじゃないよ。それは理解してほしい。
情報を得た上で探す側の私たちと、情報もなく探す君たち側、それぞれの情報を照らし合わせれば少しは近づけるかもしれないと言う浅はかな作戦だったんだが…、まぁ失敗だったようだね…。」
「うちのダンナは、きっとどっかで生きてる…。
今までもそうだった…。そう簡単には死なないし、消えても帰って来てくれた。
だから、今回だってきっと生きてる。今は帰れない理由があるんだ。
だからこそ、オレ達の方から探して見つけて会いに行かなきゃ行けない。」
「そうだね。そう言う話をしてそれぞれに探して旅をしてその間に君達の娘達を育てて15年。
そう、彼への手がかりを何一つ得られることなく15年だ。
そしてようやく、15年の時を経て彼の残したものを受け取り使えるものが現れた。
今はそれが私たちにとっての唯一の手がかりなんだ。
だから、今はひとまずその人を探し出さなきゃいけない。
私はそう考えているよ。」

お父さんの魔導書を手にした老人、その人はお父さん本人じゃない。
だけど、きっとお父さんに繋がる手がかりを何か持っているはず…。

でもそうなら、あの赤いコートの人も一体何者だったんだろう…。

謎は深まるばかりだなぁ…。

「さて、見つからなかったものは仕方ありません。
ひとまず、紛い物の行動経路を予測し直して動くしかありませんかねぇ…。」
「うむ!そうだな!さてどこへ行ってどう動くか…。」
「まぁ人である以上、食事をしなければ生きていけないでしょうし、お金がなければ食事もできないでしょう。
そして彼はこの国の人の言葉も喋れなかった。、
となると、死んでさえいなければどこかでサバイバル生活でもしているかもしれませんね。
例えば、私がかつてワイズマンさんと修行を行ったワイルドボアの生息する山とか…。行かれましたか?」

全員が顔を見合わせて、おおうっ…と言った表情で目元を手で隠す。
ほんとだわ。やっちまったぜ。的な空気である。
それを見てクククククっと笑うあたりベヒーさんは人が悪い。


「た、確かに、そう言われてみると街でしか聞き込みしてなかったし!山!ありかもだね姉さん!」

リィヴェルが私に急に同意を求めてきた、いやあんたそんな急に振られてもだね…。
老人の方も気になるけど、赤いコートの人の方が私は気になってるのだよ…。

「ねぇ、リィヴェル。あんたは赤いコートの人と魔導書を持っていった老人、どっちを追うべきだと思う?」
「私は…そうだなぁ、老人の方かな。
お父さんの残したものを使えるってことが気になるし。
赤いコートの人も確かに気になるんだけど…。」
「そう言えばその方、暴食の琰なる魔法を使っていたそうですね。
クククク…!私ならそちらも気になりますねぇ…。
大罪の力‥本来この世界に二つとない力の筈なのでね。
ヴェルデさん、貴方の先代が託した指輪はまだ保有されていますよね?」
「あぁ、当然だ。ただ、オレには相性が合わないのか力を使いこなせなくてダンナが作ったアクセサリーボックスに入れてあるけどな。」

難しい顔で思案し出すベヒーさん。
少し落ち着かない様子も見て取れる。

「なるほどなるほど…、実は大罪の力は遥か昔にこの世界に突如現れた異世界の力などと呼ばれているのです。
故にこの世界の人間でも適性が現れる者のが稀なのですよ。赤いコートの人は、もしかしたら異世界人だったりするのかも知れませんねぇ…。
だとしたら…クククククっ!実に面白いことになって行きそうだなとワクワクが止まりませんねぇ!
まぁ、ひとまずどちらの方も目撃証言が無いことですし、とりあえず私がワイズマンさんと修行していた山へ行ってみますか。
ひとまず外で待ってる騎士さんに声をかけて来ますね♪」

何故だかわからないが楽しそうに扉を開けるベヒーさん、扉を開けるとそこに居るはずの騎士さんは…。

「たぎる!たぎるぞ!!やはり強者との戦いは胸が躍る!
おや!先程の!話は終わったのですk」

こちらに目を取られてよそ見をした瞬間カイザが脇腹をぶっ刺された。
やーい、ざまぁ。

「いっだ…、脇腹ぐっさり、結構痛っ…。」

目があったのでこれでもかと言うくらいザマァみろって顔で見てやった。

「ひっ…!あの人…!姉さん、どうしてこの人がここにいるの…?」
「どうもこうも、従えさせたって感じ。経緯の説明は一旦省くけど。と言うかここ来る途中でこの場所通らなかったの?」
「あぁ、この部屋は隔離空間のボス部屋ですので、彼女達は別ルートから私の部屋へご招待したんですよ。
さて、騎士さん私の骸骨さんとの戦闘訓練はいかがでしたか?おや?騎士さん?騎士さーーん?」

へんじがない たたのしかばねのようだ

「死んでしまいましたか~♪
はぁ…、私たちをグサグサして遊んだ男が情けない。
ほら、起きろ。いつまでも地面に接吻してんじゃねぇぞゴミムシが。オラ、つま先から回復魔法入りの蹴り食らわしてやんよ。オラ。オラ。」

リィヴェルがあの時の恨みとばかりに傷口の脇腹を蹴り飛ばしながら回復魔法と蘇生魔法をゆっくりかけていく。

恐ろしい子っ!!

「ぐはっ!ちょ、やめ、いきかえっ、生き返りましたから!まっ、いた!ちょ!!ほんと、やめっ、あっ!お礼?お礼ですね!?
ありがとうございます!ありがとうございます!!」

待って待って、なんだか蹴られて喜んでる人みたいになってる。
それで良いのか騎士団長。

「ふぅ、スッキリした♪」

満面の笑顔で私たちへ振り返るリィヴェル。
だめだ、この子は怒らせてはいけない。
そう心に誓った私たちだった。


ひとまず、カイザに軽く礼を言ってから私たちはダンジョンを後にした。

そして、一度中央皇国にもどり、そこから転移門をつかい例の山へと向かうことにしたのだった。
中央皇国に戻るには列車を何度か乗り継ぐことになる。

列車を乗り継ぎ中央皇国へと戻った私たちを待っていたのは、私たちの叔母にあたるこの国のお姫様だった。

「おかえりなさい皆様。アズマから話は聞いています。
それにしても、2人とも大きくなりましたね~♪」

ニコニコと普通に家族のように接してくるお姫様に私達はどう対応すれば良いのかと焦っていると、お母さんが一言。

「そうかしこまるな。お姫様とはいえ、コイツはオレたちの数少ない血縁のある家族の1人なんだからな。
変にかしこまるこたぁねぇよ。な、ヒメ。」
「はい♪2人のヒメおばさまですよ~♪」

お姫様だから「ヒメ」
お父さんの世界の言葉でお姫様を指す言葉らしい。

私たちの国の人たちはお父さんがいなくなった後から、名前を名乗るようになった。

魔女さんが「異世界人語録」という本を作って世に普及させたからだ。
その結果、自分たちの本当の名前と別に「意味のある言葉で作った名前」を名乗るブームが起こったのだ。

要は誰しもがお父さんに憧れたという事だ。

「いや、それでも流石に一国のお姫様にどう接すれば良いかは悩みますよ…。ヒメさん?ヒメ様?それともおばさま??どう呼ぶべきか…。」
「だよね…姉さん…。それが普通の反応なんだよお母さん…。少なくとも私たちはお父さんみたいに偉い人じゃないし…。」
「そうですね、たしかに偉い人ではないですがそれでも私たちは家族なんです。
本当なら貴方たちのお父様の事を私はお義兄様と呼べたかもしれないと思うと…ふへへへ…。」

お姫様と言うか叔母さまは一体どんな妄想をしているんだろう…。
しかしまぁ、一国のお姫様…と言うよりは気さくに話せる家族って言う変な安心感があるのはたしかかなぁ…。

「さて、転移門を用いて北の大地に近い場所にある山奥のダンジョンへ向かうと言う事ですが、くれぐれも怪我には気をつけてくださいね?
あそこのワイルドボアたちはどんどん凶暴化しているそうですから…。」
「わかりました!気をつけます!」
「敬語、使わなくて良いですよ?私のこれはもう癖なので仕方ないですが、貴方たちは家族なんですから。」
「うん、わかった!気をつけて行ってくるね叔母さま!」

私たちはお姫様と言うか叔母さまに挨拶して、転移門へと向かった。
転移門は本来、この国を作ってるレベルの人間やギルドマスター達しか使えない。
私達は本来なら当然使えないんだけど、この人たちと一緒にいると何事もなく使えてしまうと言う事には正直驚いた。

転移門を通ると、そこには沢山の木に囲まれた広大な平原のような場所が広がっていた。

「転移の宝玉は無くすなよ~?転移門を開く時にまた必要になるからな。
さてさて、とりあえず一度ぐるりとここを回ってみるか。
例の爺さんが見つかりゃ良いんだが…。」
「とは言え、そんな都合よくフラフラしてるわけないと思うんだけどなぁ…。簡単に見つかりゃ苦労しないって…。
ね?リィヴェルもそう思わない?」

そう返答を求めるとリィヴェルが森の奥を指さす。
その先に居たのは…。

「どうやら、天は私たちに味方してくれたみたいだけど…、とりあえず助けに行こっか姉さん…。」

ワイルドボアの角に着物を着た老人が引っかかっている。
これはあかん、あかんやつや。

「お、おじいさぁぁぁあんっ!?」

私とリイヴェルはダッシュでワイルドボア目掛けて駆け寄っていった。

器用にツノに着物が引っかかって手足を出せない状態になっているお爺さん。
いったいこの状態で何時間ほど森を引きずられていたんだろうか…。

「とりあえず、ワイルドボアを一旦動けなくしよう!
動かれたらおじいさんが振り飛ばされるかもだし!
リイヴェルはインフィニティブレードで剣の檻をつくって!あとはヴァリアブルソードで私が仕留める!」
「おっけー!姉さん!!行くよ!」

リイヴェルはインフィニティブレードを発動させ上空からワイルドボアを取り囲むように剣を振らせる。
身動き出来なくなったところで、私はヴァリアブルソードを細長い貫通力の高い長槍へと変形させ眉間めがけて一気に突き立てた。

「へぇ、なかなかやるようになってるじゃん。
よくぞ育ててくれたなエステレラ。」
「だろ!リィンはさ、自分を卑下する癖があるが素質や頭のキレはあの人譲りだよ。間違いなくな!」

苦痛の叫びもなく一撃でワイルドボアを葬った私たちは、ツノに引っかかったお爺さんをツノから外して救出する事に成功した。
まぁそれにしても、こんな所にこんなご老人が1人。
普通ならあり得ないし、多分この人が私たちが探してたおじいさんで合ってるよね?

そうで合って欲しいなぁ…。

「おじいさん、怪我はない?立てる?」
「………?……。」

おじいさんはすくっと立ち上がると、腕をぐるぐる回したり腰を捻ったりして何ともないぞアピールをしてくる。
そして、手のひらをビシッと私たちの方へ向けるとその場から立ち去ろうとした。

「おじいさん!待って!話があるの!」

しかし、おじいさんが全力でダッシュしようとしたその瞬間、今度は青白く光る大きないかつい腕がおじいさんをつかんだ。

「お、おおお、おじいさぁぁぁあんっ!?」
「ふぅ、危ない危ない、また逃げられる所だった。
貴方は…もしかしてリィン?久しぶりね!」

おじいさんを掴んだ大きな腕がそのまま形を変えて筋肉ムキムキの不動明王に変化した。
この技、見覚えがある。
こんな技を使えるのはこの人しかしない。

「焔の騎士、アリファーンさん!お久しぶりです!」
「うんうん!リィンにリィヴェルにエステレラにヴェルデにリュナにアズマさんまで!みんな久しぶりだね!
と、おじいさん!あばれないで!別に襲おうとか殺そうとかそんなじゃないから!!いい加減話させてよ~っ!」

ムキムキ不動妙王の腕にガッチリと抱擁されるようにホールドされてるおじいさん。
その腕から逃げ出そうともがくものの、どうにも抜け出せない様子。

「あの人の魔導書を持っていったお爺さんを探して見つけ出して数日…。
巧みに逃げられて、ようやく捕まえて今に至る訳なんだけど、話そうとしてもすぐ逃げられちゃって…。
貴方達に連絡取ろうにも目を離すとすぐにどこいったかわからなくなるから大変だったのよ…。」
「ふむふむ…。なるほどね。
このおじいさん、もしかして私たちの言葉が通じてないんじゃないかな?だから敵にしか思えなくて暴れてるのかも…。
思考も一切読み取れないし、記憶にも介入できない。
もしかしたら異世界人かも知れないね…。
直接話してみよう、とりあえずそのまま…。」

アズマさんがおじいさんの額に手を触れて、念話での会話を試みようとする。

『大勢で取り囲んですまない。だが、私達は決して貴方の敵ではないよ。私達はただ貴方とお話がしたいだけなんだ。落ち着いて話を聞いてくれるかい?』
『あぁ?頭の中に直接声を届けてんのか…。
それと…日本語…だな。漸くまともに会話できそうなやつに出会えたか…。やれやれだぜ。おい女。
お前、日本語での会話はこのやり方でしか出来ねぇのか?』

アズマさんがおじいさんの額から手を離すと、私たちが聞き慣れない言語でおじいさんに話しかけ始めた。

「やっぱりか…。私は日本語で喋られるよ。
何せ、この世界に来た異世界人の記憶から独学で覚えたからね。」
「そうか、そいつぁ助かる。なら、そこの戦士の小娘に一言言ってくれ。
この手を離せってな。」
「貴方が私たちと会話してくれる意思があるなら伝えるよ。」
「ケッ、心配しなくても言葉が通じる相手にゃ応じるさ。」

アズマさんがアリファーンさんに拘束を解くように指示する。
おじいさんは深いため息をついて、その場にどかっとあぐらをかいて座りだした。

「ったく…、やれやれだぜ…。
見ての通りこの爺さんは丸腰だ。テメェらに手出しするつもり別にねぇ。だってのに、そこの猪仕留めて飯にしようとしてりゃその隙をついて俺を捕まえようとしてきやがる…。
油断して猪の親のツノに引っかかった時はマジで肝が冷えたぜ…。
そっちの戦士のお嬢ちゃん、ありがとな。
こっちの小娘と違ってお前はいいやつそうだな。」

おじいさんが何と話してるかがよくわからないので、アズマさんが私に会話内容を翻訳して伝えてくる。
こう言う時はお父さんの世界の言葉でこう言うんだよと教えてもらった。

「ドウイタシマシテ!」
「おう、さて…。漸く日本語で会話できる奴と出会えた事だし俺からも色々と聞かせてもらおうかね…。
とりあえずここが日本でもあの世でもなさそうな事は察したが…。まぁまずはこの本についてだな。」

おじいさんは着物の袖から、お父さんが作った魔導書を取り出してこう言った。

「この本にゃこう書かれてやがった。
【この本を手に取り、文字を読めると言う事、この本の中身を取り出せる者。
それは貴方がワイズマンである証である。】ってな。
まずはそのワイズマンって奴のことを聞かしてもらえるか?
とりあえず、俺は紛い物って事になるだろうからな。
少しはそのワイズマンとやらになってやろうじゃねぇかと思ってな。」
「喜んで!ワイズマンことこの世界で私が出会ったはじめての異世界人であり日本人である彼の事、ぜひ聞かせてあげようじゃないか!歓迎するよ。
そう言えば、貴方の名前は?」

アズマさんが名前を聞くと、お爺さんは首を横に振った。

「それがだな…、この世界に来る以前の記憶がかなり欠落しててな…。名前すら思い出せねぇんだ…。
とりあえず、今はこう名乗っておくか。

【オキナ】

俺の世界でジジィを意味する言葉の一つだ。
ジジィとかおじいさんって呼ばれるよりゃ、幾分マシだ。悪りぃがそう呼んでくれるか?」
「うん、わかったよオキナ。私はアズマ。
元々は【東の魔女】と呼ばれていた異世界人を研究していた者だ。以後宜しく。」
「あぁ、頼りにさせてもらうぜ?魔女さん。」
「ふふ…、魔女さん…か。久しく懐かしい響きだね。
さて行こうかオキナ。私たちの街へ招待するよ。
そこでゆっくりと話をしよう。」

こうして、黒いデニム生地の着物と青いデニム生地の羽織に身を包み、目元を黒い色のついたレンズの眼鏡で隠した白髪頭のおじいさん。
オキナさんが私たちの仲間になった。

そして、この出会いが私たちの運命を大きく変えるきっかけだった事を今の私たちは知る由もないのだった。
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