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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第51話 究極至高の癒し

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風邪をひいて2日目。
あいかわらず身体のだるさは抜けていない。
俺のベッドではいつも通り俺に抱きつく盗賊ちゃんに加えて、尻尾を俺の抱き枕にされてまんざらでもないと言うかでゅふふふっwwと絵に書いたような顔のリヴァイアさん。
そして俺の枕元には子狐モードのケロちゃんが寝ていた。

「リヴァイアさん…。その、勢いとはいえごめんね…。寝づらくなかった?」
「でゅふふふっwwむしろご褒美でしたぞww
っと、行けませんわ。思わず本性が…。」
「あ、そっちが本性なんだ。」
「でもこのようなもので、あなた様を癒せるなら幾らでもご堪能頂いて構いませんことよ?」
「では遠慮なく…。」

俺はそのプニプニひんやりとしたまるでわらび餅のような美しくかわいい尻尾に頬ずりしたり、額に当てたり抱きついたりして、あくまでも身体を冷やすための目的に堪能する。

「も、もう!マスターっ…!いけませんわっ…!
きっと意味を知らずにされているのでしょうけども…。その…マスターがしてるその行為はですね…、我々海獣族において…交尾したいオスの求愛行動ですのよ…?
私もその…メスですので…マスターにその気がないとしても…その…こ、これ以上ははしたなくて言えませんわっ!」
「うわわわわわ!そ、そうだったんだ…。ごごごごめん…。嫌だった…?」
「この顔見て嫌だと思います?でゅふふふっwww
んほっww感情を隠しきれないでござるよww」
「いやもう、そこは隠せよお前。」

この人、基本はすごい美人なのに時々尋常じゃないレベルで残念美人になるな…。

「ちなみに私たちの種族の交尾は互いに互いの体をからめあって…。」
「言わんでよろしい。と言うか大体想像がつく…。」
「お望みとあらばいろんな意味で私を抱いていた抱いて構いませんのよ?」
「うん…。とりあえずごめん…。熱がある程度引くまで抱きつかせて…。」

と言うとリヴァイアさんは尻尾をまたうにょんっと俺の前に差し出して来てくれた。

「うぁぁぁぁ…きもちー…。ひんやり…ぷにぷに…。うはぁ…。しゅりしゅりーっ…。」
「んはぁぁんっ!もうっ!スリスリはダメですわっ!私、そのうちマスターに襲いかかってしまうかもしれませんわよ?」
「だめだ…。なんかもう、これを堪能できるなら襲いかかられてもいいくらいに思えてきた。」
「そうですの。ただ、そろそろやめた方が良いと思われますわ。
奥様がお目覚めですわよ?」

リヴァイアさんが尻尾の先端で盗賊ちゃんをピッと指差す。

「ご主人様?おはよう。その尻尾がすげぇ触り心地良いのはわかる。すっげぇわかる。でもな…。
目の前でいちゃつかれると…オレも…泣いちゃうぞ…?」

盗賊ちゃんが涙目の上目遣いで俺に魅了スキルを使ってきた。
クソ…!すごいキュンとくる!
やだもう!俺の正妻可愛すぎ!!ってなる!

「泣かれるのは嫌だな…。」
「じゃ、どうすれば良いかわかるよな?」

ごろんっと寝返りを打って盗賊ちゃんを抱き寄せて頭をなでなでする。

「んん~っ♪えへへ~っ♪もっとなでなでして?
気持ちよくして~?」

珍しいくらいの甘えたさん状態だ。
ここ最近、盗賊ちゃんは年相応の女の子キャラになりきる事で俺がデレ甘になることを覚えたらしい。
策士め。
くやしい!でも抱きしめちゃう!

「ところで、身体の調子はどんなもんだ?」
「うーん…、正直まだ体がだいぶ重たいな…。
動ける気がしてこない…。関節は軋むし…。」
「そっか…。やっぱり、伊邪那美命モードは相当な負荷だったんだな…。
勇者がケロっとしてるのはやっぱり若さゆえか…。」

ドスッッ!と脇差でも刺されたかのような胸の痛みが俺を襲う…。

「年齢のことはあまり触れないで…。30歳間近になってからは地味に気にしてるの…。」
「あ…。わりぃ…。そう言えば母さんとも同い年なんだっけ…。」

グサァアアッ!!と胸をえぐられる。

「わぁあっ!ご主人様!ごめん!ごめんて!
悪気があったわけじゃないんだよ!許してくれ!!」

いいもんいいもん。どうせおじさんはおじさんだもん…。

「うふふ♪微笑ましい夫婦喧嘩ですわね♪」
「まだ夫婦じゃないけどね…。」
「そのイチャイチャっぷりで夫婦じゃないって方が不思議だよお母さん的には…。
さっさとうちの娘、娶ってもらえないかね?」

と、朝チュンしながらベッドで盗賊ちゃんとイチャイチャしてたらまさかの親凸をかまされた。

「おはよう、我らが大賢者様。
まったく…。今日が仕事始めだから挨拶にと来てみれば…。
うちの娘のほかにも女はべらせて大層なご身分だねぇ…。」
「いや!これは、その、お母様!なんていうかですね…!」
「あぁーいいよいいよ。からかってやっただけだよ。事情は色々と東の魔女とかギルマスから聞いてるからさ。
それにしたって女にモテモテだねぇ~?
私もちょっと抱かれてみたいかも。なんなら娘の前に試しに抱くかい?」

と言うと、盗賊ちゃんが音もなくベッドから飛び出しお母様の背後を取っていた。
盗賊というかもはやアサシンである。

「母さん…?言っていいことと悪いことくらいわきまえてくれよ…?ご主人様に手を出したら流石に許さないぞ…?」
「あははは!うちの娘はほんと可愛らしいねぇ。心配しなくてもアンタの大切な人に手を出すほどお母さんは腐っちゃいないよ。
それよりも、悪かったね。嫌な思いをたくさんさせて…。
本当は殺したいほど憎かったろう…?」
「そりゃまぁ…な。でも、その痛みを味わったからこそオレはこの人の事を本気で好きになれたんだと思う。
そう考えたら、まぁ全部が全部憎いとはもう思わないよ。
ただ、やっぱりオレの好きな人に色目使われるのは嫌だぁあっ!だってオレのこのおっぱいじゃ、母さんに敵わないじゃないか!」

これ見よがしに自分の胸を娘の前でたゆんたゆんっとゆらして煽る盗賊母。

「ちくしょう!きっとオレだってあと2年もすればせいちょーきで大きくなるんだ!今に見てろよ!クソババア!」
「お前、母親相手にクソとはよく言い放つねぇ!13にもなって初潮も迎えてないくせして!」
「うるせぇ!オレはばんきじゅくせい型なんだよ!」

リヴァイアさんが俺の隣で微笑ましく親子喧嘩を見守っている。

「微笑ましいですわねー。貴方の奥様は…。
初々しすぎますわ~。」
「ね~。俺もそう思うよ~。
と、それよりもアレだよね。俺にお仕事の確認に来たとかそんなところだよね?」

と俺がお母様に問いかける。

「そうだよ。シーツや布団を洗うつもりで来たんだけど、まさか風邪ひいたなんて思ってなかったしね…。
うーん、そう言えばアンタ、おっさん連中から聞いたけど結構肩こり酷いんだって?」
「そう!そうなんだよ!元々、仕事がデスクワークなのもあってさ…。
ほんと慢性的な肩こりで…。
オッサンズにやってもらおうと思ったらあいつら自滅しやがるし…。」
「そうかいそうかい。なら、アタシに任せな!
マッサージは私たち娼婦の十八番だよ。」

盗賊ちゃんが再び殺意の波動を纏い出す…。

「盗賊ちゃん、どうどう…。落ち着いて落ち着いて…。
マッサージと言っても、性的な話じゃなくて普通のマッサージだろう?」
「あぁ。と言うか、体を買ってもらえなくなってからはアロママッサージとかローションを使ったマッサージの方を売りにしてたからね。
腕は良いって評判なんだよ。
試してみるかい?大賢者様?」

俺は確認の意思を込めて盗賊ちゃんの方を見る。
やれやれ、それなら良いよ…と言うハンドジェスチャーで返してくる。

「よし♪決まりだね。
風邪を引いてると、特に肩こりひどくなるだろう?血行も悪くなるから腰にも来るだろうし。」
「そう!そうなんだよ…!すごく肩痛いし腰も痛いし、膝も痛くてさぁ…。」
「おじさん通り越して爺さんじゃないか…。
あんたまだ私と同い年なのに…。
とりあえず、少し待ってな!とびっきりの高級娼婦のマッサージ!味あわせてやるよ!
あ、もちろん、性的じゃない奴な?」

そう言うと、お母様は部屋の外へ一度出て数分後にお風呂用のマッサージマットを携えて戻ってきた。

「よーし!大賢者様!シャワー室へおいで!
シャワー室はあっためてあるから、服は脱いでも大丈夫だよ。ただし、前だけは隠してね?」

俺は言われた通り、前はタオルを巻いて隠しシャワー室へと入る。

「よしよし、まずはそこの岩盤浴でじっくりと体の芯まで筋肉をあっためよう。その方がほぐしやすくなるからね~。」

ちなみに何かされたら嫌なので盗賊ちゃんも見張り役として同伴願った。
て言うか俺の部屋のシャワールーム、ふつーに岩盤浴とかあったのか…。
巨大なジャグジー風呂にベッドは4人くらいは余裕で寝れるでかさあるし…。
ラブホの最上級の部屋の一室かよ…。
利用したことねぇけど。

「うぁぁー。岩盤浴きもちぇー……。
すげぇ体がじんわりあったまるー…。たまんぬ…。」

これは溶けるわぁ…。

「て言うか君の部屋すごいよね…。
まるで高級娼館の一室だよ…。」

俺もそう思うわ。
と言うか俺の部屋を作ったのって確か………。
…………。
だめだ、これ以上は考えちゃいけない。

「とうぞくちゃんもおいでぇ~。きもちぇーよぉ…。」

そもそも考えたくても最早頭もとろけてまともに思考ができん。
そして俺の手招きで俺の隣の岩盤浴を堪能する盗賊ちゃん。
と言うか君、いつのまにバスタオル一枚になってたの…。

「ふぉぉぉ…。これはやばいなごしゅじんさまぁ…。とけるわぁ……。」
「こらこら…あんたも溶けてもらっちゃ困るんだよ…。一緒に大好きなご主人様の身体をほぐしてもらうんだからね。
さて、十分温まったかな?次はマットに寝転がりな。
アンタの可愛いフィアンセといっしょに解してやるよ。
ほら、行くよバカ娘。いつまでとろけてんだい。」

ズリズリと盗賊ちゃんが引きずられていく。
俺は指示されたようにマットに横になる。

「んふふ♪覚悟しなよ~?」

お母様は良い香りのするアロマローションを手でかき混ぜながら、盗賊ちゃんといっしょに俺の背中にふくらはぎに太ももに腕にと塗りたくっていく。

そして、盗賊ちゃんとお母様が左右からぐっと力を入れると、ヌリュンッと滑ったローションによりグググっと俺のコリコリに固まった筋肉たちに指が収まっていく。

「うぉぉぉおっ!!ローション使ったマッサージってこんなに気持ちいいのか…!指がコリの奥深くまでグググっと入り込んですごく気持ちいい…。あれ?て言うか盗賊ちゃんも上手いね…。」
「あぁ、実は成人するまでの間にマッサージだけは仕込んでおいたんだ。
どうしようもならなくなったらマッサージで生きていけるようにってね。
なのにこいつときたら、しょっちゅうアロエで肌は切るわ、アロマキャンドルひっくり返して火傷するわ…。」

…………。ん?

「盗賊ちゃんって男の慰み者にされそうになって身体中傷だらけになったんじゃ…?」
「おい、小娘。あんた、同情誘う為にそれっぽい嘘ついたね…?」
「なーんのことかなぁー?覚えてないなーっと…。」
「盗賊ちゃん、真実を言いなさい。」

キュイイイっと奴隷紋が光り出す。

「身体中の切り傷はアロエを仕込んでるときに鉢植えごと引っ掛けた時の傷です…。
火傷のあとはアロマキャンドルをひっくり返した時にできました…。
男の慰み者にされたと言うのはあながち間違いじゃないかもだけど、正確には母さんといっしょにマッサージに駆り出されただけです…。嘘ついてました…。すみません…。」
「と言うわけさ。そもそも不思議に思わなかったかい?孕ませようにも孕まない娼婦がいたら男たちがほっとくわけないだろう?
それに、本当に身体を売ってたらこんなにウブで可愛らしいわけないだろう?」

すっかり騙されてたよ…。まったく…。
でも安心したというかなんというか…。

「ご主人様…。嘘ついてたこと幻滅したか?」
「いや、そもそも最初に会った時には嘘つかれてたんだし、今更だよ。
むしろ、それを知ってあぁやっぱ可愛いなってなったよおいちちちち!!」

盗賊ちゃんが照れ隠しで俺の腰をヌルンヌルンッとぐりぐりしてくる。

しっかしこれ…すげぇ気持ちいいな…。
癖になりそうだ…。

お母様には俺のガッチガチの肩と肩甲骨のくぼみをぐいぐいっと押し広げるように揉まれていき、盗賊ちゃんは俺のふくらはぎと太ももを入念に揉みほぐしていく。

「あぁ、膝の裏のくぼみをぐっぐっと押してやんな。そこは腰痛によく効くツボになってるんだ。」

それを聞いた盗賊ちゃんがグリッと俺の膝の裏のくぼみに指を入れてくる。

「ぐぉぉわぁぁっ!めっちゃきくぅ!!」

血の巡りが一気によくなるような感覚!
こりゃたまらん!

「肩こりには鎖骨のくぼみにあるツボがよく効くんだよ?ほら?どうだい?気持ち良いだろう?」
「はぃいぃ…これはすげぇきもちいいでふ…。」

お母様が鎖骨のくぼみに人差し指と薬指を入れながら、俺の肩を器用に親指でじっくりと揉みほぐしてくる。

「母さん!俺もそれご主人様にやりたい!交代~!」
「あんたの小さい手じゃ届かないわよ。
代わりに、この首筋をその小さな手でキュッとやってやりな~?二重の意味でご主人様、気持ちよすぎて昇天しちゃうかもよ?」

そう言われて、盗賊ちゃんが俺のガチガチの首筋やうなじや肩と首の付け根にぐいぐいっと指を押し入れる。
お母様の言う通り、これは大人の手より盗賊ちゃんの小さな手の方が程よくコリやツボにはまっていく…。

ゴリゴリと力強いマッサージと違って、ヌルンヌルンッとコリを擦り上げるように入る指はとんでもなく気持ち良い…。

「さぁーて。仕上げだよ。」

お母様は俺の背骨に手を重ねるとグッ!と背骨を押し込み、パキッ!パキッ!と小君良い音を立ててガチガチの筋肉と関節を伸ばして行く。

筋肉が伸びた瞬間、一気に頭に血が流れ込むようなたまらない感覚…。
うはぁぁ…。これは最高だわぁ…。くせになりそう…。

「どうだい?大賢者様?」
「すごく気持ちよかったです…。」

今まで生きてきて最高のマッサージだった…。

「私の仕事は当分これ一本に絞ってくれると楽で良いんだけどなぁ~?どうだい?」
「ん~…。それは考えさせて?」

俺は未だかつてないほどにほぐれた筋肉の柔らかさに驚きながら完全にとろけきっていた。
転移前ならまず味わえないレベルのマッサージだろうな…これは…。
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