121 / 137
ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。
第92話 キカイなコウモリ男
しおりを挟む
みんなで一斉に城へと転移し、皇女殿下の王室へと侵入するが弾かれてしまった。
おそらく、転移門自体を塞がれたのだろう。
とは言え、もはやまともに城に行くのもクソ面倒なのでひとまず皇国ギルドに移動する。
「来ると思っていましたよ皆様。お早い決断で助かりました…。」
「皇国のギルマスさん、様子からするに事情は把握してる感じかな?」
「えぇ。皇女殿下が城を離れたタイミングで、城は完全に敵の手に落ちました。
城に居た騎士団達も皆オーガノイドに変えられています。
自我が無くなるのは時間の問題でしょう。
ですので、あなた達が早急に来てくれた事は実に助かりました。私の不手際です…。
あっという間の出来事でした…。
たまたま滞在していたA級およびS級冒険者の一部と共に城に向かいましたが…、皆軽くあしらわれその場で敵の手に落ちました。
私はなんとか洗脳を受ける前に逃げられましたが…。
このオーガノイドの石は厄介ですね。
破壊しようとしても心臓に直結しているために、自害せざるを得ないなと今苦悩していたところです。」
ギルマスさんが胸元をバサッとはだける。
「すみません野郎の胸板とか興味ないんでやめてもらえます?」
「こちらこそすみません。状況的に察してますよね?今冗談言う空気でした?僕のこの雄っぱいを見てください!!」
「早くその汚い乳首しまってくれよ。黒ずみすぎて硬くなってんじゃん。」
「えぇ、ですからオーガノイドの乳首…じゃない、オーガノイドの核石を埋め込まれてしまったのですよ。
と言うわけで切り離していただけますか?自我のあるうちに。」
勇者ちゃんが前に出ると、白髪の騎士の姿へと変身し剣先で軽く石を突き破壊して行く。
「早くその汚いものをしまってくれるかギルマス。私はあなたの乳首を見るくらいなら大賢者の乳首を見て触って吸って舐め回したいぞ!」
「勇者ちゃんステイ。」
「わんっ!」
「よーしよしよし。そのままジッとしていてくれ。」
しかしまぁ、あっさりとオーガノイドの核石のみを粉砕しおる…。
さすがは勇者だ。
「いやぁ…助かりましたよ。最悪、ベヒーさんに一思いに痛みもないまま殺してもらおうと思っていたので。」
「いやぁ…俺も勇者ちゃんがこうも瞬殺できる力量があることに驚いたよ。」
「オーガノイドの核石が露出していたからな!
その場合は神気を流し込めば核石だけ破壊できるのだ!勢いが良すぎると心臓もグサッとやりかねないけどな!」
「あなたの力量が神業レベルで助かりましたよ…。
ご丁寧に破壊と同時に治癒魔法までかけて頂いて…。」
また脱ごうとしたのでド突いて止める。
「もうええわ。さてと城に転移できなった時点で色々覚悟はしていたが…、街中にはオーガノイドは発生していない雰囲気か?」
「えぇ。今のところは…。そのかわり、城内はどうなっているか…。敵は貴方を討つ事を持って我が国への完全な宣戦布告とでも思っているんでしょうかね?」
「うーーーーーーん……。ねぇ皇女殿下。」
「だめですよ。」
「まだ何も言ってない。」
「城ごと敵を全部吹っ飛ばしていい?明日から俺と一緒のベッドで寝ていいからという提案は大変魅力的ですが…。」
「そこまで言ってねぇよ。だよなぁ。城ごとぶっ飛ばすのはNGよなぁ…。」
一体何人のオーガノイドを相手にせにゃならんのか…。
「まぁ、量産型の敵なんか速攻で倒せるだろうが、城無傷でってのは無理だろう…。
マオちゃんとき見たくあとで直すとかじゃダメ?」
「おいマスター!それ直すのワシだろう!?あれ結構大変なんだぞ!それはノー!ノープランだ!」
ちっ…。だめか…。
楽したかったのに…。
「あとほら…。そんなにあっさり倒せたら敵も立場ないだろう…。あっちは間違いなく調子乗ってるぞ…。」
「だから良いんじゃねぇか…。ミロちゃん。
城を一切破壊する事なく城内で万の軍勢を瞬殺する大規模攻撃は可能か?」
『はい。十分可能です。城そのものを使えばよろしいかと。城には強度確保のために内部に鉄骨が張り巡らされています。
無論、通常は魔法障壁に保護されており外部から内部に至る魔法など当然使えません。ですが、雷帝の力があれば障壁を突破し、内部の雑魚を瞬殺、核石の破壊は余裕です。ご安心を。私が貴方をサポートします。』
「!?何それ賢者!ブレスレットが喋ってる!面白い!」
戦士ちゃんが珍しくテンション上がってる。
「あぁ。魔鉄鋼のチャームと革紐を神牛系モンスターのに変えたらこの通り。パワーアップして喋るようになったんだ。」
「へぇー。面白いね!ミロちゃんっていうの?」
『正確には弥勒です。ご自由にお呼びいただいて構いませんよ。戦士様。」
「よろしくねミロク。貴方も私たちの仲間だね!」
『そのように認識頂けるのは大変光栄です。
では、この後の戦いも張り切っていきましょう。』
さて、そいじゃぁ城へ乗り込もうとしますかねぇ。
「うっし!城まではいつも通り俺様が運べば良いよなマスター!いつも通り荷台だけ頼む!」
てな訳でいつも通り広いところでバイクを変形させ荷台を生成し、変身したケロちゃんに繋ぎ城まで一気に駆け抜けてもらった。
3分もかからず到着できるスピードなのは最高である。
城門前の段階でオーガノイドが複数待ち構えていた。
「ふむ…。まぁ、予想はしていたが…。多いな。
というか城門から城の入り口にかけてこれだけ居るとはなぁ…。仕方ない…。一気に吹っ飛ばすか。
ミロちゃん、制御を頼む。」
俺は雷帝にすぐさま変身し空中浮遊すると、雷の塊を複数生成する。
そして、雷の塊から一気に地上の雑魚オーガノイドの群れめがけて白い雷光を落として行く。
辺り一面に耳をつんざく轟音が響くと、オーガノイドの群れは見事にただの人間に戻っていた。
「よっし、次は城の外壁を通して内側の雑魚どもを…。」
『スキル 感覚強化を発動します。壁に手を触れてください。電磁ノイズと超音波の変化を利用し、城内の視覚を生成します…。成功しました。』
「おぉ…。すげぇもんだな。城の内部が手に取るように感じ取れる。なるほど…。どこにどんな敵がいるかも丸わかりだな。さて…、とりあえず速攻で潰せる雑魚だけは白雷でさっさと人に戻しちまうか…。」
そのまま城の外壁を通して城内にいる雑魚ども一気に白雷で仕留めようとする。
「めんどくせぇな…。城を量子分解しないレベルで城の中をすり抜けるような大規模な雷とか撃てねぇかな…。」
『雷帝では無理です。ですが、霊的な炎を操る炎皇と雷帝のハイブリッドモード、火雷神であれば可能です。』
「おいおい。最初からそれで良かったじゃないか…。」
『…………。提案されませんでしたので。』
「自分のせいじゃないってか!?まったく…。まぁ良いや。やれるよなミロちゃん。」
『当然ですマスター。火雷神モードを起動します。』
ファイアクォーツを発動させ全身に赤い炎の文様が入った火雷神モードに変身した俺は、インフィニティブレードに炎と雷の神気を纏い、城丸ごと斬り飛ばせるサイズの大剣を生成する。
「俺は面倒なことが大っ嫌いなんでな。さっさと終わらせて帰って大好きな子とイチャイチャさせてもらうぞ?
オラァァァアアッ!!」
ブォンブォンブォンッと空中で剣を三連撃。
「何か大きいのが来ますね。我等がクロ、そして幹部の皆様方。変身なさっておいてください。石を破壊されないようにね。まぁ、この王室にいるものは問題ないでしょうが…。」
ローブの男は特殊な防御障壁魔法を展開して攻撃に備える。
斬撃は城の城壁をすり抜け、城の内部にいる雑魚オーガノイド達をいとも容易く浄化し蹴散らしていった。
「デタラメですねぇ…。流石は大賢者様です。
いくら使い捨ての雑魚とはいえ、近衛騎士団オーガノイド軍団がこうも容易く全滅となると私もいささかショックですよ。さて…。皆さん、彼らを迎え撃つ準備は如何でしょう?すぐにでも来ますよぉ?」
「まずは俺が行こう。大賢者…。調子に乗ってる奴に一発入れてみたいんでな!」
「えぇ、では頼みますよ。バット。」
バットと呼ばれた男が王室を出て行く。
「さぁて…。コウモリの力を使えばわざわざ変身しなくても敵の居場所くらいはわかるもんだが…わかる…もんだが…。あいつら…緊張感なさ過ぎんだろ…。
国家の一大事だってのがわかってんのか…。
しかも戦力外の姫様同伴って…。
っかぁー!俺ら舐められ過ぎだろう!!」
「あぁ。舐めてるよ。だからお前は今、オレが後ろにいる事にすら気付けず首元にナイフを突きつけられてるんだ。ご主人様の意向で命を取る気はない。
引いてくれ。」
「おーい…マジかよ…。やるねぇお嬢ちゃん。オジさんびっくりだよ。ただ、流石にこのまま負けたら恥ずかしいからさ、せめて変身はさせて貰うよ?」
バットが石を発動させて、大量の小さいコウモリに変身してナイフから抜けると、小さいコウモリがあつまり、コウモリの仮面を纏ったスラッとした燕尾服の執事のような見た目に変身する。
「おぉい…なんだこの見た目は…。オジさんこんな姿になるなんて聞いてねぇぞ…。まぁ良いや。悪いなお嬢ちゃん、せっかくなんで力を試させてくれよ。まだろくに使ったことなくてよ。」
「自我がハッキリしてる…。ドール屋さんと同じで力を制御しているのか…。」
「あぁ。幹部クラスにだけは石に力を制御するためのフレームがつけられている。
つっても、幹部なんてまだ俺以外にはスパイダーとスカル、後はクロしかいねぇけど…。」
盗賊がナイフを構える。
「クロ…ってのは雷帝のことか?すると…スカルがローブの男か。」
「ご名答!頭良いねぇお嬢ちゃん!
名前の割にやることが頭悪い大賢者さんとは大違いだ。
流石にさっきの3連撃はビビったぜ。
雑魚どもは一気にやられちまったからな。
さてと…んじゃそろそろ、オジさんと遊ぼうぜ?お嬢ちゃん。」
「1つ聞かせてくれ。アンタがその力を手に入れてあいつの配下にいるのはアンタの意思なのか?」
多分仮面の奥でキョトンとした顔をしたであろうバット。
バットは笑いながら語り出す。
「ハハハハハハっ!その考えを持ってるってこたぁ、クロとスパイダーに関しては察してるってことか。
その通り。これは俺の意思だ。オジさんはな。
もうずっと何年もA級冒険者やってんだ。
S級スキルに目覚めなくてこうやってずっとな。
知ってるぜぇ?大賢者様のところのお嬢さん方はアンタも含めてS級スキル持ちの強者だってな。
だからよ、オジさんも手っ取り早く強くなりたくてつい力に手を伸ばしちまったわけだ。
他の拒絶した連中は雑魚として利用され、俺みたいに求めた奴は幹部に。
まぁ、オジさんも適当なところで離反するつもりなんだけどな。」
「そうか。なんだ、アンタ本当は良い人なんだな。
なんか戦いたくなくなって来た。」
バットも武器らしい武器は大して構えていない。
「そうか。お嬢ちゃんを見ててわかった。大賢者様も結構良い奴みたいだな。だが、お嬢ちゃん。
スカルの野郎がどこからどう見てるかわからない。
とりあえず、戦ってるフリだけでもしてくれ。
オジさんはすぐにやられたー!ってやるから。
なんつーか、やっぱダメだ。お嬢ちゃんみたいなお子様相手にまともに戦えってのが無理だ。
ま、だからこそA級で何年もくすぶってたのかもだけどな。
とりあえずだ、俺を倒したらさっさと王室へ向かえ。
そんで、スカルに操られてるスパイダーの嬢ちゃんとクロの坊主を助け出してやってくれ。
あんなクソ野郎に利用されたままなんて、可哀想だからな。」
「オジさん、やっぱ良い奴だな。わかったよ。
とりあえず…サッと倒させてもらうぞ?」
盗賊が両手に悪魔の腕を纏い、全身を黒い影で覆って行く。
首に巻いたマフラーも影により悪魔の翼のように変質していく。
「ウカノミタマノカミ!!」
そして、ウカノミタマノカミを降ろすと、ふさふさの尻尾と狐耳が生え、黒い影から白い狐の獣人のような姿をした盗賊が現れる。
なお、その両手は白い獣の腕に変化し、首のマフラーも白い翼へと変質していた。
「うーん、同時に発動するとこうなるのか…。禍々しさは何処へやら…だな…。まぁ良いか。」
「へぇ、随分と可愛らしいじゃねぇか。なでなでしてやろうか?」
「オレを撫でて良いのはご主人様だけだぜ?」
そう言うと俊敏な動きで、バットへと一撃を入れようと高速移動を開始する盗賊。
だが、しかし近づいた瞬間足払いで転ばされてしまった。
「おいおい。こんなもんか?俺のコウモリの力は万能でな。超音波の変化で敵さんの位置や距離が手に取るようにわかる。
あと、超音波ってすげぇんだぜ?
こう、ナイフに超音波を流しながら振り回すとだな…。」
背中から取り出したナイフを超音波で微細振動させながら、城の壁を斬りつける。
「とまぁこんな感じで、バターみたいに割となんでもサクサク切れるんだよ。それを応用したおじさんの必殺技がこれだ。」
ポケットから小さな小瓶を取り出す。
小瓶の中には大量の鋭利なガラス片が入っていた。
「当たると死ぬぞ?お嬢ちゃん。ちゃんと避けてくれよ。」
その中身を空中にばらまくと、コウモリの能力で空中で超音波振動させ、弾丸のような速度で高速で放ってくる。
「避けろって…こんな濃い弾幕と速度じゃかわせるかよ!」
そして、大量のガラス片が盗賊へと迫るのであった。
おそらく、転移門自体を塞がれたのだろう。
とは言え、もはやまともに城に行くのもクソ面倒なのでひとまず皇国ギルドに移動する。
「来ると思っていましたよ皆様。お早い決断で助かりました…。」
「皇国のギルマスさん、様子からするに事情は把握してる感じかな?」
「えぇ。皇女殿下が城を離れたタイミングで、城は完全に敵の手に落ちました。
城に居た騎士団達も皆オーガノイドに変えられています。
自我が無くなるのは時間の問題でしょう。
ですので、あなた達が早急に来てくれた事は実に助かりました。私の不手際です…。
あっという間の出来事でした…。
たまたま滞在していたA級およびS級冒険者の一部と共に城に向かいましたが…、皆軽くあしらわれその場で敵の手に落ちました。
私はなんとか洗脳を受ける前に逃げられましたが…。
このオーガノイドの石は厄介ですね。
破壊しようとしても心臓に直結しているために、自害せざるを得ないなと今苦悩していたところです。」
ギルマスさんが胸元をバサッとはだける。
「すみません野郎の胸板とか興味ないんでやめてもらえます?」
「こちらこそすみません。状況的に察してますよね?今冗談言う空気でした?僕のこの雄っぱいを見てください!!」
「早くその汚い乳首しまってくれよ。黒ずみすぎて硬くなってんじゃん。」
「えぇ、ですからオーガノイドの乳首…じゃない、オーガノイドの核石を埋め込まれてしまったのですよ。
と言うわけで切り離していただけますか?自我のあるうちに。」
勇者ちゃんが前に出ると、白髪の騎士の姿へと変身し剣先で軽く石を突き破壊して行く。
「早くその汚いものをしまってくれるかギルマス。私はあなたの乳首を見るくらいなら大賢者の乳首を見て触って吸って舐め回したいぞ!」
「勇者ちゃんステイ。」
「わんっ!」
「よーしよしよし。そのままジッとしていてくれ。」
しかしまぁ、あっさりとオーガノイドの核石のみを粉砕しおる…。
さすがは勇者だ。
「いやぁ…助かりましたよ。最悪、ベヒーさんに一思いに痛みもないまま殺してもらおうと思っていたので。」
「いやぁ…俺も勇者ちゃんがこうも瞬殺できる力量があることに驚いたよ。」
「オーガノイドの核石が露出していたからな!
その場合は神気を流し込めば核石だけ破壊できるのだ!勢いが良すぎると心臓もグサッとやりかねないけどな!」
「あなたの力量が神業レベルで助かりましたよ…。
ご丁寧に破壊と同時に治癒魔法までかけて頂いて…。」
また脱ごうとしたのでド突いて止める。
「もうええわ。さてと城に転移できなった時点で色々覚悟はしていたが…、街中にはオーガノイドは発生していない雰囲気か?」
「えぇ。今のところは…。そのかわり、城内はどうなっているか…。敵は貴方を討つ事を持って我が国への完全な宣戦布告とでも思っているんでしょうかね?」
「うーーーーーーん……。ねぇ皇女殿下。」
「だめですよ。」
「まだ何も言ってない。」
「城ごと敵を全部吹っ飛ばしていい?明日から俺と一緒のベッドで寝ていいからという提案は大変魅力的ですが…。」
「そこまで言ってねぇよ。だよなぁ。城ごとぶっ飛ばすのはNGよなぁ…。」
一体何人のオーガノイドを相手にせにゃならんのか…。
「まぁ、量産型の敵なんか速攻で倒せるだろうが、城無傷でってのは無理だろう…。
マオちゃんとき見たくあとで直すとかじゃダメ?」
「おいマスター!それ直すのワシだろう!?あれ結構大変なんだぞ!それはノー!ノープランだ!」
ちっ…。だめか…。
楽したかったのに…。
「あとほら…。そんなにあっさり倒せたら敵も立場ないだろう…。あっちは間違いなく調子乗ってるぞ…。」
「だから良いんじゃねぇか…。ミロちゃん。
城を一切破壊する事なく城内で万の軍勢を瞬殺する大規模攻撃は可能か?」
『はい。十分可能です。城そのものを使えばよろしいかと。城には強度確保のために内部に鉄骨が張り巡らされています。
無論、通常は魔法障壁に保護されており外部から内部に至る魔法など当然使えません。ですが、雷帝の力があれば障壁を突破し、内部の雑魚を瞬殺、核石の破壊は余裕です。ご安心を。私が貴方をサポートします。』
「!?何それ賢者!ブレスレットが喋ってる!面白い!」
戦士ちゃんが珍しくテンション上がってる。
「あぁ。魔鉄鋼のチャームと革紐を神牛系モンスターのに変えたらこの通り。パワーアップして喋るようになったんだ。」
「へぇー。面白いね!ミロちゃんっていうの?」
『正確には弥勒です。ご自由にお呼びいただいて構いませんよ。戦士様。」
「よろしくねミロク。貴方も私たちの仲間だね!」
『そのように認識頂けるのは大変光栄です。
では、この後の戦いも張り切っていきましょう。』
さて、そいじゃぁ城へ乗り込もうとしますかねぇ。
「うっし!城まではいつも通り俺様が運べば良いよなマスター!いつも通り荷台だけ頼む!」
てな訳でいつも通り広いところでバイクを変形させ荷台を生成し、変身したケロちゃんに繋ぎ城まで一気に駆け抜けてもらった。
3分もかからず到着できるスピードなのは最高である。
城門前の段階でオーガノイドが複数待ち構えていた。
「ふむ…。まぁ、予想はしていたが…。多いな。
というか城門から城の入り口にかけてこれだけ居るとはなぁ…。仕方ない…。一気に吹っ飛ばすか。
ミロちゃん、制御を頼む。」
俺は雷帝にすぐさま変身し空中浮遊すると、雷の塊を複数生成する。
そして、雷の塊から一気に地上の雑魚オーガノイドの群れめがけて白い雷光を落として行く。
辺り一面に耳をつんざく轟音が響くと、オーガノイドの群れは見事にただの人間に戻っていた。
「よっし、次は城の外壁を通して内側の雑魚どもを…。」
『スキル 感覚強化を発動します。壁に手を触れてください。電磁ノイズと超音波の変化を利用し、城内の視覚を生成します…。成功しました。』
「おぉ…。すげぇもんだな。城の内部が手に取るように感じ取れる。なるほど…。どこにどんな敵がいるかも丸わかりだな。さて…、とりあえず速攻で潰せる雑魚だけは白雷でさっさと人に戻しちまうか…。」
そのまま城の外壁を通して城内にいる雑魚ども一気に白雷で仕留めようとする。
「めんどくせぇな…。城を量子分解しないレベルで城の中をすり抜けるような大規模な雷とか撃てねぇかな…。」
『雷帝では無理です。ですが、霊的な炎を操る炎皇と雷帝のハイブリッドモード、火雷神であれば可能です。』
「おいおい。最初からそれで良かったじゃないか…。」
『…………。提案されませんでしたので。』
「自分のせいじゃないってか!?まったく…。まぁ良いや。やれるよなミロちゃん。」
『当然ですマスター。火雷神モードを起動します。』
ファイアクォーツを発動させ全身に赤い炎の文様が入った火雷神モードに変身した俺は、インフィニティブレードに炎と雷の神気を纏い、城丸ごと斬り飛ばせるサイズの大剣を生成する。
「俺は面倒なことが大っ嫌いなんでな。さっさと終わらせて帰って大好きな子とイチャイチャさせてもらうぞ?
オラァァァアアッ!!」
ブォンブォンブォンッと空中で剣を三連撃。
「何か大きいのが来ますね。我等がクロ、そして幹部の皆様方。変身なさっておいてください。石を破壊されないようにね。まぁ、この王室にいるものは問題ないでしょうが…。」
ローブの男は特殊な防御障壁魔法を展開して攻撃に備える。
斬撃は城の城壁をすり抜け、城の内部にいる雑魚オーガノイド達をいとも容易く浄化し蹴散らしていった。
「デタラメですねぇ…。流石は大賢者様です。
いくら使い捨ての雑魚とはいえ、近衛騎士団オーガノイド軍団がこうも容易く全滅となると私もいささかショックですよ。さて…。皆さん、彼らを迎え撃つ準備は如何でしょう?すぐにでも来ますよぉ?」
「まずは俺が行こう。大賢者…。調子に乗ってる奴に一発入れてみたいんでな!」
「えぇ、では頼みますよ。バット。」
バットと呼ばれた男が王室を出て行く。
「さぁて…。コウモリの力を使えばわざわざ変身しなくても敵の居場所くらいはわかるもんだが…わかる…もんだが…。あいつら…緊張感なさ過ぎんだろ…。
国家の一大事だってのがわかってんのか…。
しかも戦力外の姫様同伴って…。
っかぁー!俺ら舐められ過ぎだろう!!」
「あぁ。舐めてるよ。だからお前は今、オレが後ろにいる事にすら気付けず首元にナイフを突きつけられてるんだ。ご主人様の意向で命を取る気はない。
引いてくれ。」
「おーい…マジかよ…。やるねぇお嬢ちゃん。オジさんびっくりだよ。ただ、流石にこのまま負けたら恥ずかしいからさ、せめて変身はさせて貰うよ?」
バットが石を発動させて、大量の小さいコウモリに変身してナイフから抜けると、小さいコウモリがあつまり、コウモリの仮面を纏ったスラッとした燕尾服の執事のような見た目に変身する。
「おぉい…なんだこの見た目は…。オジさんこんな姿になるなんて聞いてねぇぞ…。まぁ良いや。悪いなお嬢ちゃん、せっかくなんで力を試させてくれよ。まだろくに使ったことなくてよ。」
「自我がハッキリしてる…。ドール屋さんと同じで力を制御しているのか…。」
「あぁ。幹部クラスにだけは石に力を制御するためのフレームがつけられている。
つっても、幹部なんてまだ俺以外にはスパイダーとスカル、後はクロしかいねぇけど…。」
盗賊がナイフを構える。
「クロ…ってのは雷帝のことか?すると…スカルがローブの男か。」
「ご名答!頭良いねぇお嬢ちゃん!
名前の割にやることが頭悪い大賢者さんとは大違いだ。
流石にさっきの3連撃はビビったぜ。
雑魚どもは一気にやられちまったからな。
さてと…んじゃそろそろ、オジさんと遊ぼうぜ?お嬢ちゃん。」
「1つ聞かせてくれ。アンタがその力を手に入れてあいつの配下にいるのはアンタの意思なのか?」
多分仮面の奥でキョトンとした顔をしたであろうバット。
バットは笑いながら語り出す。
「ハハハハハハっ!その考えを持ってるってこたぁ、クロとスパイダーに関しては察してるってことか。
その通り。これは俺の意思だ。オジさんはな。
もうずっと何年もA級冒険者やってんだ。
S級スキルに目覚めなくてこうやってずっとな。
知ってるぜぇ?大賢者様のところのお嬢さん方はアンタも含めてS級スキル持ちの強者だってな。
だからよ、オジさんも手っ取り早く強くなりたくてつい力に手を伸ばしちまったわけだ。
他の拒絶した連中は雑魚として利用され、俺みたいに求めた奴は幹部に。
まぁ、オジさんも適当なところで離反するつもりなんだけどな。」
「そうか。なんだ、アンタ本当は良い人なんだな。
なんか戦いたくなくなって来た。」
バットも武器らしい武器は大して構えていない。
「そうか。お嬢ちゃんを見ててわかった。大賢者様も結構良い奴みたいだな。だが、お嬢ちゃん。
スカルの野郎がどこからどう見てるかわからない。
とりあえず、戦ってるフリだけでもしてくれ。
オジさんはすぐにやられたー!ってやるから。
なんつーか、やっぱダメだ。お嬢ちゃんみたいなお子様相手にまともに戦えってのが無理だ。
ま、だからこそA級で何年もくすぶってたのかもだけどな。
とりあえずだ、俺を倒したらさっさと王室へ向かえ。
そんで、スカルに操られてるスパイダーの嬢ちゃんとクロの坊主を助け出してやってくれ。
あんなクソ野郎に利用されたままなんて、可哀想だからな。」
「オジさん、やっぱ良い奴だな。わかったよ。
とりあえず…サッと倒させてもらうぞ?」
盗賊が両手に悪魔の腕を纏い、全身を黒い影で覆って行く。
首に巻いたマフラーも影により悪魔の翼のように変質していく。
「ウカノミタマノカミ!!」
そして、ウカノミタマノカミを降ろすと、ふさふさの尻尾と狐耳が生え、黒い影から白い狐の獣人のような姿をした盗賊が現れる。
なお、その両手は白い獣の腕に変化し、首のマフラーも白い翼へと変質していた。
「うーん、同時に発動するとこうなるのか…。禍々しさは何処へやら…だな…。まぁ良いか。」
「へぇ、随分と可愛らしいじゃねぇか。なでなでしてやろうか?」
「オレを撫でて良いのはご主人様だけだぜ?」
そう言うと俊敏な動きで、バットへと一撃を入れようと高速移動を開始する盗賊。
だが、しかし近づいた瞬間足払いで転ばされてしまった。
「おいおい。こんなもんか?俺のコウモリの力は万能でな。超音波の変化で敵さんの位置や距離が手に取るようにわかる。
あと、超音波ってすげぇんだぜ?
こう、ナイフに超音波を流しながら振り回すとだな…。」
背中から取り出したナイフを超音波で微細振動させながら、城の壁を斬りつける。
「とまぁこんな感じで、バターみたいに割となんでもサクサク切れるんだよ。それを応用したおじさんの必殺技がこれだ。」
ポケットから小さな小瓶を取り出す。
小瓶の中には大量の鋭利なガラス片が入っていた。
「当たると死ぬぞ?お嬢ちゃん。ちゃんと避けてくれよ。」
その中身を空中にばらまくと、コウモリの能力で空中で超音波振動させ、弾丸のような速度で高速で放ってくる。
「避けろって…こんな濃い弾幕と速度じゃかわせるかよ!」
そして、大量のガラス片が盗賊へと迫るのであった。
0
お気に入りに追加
197
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

目覚めれば異世界!ところ変われば!
秋吉美寿
ファンタジー
体育会系、武闘派女子高生の美羽は空手、柔道、弓道の有段者!女子からは頼られ男子たちからは男扱い!そんなたくましくもちょっぴり残念な彼女もじつはキラキラふわふわなお姫様に憧れる隠れ乙女だった。
ある日体調不良から歩道橋の階段を上から下までまっさかさま!
目覚めると自分はふわふわキラキラな憧れのお姫様…なにこれ!なんて素敵な夢かしら!と思っていたが何やらどうも夢ではないようで…。
公爵家の一人娘ルミアーナそれが目覚めた異なる世界でのもう一人の自分。
命を狙われてたり鬼将軍に恋をしたり、王太子に襲われそうになったり、この世界でもやっぱり大人しくなんてしてられそうにありません。
身体を鍛えて自分の身は自分で守ります!

婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる