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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第65話 いつもの日常。

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「ふぁ…っ…んっ…そんなにスリスリしちゃダメだって…っていうか…抱きしめ過ぎ…っ…ンンッ…なでなでもそんなにされると…まずい…からぁ…っ」

最近は寝るときはもっぱらこうだ。

盗賊ちゃんを胸枕で寝かせる。
そして優しく頭を撫でながら頬擦りしつつ抱きしめる。
程よい肉つきが堪らない。ぐへへへ…。

「もぉ…この、ロリコン…。嫌じゃないけど…激し過ぎると…その…色々と催すから…。」
「なんじゃー?えろがきー?なにを催すのだー?ほぉれ、言うてみぃ~?魔王様の前で言うてみぃ~?遠慮せず~。ほぉれほぉれ~?」

マオちゃんは魔族特有なのか何なのか、彼女いわく俺が強くなればなるほど惚れてしまうらしい。
と言うわけでなぜか部屋から追い出しても自分専用の転移魔法でいつのまにかベッドに入り込んでくるのだ…。

「だぁあっ!ちくしょう!このクソ魔王!
お前は何でオレとご主人様の愛の添い寝の邪魔をするんだよ!他のみんなはちゃんとわきまえてくれてるのに!」
「それはお前…ほら…。わし魔王だし。」
「理由になってねぇ!理不尽すぎんだろちくしょう!」

ベッドの中で俺越しにほっぺツンツン攻撃で喧嘩するあたりこの子達は本当にかわいい。

「と言うか、大賢者は実際どうなのだ?
お姉さんオーラ全開の巨乳の美魔女に、銀髪ロリっ子の魔法使い、ツンデレで程よく出るとこ出てきたいわゆる食べ頃のギャルに褐色の肌が眩しい金髪ツインテ赤目のロリっ子…。正妻以外にも選り取り見取りだろう。つまみ食いせぬのかー?」
「つまみ食いって…。俺は基本一途なの。」

盗賊ちゃんをむぎゅーすりすりーっとするとまた彼女はやぁぁあんっと照れながら悶える。

「またまたぁ~?ワシの乳首チラっ攻撃には視線が釘付けだし、魔女やリヴァイアと話していても目線はだんだん胸元へ…。勇者と戦士が戦ってるのを後ろで見てるときは常に尻を追ってるではないか?
魔王様の魔眼は誤魔化せんのだぞ!」
「…………。」
「おい?ご主人様…?否定してもいいんだよ?ねぇ…どうしたの…?ほら…否定しろよ…?」

口から出てるセリフと纏ってるオーラが違うよ盗賊ちゃん…。

「す、すみません…。否定できません…。ついつい目で追ってました…。えぇまぁ私もほら…女性経験の大変少ない所謂素人童貞ですので…。えぇ…。」「まぁ、そうだな。ご主人様も男だしな。
あとご主人様のムラムラゲージはオレにも連動してるのと伝わってくるの最近忘れていないか?」

おっと…。忘れておりました…。

「魔王の乳首が視界に入る度にいつもいつもムラムラムラムラしやがって…。
そんなに見たいならオレのも見せてやる!
今すぐ脱いでやるぅ~っ!」
「わー!わー!ごめんっごめんって!ストップストップ~!」
「というかたまには一緒に風呂くらい入らせろ!背中流させろ!裸のまま甘えさせろ~!」
「おいおい、盗賊の娘よ…。本音がダダ漏れだぞ~。というかお前は盛大に大賢者に裸を見せてるんじゃなかったのか?」
「あれは…だな…。そうだけど…多分ほら、命かかってたから言うほどガン見してないよな!?
ガン見してたらロングソードが朝イチに見せる大剣になってるはずだし!
いや…ロリコンだがオレに欲情できなかった可能性も…?いや…そんなバカな…!ご主人様は真性のロリコンだ!オレの全裸を見てムラムラしないわけがない!!」

わー、なんかひどいこと言われてる気がするー。
一ミリも否定できないけど。

「そりゃあお前アレだよ。堂々と全裸見せられるよりは、恥じらいながら見せられる方が男は興奮するからだよ。ってなに言わせてんだ。」
「なるほどな…。シチュエーションって確かに大事だよな。」
「して、大賢者よ。ワシのことは…愛でてくれぬのか…?お前の好きな褐色金髪赤目のロリビッチだぞ…?」
「待って待って。何か属性が増えてる増えてる。
そもそも君ビッチ要素皆無でしょ…。」

と言うと、俺の限りなくBに近いAカップ程度には脂肪がある決して触り心地は良くない胸板を、その細くしなやかな手でするりと触れてくる。

「どうじゃ~?おなごに触られた事はあろうが、幼女に触られるのは流石に初体験であろう~?」
「あぁ~!ずるいぞ魔王!ご主人様もご主人様だ!またムラムラしやがって!オレも触るからな!」
「おい、ちょっ!?張り合うなって!」

盗賊ちゃんもするりと服の中に手を入れて俺のプニプニの胸板を触ってくる。

「……。なんかこうアレだな…。知ってはいるけど改めてさわるとたくましさはないよな…。」
「言わないで…。すごく気にしてるの…。トレーニングしなきゃとは思ってるけど続かないの…。」
「うむ…、腹といい胸と言いよく言えば触り心地は良いが…悪く言えば男らしいたくましさはないの…。腕の筋肉もないし…。
足だけはがっしりしておるのにのう?」
「あぁ、それは自転車っていう乗り物に良く乗るのと、旅に出ると少なくとも7~8kmは歩くからかな?」

プニプニふにふにさわさわとこの子たちは…。
悪くはないんだが…なんかこう…俺もムラムラはする…。

「ふむふむ…。ただやはりその程度では脂肪も減らんし筋肉はつかんだろうしのう…。
せめて、金属の剣で毎日素振りをするなり、腰を捻るようにして大木に剣を打ち込む訓練するなりして絞らぬと…。
その身体では体力が持たんだろう。」
「そうなんだよね…。毎回石の力を限界行使するとこの通りグロッキーだし、筋肉痛になるしで…。」
「いや、子作りするときの体力。」
「その辺の話からそろそろ離れてくれないかな?」

今度は二人に腹を摘まれだした。
正直悲しい限りである。

「そっか…。やっぱ、腹は触られてもムラムラしないのか…。ふむふむ。」
「奴隷紋の効力を人の性癖探しに使わないでくれないかな?」
「というか、盗賊の娘よ。お前の新たなスキルでその奴隷紋程度簡単にとれるだろう。
下手すりゃ押し付けられるのになぜ外さんのだ?」
「ば、ばか!これはだな…。その…オレとご主人様が繋がってるっていう…その…愛の証って言うかだな…。それに他の連中にはない唯一オレだけのものだしさ…。」

盗賊ちゃんが自分の腹の奴隷紋を嬉しそうにさする。
それはエロい…。エロすぎるぞぉ…。

「ふむふむ。なるほどのう。
ワシもそう言うの欲しくなってくるの~。
1日に一定量の精を奪わないと死ぬ呪い付きとかで…。」
「サキュバスかよ…。とりあえずだな。
俺は盗賊ちゃんが一番可愛くて仕方ないの…。
マオちゃんがいかに俺にロリっ子アタックして来てもそう簡単には屈しないぞ~?」

盗賊ちゃんをまたぎゅっと抱きしめて、マオちゃんに背を向ける。

「ほうほう?言うではないか…。なら、こう言うのはどうだ?」

背中に優しく爪を立てて、カリッカリっとされる。
指を背中にはわされるよりも意外とエロいぞこれ…!?
ぐっ!この策士め!ロリビッチ魔王め!

「リヴァイアが言ってたのでな!男は背中に爪を立てると興奮するとな!」
「あの人はあの人で自分の上司になに仕込んでんだよ…。というか頼む…。そろそろ本気で眠い…。」

むぎゅーっと盗賊ちゃんを抱きしめて目を閉じる。

「むぅ…。意外と頑なな奴だな…。
ならわしは背中から抱きしめてやるから良いもーんっ」

マオちゃんは背中に頭をピトッとつけて俺の首に手を回して抱きついてくる。

「もういい…諦めるから寝かせてくれ…。」

そして俺は眠たい目をこすりあくびをしながら、ゆっくりと眠りに落ちていった。

まぁ、眠りに落ちたらここにくるとは思っていたよ…。白い空間…。案の定だ。

「今度は君か…。」
「君か…。じゃないよ!私は肉体がないからイチャイチャしたくてもこうやって夢の中くらいでしか出来ないっていうのに~!そもそも私の方があの2人よりはるかにずっとそばに居るのに!
ずーるーいー!早く私にも身体を用意してよ~!
明日にでも北の大地で龍族探してきて!
起きてすぐとか意地悪言わないから!」
「明日にでも…ってのも割と意地悪な気はするんだけど…。と言うか…いつから俺のそばにいたんだ?」
「あなたが中学生くらいの時からよ?その時の初詣で私たちの神社に初めて来た時ぐらいからかな?
実際は、熱心に毎月お参りに来るあなたが気に入って本元の高龗神にお願いして、貴方に憑かせてもらったのよ。」

てことはおおよそ13~5年は前ってことか…。
なるほど…。

そりゃ確かに巫女ちゃんと言うか高龗神の言うこともわかる。

盲目で言葉が話せないけどずっと傍で支えてた幼馴染の少女が、思いも伝えられないうちにポッと出の他の女に自分の意中の相手を取られたら…。
そう考えたら確かに気が気じゃないどころか腹も立つってものだろうな…。
ごもっともだ。

「そんな気持ちを10何年も抱えながら、ずっと俺のそばに居てくれてたんだ…。」
「そうよ。届かない片思いくらいに思ってたけど…、それでも言葉が届かないのもこうやって貴方が疲れ切ってる時くらいしか、この空間に呼んで話すことが出来ないのも歯がゆかったわよ…。
私達神さまにとっては、どんなに人を好きになっても、その人が死んで、魂だけの存在になるまでは基本は認知してもらえないんだから…。
認知されても、本心から好きになってもらえる保証もない。
正直、貴方に憑くと決めた時はそこまで考えてなかったわ…。
私も所詮は、まだなにも知らない少女だったって事よ。」
「だから、この世界では肉体さえ手に入れれば俺と話したり触れられるなら、早くそうしたいと…?」

俺の肩にもたれかかってくる高龗神…。
艶やかな瞳でじっと見つめられると結構ドキッとする。
幼い容姿に似合わず、顔つきはとても美人さんなのだ。

「当然よ。きっと私以外の人に恋した神様とかがいたらみんなこぞってこの世界に神隠しにでも合わせるでしょうね。
それくらいに、この世界は神に優しい世界だとも思うわ。」
「なるほどな…。禍津伊邪那岐…。
アレは男の神様だけど…あの堕天使に憑いてたのもそう言う理由だったのか…?
いやでもあいつ男だよな…。多分。胸無かったし。」
「なにを言ってるの?そもそも神様も天使も悪魔も本来なら性別はないの。
どっちかに性質が偏ってるってのはあるけど…。
ちなみに彼、性癖も拗れてて生前は男の娘が大好きだったみたいよ…。
その結果、自分も男の娘に…。いや、正確にはどっちにもなれる方に…。」
「え、なに、って事はイザナギさんこと君のパパさんに当たる方はどっちに惚れたの…?」
「「…………。」」
「おっけー。この話題には触れないでおこう。
神様の性別は本来はどっちもだからね!!」

とは言えど、伊邪那岐が何故あの堕天使ちゃん(仮)に憑いたのかはまだ謎がある…。
彼が生前が日本人と言うだけでくっついたとしても、とてもあのひねくれた性格に、いくら禍ツ神としても神様が力を貸そうと取り付くとは思えない…。
まだまだ不可解な点が多いんだよな…。今回の件は…。

1つ。なぜ、転生者である彼について誰も転生者と気づかなかったのか。
2つ。禍ツ神とは言え、なぜ伊邪那岐は彼に憑いたのか。
3つ。天上界に戻っていたサイコパスな彼を何故、死者の都で放置していたのか…。
4つ。文字通り前族長の皮を被っていた彼だが、何故、誰も族長の死に気付けなかったのか。
5つ。彼が転生後に獲得していた…つまり、天使の時にはもう手に入れていたと言う呪術と死霊魔術。これを果たして誰が教えたのか…?

「今回の件…。ここまでしたのに、まだ全然終わった気がしないんだ…。
なんと言うか、RPGとかで言うと最初のボスキャラを倒した瞬間に、本当の世界の命運をかけた戦いに巻き込まれ始めた的な…。
某、球を7つ集める漫画だと最初に襲来してきた奴ぶっ飛ばしたとおもったら、そいつのバックにいた故郷ぶっ壊した奴が親玉として現れた的な…。
なんかそう言うのに似たものを感じるんだよな…。」
「確かに…。貴方だけじゃなく、貴方に憑いているたくさんの神様のうち私だけがこの世界に貴方と共に来てることも不可解。
石の中に入っていた神の力だけは別としてね。
私は神そのものとして貴方に憑いてこの世界に来ている。」
「俺にたくさん憑いてる…?え、俺そんなに憑かれてたの…?」
「凄いわよー?陰陽師が見たら腰抜かすんじゃないってレベル。天狐に私と言う龍神に、鴉天狗、他にも蛟(みずち)や様々な属性を司る精霊たち…。
四神の1人、朱雀とかも憑いてたわよ?」
「そう言えば、昔霊能者にそんなこと言われてたな…。てっきり当時、厨二病を発症していた俺に話を合わせてくれてたのかと…。」

はぁ…。と高龗神にため息をつかれる。

「兎にも角にも、貴方に憑いてる神の中で私が最も強い神だったからと言う理由だったとしても色々と不可解なことだらけよ。
伊邪那美命の力はどこから来たの?
貴方に伊邪那美は憑いていない…。
もちろん、その石たちにも…。
ライトニングクォーツが伊邪那美の身体に宿る8つの雷神を一気に引き寄せたのも踏まえても不可解よ。」
「なるほど…。この世界に俺たちの世界の神様が…居るわけが…いや…待てよ…?」
「「あっ…。」」
「「安倍晴明!」」
「晴明がこの世界に何かしら神様の力を残してくれていたとしたら合点は行く。確証はないけど…。」
「北の大地に行くついでに調べてみるのも悪くないかもだね。」


そう言うわけで、俺は明日は龍族探し兼、安倍晴明の痕跡探しの旅に出ることになったのだった。
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