その辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

風呂桶之水源餅

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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第36話 異世界デート再び

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いつも通りに、今朝も大鳥の\アイヨー/で目が醒める。
この鳴き声はこの世界において朝を告げる合図のようなものだ。

今日がいつもと違うのは、俺のために用意された城の俺のために用意された寝室で、俺のことが大好きで仕方ないというような要素の塊の盗賊ちゃんがまだぎゅーっと抱きついて寝息を立てているところだ。

凄く可愛らしいし癒される。

「引き離すのも心苦しいんだよな…。」

なので、優しくまた頭をなでなでしてあげる。
すると盗賊ちゃんはふにゃぁっ…と甘えた声を出しながらゆっくりと目を覚ました。

「んぁ…?朝か…。おはよぉご主人さまぁ…。」

おはようと言いつつまだ目は開き切ってない。
むしろ二度寝態勢だ。

「今日は俺とデートするんだろう?二度寝しようものなら置いて行っちゃうぞ?」
「んぐ…。それはダメだ…。オレがいないとご主人様にとってはデートじゃなくてぼっち旅になっちまう…。ふやぁぁあっ…。」

おっきなあくびをしてようやくお目覚めだ。

「まだ少しねもい…。」
「シャワーでも浴びといで~。」
「そうする~。」

眠そうな目をこすってシャワー室に入る盗賊ちゃん。

俺は着替えながら盗賊ちゃんがシャワー室から出てくるのを待つ。

しばらくして髪が少し濡れて毛先がクリンっとした状態で風呂上がりの盗賊ちゃんが出てくる。

「お待たせ~ご主人様っ♪」
「ん。髪の毛ちゃんと乾かそうな~?
毛先がクリンっとしてるのも可愛らしいけど。」

俺は盗賊ちゃんをドレッサールームに連れて行き、温風をふいよぉおっと出せるドライヤー的な魔道具で髪を乾かしてやる。
細くしなやかでツヤツヤの綺麗な髪をしている。

実は出会った当初は髪も割とごわごわしていたのだ。
これは魔女さんが盗賊ちゃんにくれた特製のシャンプーのおかげらしい。

しっとりツヤツヤの綺麗な髪になっている。

「ありがとなご主人様っ♪」

最初はもっとツンツンしてた雰囲気もあったが、今はこうやって可愛らしい笑顔をたくさん向けるようになってきた。
実に愛らしい事この上ない。

拾ってきた野良猫が主人にだけは甘々になるような感じだ。

「なぁなぁ、今日はどんなところ行くんだ?」
「ん~、そうだなぁ。ギルド周辺の露店を回ってから商店街、そのあとはデパートかな。
朝食はは露店で軽く食べて、昼はデパートで何かってつもり。何か欲しいものとか見たいものある?」
「でぱーと…あぁ、あの商店街の中心にある大商店の事か。
ご主人様の世界だとそう呼ぶんだな。」

どうやら俺の世界特有の文化になる言葉は、うまく変換できないようだ。
時々このような文化の違いのようなことが起こる。

盗賊ちゃんにも身支度をすませるように指示する。

「盗賊ちゃん、一応言っとくけど…お金はパンツから出しちゃダメだよ…?」
「わかってるよ…。ちゃんと財布は別で用意してるよ。安心してくれ。」

そして、俺は盗賊ちゃんの手を引いて城門を出る。

「お?大賢者様!お出かけですかい!ボスもご一緒でデートってやつですかね?」
「うん、そう。デートってやつ。
お洋服とか色々と買いに行こうと思ってね。
夕飯までには帰れるようにするよ。」
「あい!気をつけて行ってらっしゃッセェ!」

屈強なおっさん執事に見送られたあと、俺はバイクを召喚する。

「えーっと…。サイドカーに乗った方が良いんだったね…。」
「あぁ…。くっついて乗りたいのはやまやまだが色々とやばいことになるからな…。」

赤面する盗賊ちゃんをサイドカーに乗せ、シートベルト着用を促しヘルメットを被せて、俺もバイクに跨る。

「んじゃ、出発するよ~。」

キーのスロットルにライトニングクォーツを刺し込みエンジンを始動。
フォォォォオっという静かな音と共にバイクは走り出した。

「やっぱこの乗り物は良いなぁ~。静かだし、振動もほとんどないし、大鳥よりも乗り心地は最高だ。」
「だなぁ~。ここまで俺の世界の乗り物を再現してくれた魔女さんには感謝だよ。」

ちなみに俺がこの世界に再度戻ってきた際には愛車のロードバイクもこの世界に持ってきていたりする。
この世界でロードバイクで走るのはしんどいので今は俺の工房として用意されている部屋に飾ってあったりする。

「大鳥より速いし、、あっという間に着いちまうな。」
「だなぁ~。まぁ、旅ってのは移動時間が最も長いからそれは助かるけどね。」

実際、大鳥の鳥車よりも早く人里に入れた。
流石に通行人の行き交う場所でバイクを走らせるのは危ないのでバイクをしまい込み、あとは徒歩でギルド周りの露店街に向かう。

露店街は主に冒険者向けの店が立ち並ぶ。
アクセサリーに小型の武器、レザー系の場所を取らないような防具の店が多い。

「そういえばご主人様。いくら、そのアクセサリーの力で傷の治癒力や防御力を高めてると行っても、一応防具類は何かしら手に入れても良いんじゃないか?」
「元々肌をがっつり露出してた盗賊ちゃんがそれを言うか…。」
「オレの戦闘スタイルは、影に隠れるかスピードで圧倒するスタイルだからな…。
ガチャガチャうるさいような鎧は向いてなかったんだよ。だから、基本的にはこのマフラーがメインの防御アイテム。
そういえばじっくり見せたことなかったよな?」

そう言うと、盗賊ちゃんはマフラーに魔力を流す。
すると、マフラーは自在に形を変えて翼になったり、伸びてちょっとした腕になったり、かと思えばギュルんっと腕に巻きついて鋭利なスピアーになったりとなかなかに面白いものだった。

「おぉー。さすが異世界。面白いものがあるものだねぇ~。」
「まぁこれは前のボスからもらったものなんだけどな。認識阻害とかの能力も付与されているもので、特殊なモンスターの繊維で編み込まれてるんだってさ。
そのモンスター自体もこのマフラーと同じように、自分の体に繊維をまとって変形させる特殊なスキルがあるらしいぜ?」

あらかた見せてくれるとまた普通のマフラースタイルに戻して着用する盗賊ちゃん。

「これは元々結構レアな防具らしいから、市場には出回ってないらしい。
まぁ世の中そういうアイテムも多いんだよ。
跡形もなく消しとばしたって聞いたけど、アーマードドラゴンなんてその素材だけで巨万の富が得られるような代物なんだぞ…。
知らなかったとはいえ倒すだけでよかったものを消しとばしたのは損だったと思うぞオレは…。」
「いやぁ、あの時はもう色々と遊んでみたくてつい…。
男の子ってのはそういうもんなんだよ盗賊ちゃん。」

はぁ、やれやれって顔されながら俺たちは露店を色々と見て回る。
普通のおしゃれな髪留めやブレスレットの店なんかもいくつかある。

だが、物作りが趣味の人間ゆえにこういうの見ると自分で作った方が安くて良いの作れるよなぁとついつい考えてしまうのだ。

「なんとなーく、考えてることわかっちゃったけどさ…。ご主人様、これ自分で作った方がもっと良いもの作れるなとか考えてるだろう?」
「そりゃあね…。物作りしてる人は誰も彼もそう考えるもんよ…。」
「それなら、材料を卸してる店に行った方が楽しいと思うぞ。そういうのが集まった倉庫街があるんだ。」

そういうと盗賊ちゃんは俺の手を引いてこっちだぞと案内してくれた。

着いてみると、アクセサリーの材料になりそうな金具パーツやレザー、ほかにも驚くべきことにレジンと同じような、光をあてると固まる樹脂なんてものも普通に瓶入りで売っていた。
これには流石にびっくりだ。

更には、この世界にしかないであろうモンスターのコアになっている魔石なるものも普通に取引されていた。

またやはりと言うべきか、この世界にも俺の世界と同じようなパワーストーンはいくつかあった。
条件が揃えばたとえ異世界でも同じタイプのパワーストーンは生まれると言うことだろう。

「どうだご主人様?面白いものはありそうか?」
「そうだなぁ。ブレスレットの材料に使うパワーストーン、いくつか買って行こうかな。」

と石屋で石を吟味していると…。

「アンタ!もしや噂の大賢者様かい?
なるほどなぁ…。今身につけてるそいつがアンタのアクセサリーかい…。
異世界から持ち込んだ石を使ったアクセサリーとは聞いちゃいたが…なるほどな…。
メテオライトにモルダバイト…、セイクリッドセブンにプラチナルチルクォーツ…、ムーンストーン…。
どれも希少価値は高いが、この世界にも存在している石だな。
だが、元々これらの石はなんの力もない。
要は着飾るための宝石なんだよ。
なのにアンタの作るこのアクセサリーはなんだ…。
石の中に秘められた力を完璧に引き出してやがる…。
こんな素晴らしいものはどの職人でも作れやしねぇし、下手な魔物のコアを使ったアイテムよりハンパない代物だな…。」

そう言ってまじまじと俺のブレスレットを見てくる。
そこまで言われると、嬉しいけど驚きの方が勝ってくるな…。

「アンタ、俺のところで売ってる石を使ってアクセサリーでも作ろうって考えてくれてんだろ?だったらこりゃまたとないチャンスだ。
俺と契約を結んじゃくれないか?
アンタが欲しい石があれば要望に沿って手に入れて来てやるよ。
なぁに、うちにゃ腕利きの鉱石ハンターの冒険者も居る。
アンタが使ってくれるってなら俺の名前も売れるしな。
アンタには定価の8割引きで取引させてやっても良いぜ?そんかわり、俺んところ以外の石屋で鉱石を買うのは勘弁してくれるなら…だ。
どうだ?大賢者様。悪くはないだろう?」
「ほほうー?めちゃくちゃの事いうねぇオヤジさん。んじゃさ、俺の世界でも大変希少なこのファイアークォーツとライトニングクォーツ…。
用意できるのかい?」

とカマをかけてみるとオヤジさんは腕を組み仁王立ちでニヤリと微笑む。

「へっ!それでカマかけたつもりかい大賢者様よ。ライトニングクォーツは時間さえくれりゃ3日もありゃ手に入るし、ファイアークォーツなら在庫もあるぜ!見てくれ!」

というと、今の俺のネックレスに使われてるものと同じ綺麗な丸玉を見せてくれた。

「おぉ…まじかよ。よく持ってるな…。しかも在庫品で…。」
「うちは専門店だからな。
その辺の奴らよりも在庫はハンパないと思うぜ!」

ふむふむ…。それならばと俺は、俺の世界でも比較的新しく流通し始めた石の写真を見せてみた。

「じゃあこれはどうだ?デュモルチェライトインクォーツ。これは俺の世界でも最近見つかったばかりで、その上生まれにくいために希少価値もそこそこだ。
これの上質な奴が果たしてオヤジさんところに…。」
「あるぜ。見てくれよ大賢者様。
アンタのお眼鏡に叶うかい?」

と言って、ジャラリと大量の丸玉を出してくる。

「こいつは驚いた。アンタ、俺の世界の石屋よりもはるかに在庫持ってるよ。」
「んじゃ、答えはもう一つしかねぇよな?」
「おう、アンタの話乗った!」

ガシッとお互いの手を握り握手する。

「なんだいこいつは?」
「これは握手って言ってな。俺の世界にとっては、これからよろしく頼むぜ!みたいな証だよ。」
「ハハッ!そいつぁいい!是非ともこちらからも頼むぜ!アンタの作った作品をお披露目するときは俺の店と俺の名前を出すのは、忘れんじゃねぇぞ?
こいつは俺からのプレゼントだ。持って行きな!」

そう言って、オヤジさんは綺麗なガーデンクォーツをはじめとしたいろんな石を袋に詰めて俺にくれた。

「これからもご贔屓に頼むぜ?正式な契約書は後日、ギルドを通してアンタの城に届ける。
そいつにあとはアンタが名前を書けば正式に契約成立ってことになる。」
「なるほど、そういう仕組みなんだな。
いやいや、いい買い物というか貰い物したよ。
ありがとねオヤジさん。早速、この子のブレスレットにでも使わせてもらうよ。」
「あぁ、アンタのその可愛い嫁さんに素敵なもんこさえてあげなっ!」

読めと言われて盗賊ちゃんがボフっと顔を真っ赤にする。

「ん~?なんだその嬢ちゃんの反応…。
もしかして、まだ嫁じゃなくて彼女とか…いやそういや、さっきからご主人様とか呼ばせてたな…。なんだ、大賢者様は幼い女の子の奴隷を…。」
「えーっと…どっからどう話すか…。
盗賊団ドラゴスケイル、今は町の便利屋ドラゴスケイルって聞いたことある?この子はそこのボスで、俺が捕まえて、その結果俺の奴隷になっちゃったの…。」
「ぬぁにっ!?あのドラゴスケイルのボスだと!?
正体不明のボスがまさかこんなめんこい嬢ちゃんだったたぁなぁ…。驚いたぜ…。
な!嬢ちゃん!ご主人様大好きか?」
「うんっ♪めっちゃ好きだぜ♪」
「そっか!早く嫁さんにしてもらえると良いな!」

本気か冗談か知らないが、そんなことを言われて照れながらも微笑む盗賊ちゃん。
ほんと、この子は可愛らしい女の子だ。
そんなことを考えながら、俺は倉庫街を後にしたのであった。
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