34 / 48
並列世界の矛盾ーパラドクスー
鈴の音の聞こえる夜に凛と咲く華。
しおりを挟む
「鈴夜 騰鵺。
この時間軸だと彼はまだ高校生だな。
来歴としては幼少より妖精や神を愛し、知らずのうちにそれらの声を聞く能力を持っていくことになった少年。
高校生になりネット世界にどっぷり浸かってる時にひとりの霊能者に出会い、その人物を通して、その声が真実である事と神や精霊に愛される魅了の能力を持つことを知らされる。
以後、自分の側にいる精霊や神様達の力を借りて人々の様々な悩みを聞いたり解決してきていた。
彼が成人を迎えたであろう時期からぷっつりとネットの世界からは姿を消したとされている。
知る人ぞ知る有名人だったそうだ。」
「ほへー。てことは俺と同い年くらいってことか…。」
「ちなみに彼の作るアクセサリー類は不思議とさまざまな霊能力を持っていたり、ブースターになると言う噂が一部で出て来ていてね。
魔術師や霊能者御用達のアクセになったそうだ。また、彼の作ったアクセサリーは異世界ではレジェンド級のアーティファクト扱いされたらしい。
20代後半で霊能力をほぼ完全に失った代わりにそのような能力に目覚めたそうだ。
ちなみに、30代を境に彼は行方不明になっている。
異界渡りをしたかさせられたと言われてもいるな。」
「色々と過ごそうな人だな…。」
「ただ、彼は今時点はただの高校生。
今の君や私よりも精神年齢は確実にガキンチョ。すなわちクソガキの極みだ。
相手の仕方次第ではキレたり見放される恐れもある。
ちなみに思春期特有の部分もあるからな。
男の我々よりも女が相談を持ちかけた方が快く引き受けてくれるだろう。
あとは、金銭的問題で我々のいるこの土地に本人が来るのは無理だ。
故に彼は身の回りの精霊や神様達を依頼に合わせて、風に乗せて使わせてくる。
我々はそうやってきてくれた神や精霊達にお願いをして力を貸して貰えば良い。」
「なるほど…。んじゃ、依頼は茉莉花か梨花にしてもらうとするか…。」
「彼の霊能力はあくまでも声を聞くこと。
霊視はほぼ出来ない。風を通して気配を感知するくらいはできるようだが、まぁそこまでだ。
ただ、檜山くんのあの側にいる悪鬼の気配を感じ取ることはおそらく可能であろう。
檜山くんの写真を顔を隠して送り、彼に何かついてませんかー?最近様子が変なんですー。みたいな感じでミレーヌ様の名前を出した上で依頼を行い、そして使わせて貰った神様達の力を借りて悪鬼を討伐する。」
「なるほど。
ただ、あの悪鬼の力がわからないのに討伐できる見込みはあるのか?」
「あぁ、それなら全く心配ない。
龍神に天狗に天狐にと彼の側にいる者たちの力は尋常ではないからね。
彼自身は現代の安倍晴明とまでは行かなくとも、彼の側に控える者達の力はとてつもなく強い。
あの程度の悪鬼ならワンパンだろう。」
「そか。随分と詳しいんだな。
その人について。」
「あぁ、私も10代の当時に彼とコンタクトを取っていた人間の1人だからね。
流石に私にとっては何百年も前だから忘れていたが。
さて、どうやら茉莉花くんに頼んでおいたご依頼が完了したようだね。」
「おぉ、いつのまに…。」
「善は急げ。って奴だよ。
とりあえず今は茉莉花くんの側にまでは来てくれてるみたいだ。
話をしてみないとだね。」
「だけど、悪鬼の件よりも重要なのは細河先生の件だよな。
その悪鬼がどこか異界へ飛ばしてしまったのか、それ以外のなにかが原因なのか…。」
「そうだね…。そこ含めて彼等の力を借りられれば良いのだが…。
ひとまず、彼等はもともと神霊界という異界の住人だ。
当然ながら世界を渡る力を持っているし、力を借りられればなんとかなるだろう。」
「それだけの存在の力を借りられてて力を失った彼は一体何者なんだよ…。」
「そうだねぇ…。
霊能者と言うにはいささかお粗末過ぎる。
どちらかといえば…愛される者だね。
そう、まさしく凛とした華のように愛される者だよ。」
「ふうん。いろんな人が世の中にゃいるんだなぁ。」
「私の世界では失われた存在だが、果たしてこの世界の彼は私の知る彼にどれほどまでに近い人間であるか…だな。
それにしても、悪鬼が追いかけてこないのも不可解だな。檜山くんの側から動けないのは間違いないとして、攻撃すらしてこないのも不思議だ…。あれは一体…。」
「檜山の願いが具現化した存在なのだとしたらどんな者だと思う?」
「ううむ…。そこは嶺二に聞いてみるのが的確であろう。
今時点においては彼の知る檜山くんとは違う気もするのだがね…。」
ひとまず俺たちは、悪霊退治の専門家の鈴夜くんが寄越してきた神様達に会いに行くことにしたのであった。
この時間軸だと彼はまだ高校生だな。
来歴としては幼少より妖精や神を愛し、知らずのうちにそれらの声を聞く能力を持っていくことになった少年。
高校生になりネット世界にどっぷり浸かってる時にひとりの霊能者に出会い、その人物を通して、その声が真実である事と神や精霊に愛される魅了の能力を持つことを知らされる。
以後、自分の側にいる精霊や神様達の力を借りて人々の様々な悩みを聞いたり解決してきていた。
彼が成人を迎えたであろう時期からぷっつりとネットの世界からは姿を消したとされている。
知る人ぞ知る有名人だったそうだ。」
「ほへー。てことは俺と同い年くらいってことか…。」
「ちなみに彼の作るアクセサリー類は不思議とさまざまな霊能力を持っていたり、ブースターになると言う噂が一部で出て来ていてね。
魔術師や霊能者御用達のアクセになったそうだ。また、彼の作ったアクセサリーは異世界ではレジェンド級のアーティファクト扱いされたらしい。
20代後半で霊能力をほぼ完全に失った代わりにそのような能力に目覚めたそうだ。
ちなみに、30代を境に彼は行方不明になっている。
異界渡りをしたかさせられたと言われてもいるな。」
「色々と過ごそうな人だな…。」
「ただ、彼は今時点はただの高校生。
今の君や私よりも精神年齢は確実にガキンチョ。すなわちクソガキの極みだ。
相手の仕方次第ではキレたり見放される恐れもある。
ちなみに思春期特有の部分もあるからな。
男の我々よりも女が相談を持ちかけた方が快く引き受けてくれるだろう。
あとは、金銭的問題で我々のいるこの土地に本人が来るのは無理だ。
故に彼は身の回りの精霊や神様達を依頼に合わせて、風に乗せて使わせてくる。
我々はそうやってきてくれた神や精霊達にお願いをして力を貸して貰えば良い。」
「なるほど…。んじゃ、依頼は茉莉花か梨花にしてもらうとするか…。」
「彼の霊能力はあくまでも声を聞くこと。
霊視はほぼ出来ない。風を通して気配を感知するくらいはできるようだが、まぁそこまでだ。
ただ、檜山くんのあの側にいる悪鬼の気配を感じ取ることはおそらく可能であろう。
檜山くんの写真を顔を隠して送り、彼に何かついてませんかー?最近様子が変なんですー。みたいな感じでミレーヌ様の名前を出した上で依頼を行い、そして使わせて貰った神様達の力を借りて悪鬼を討伐する。」
「なるほど。
ただ、あの悪鬼の力がわからないのに討伐できる見込みはあるのか?」
「あぁ、それなら全く心配ない。
龍神に天狗に天狐にと彼の側にいる者たちの力は尋常ではないからね。
彼自身は現代の安倍晴明とまでは行かなくとも、彼の側に控える者達の力はとてつもなく強い。
あの程度の悪鬼ならワンパンだろう。」
「そか。随分と詳しいんだな。
その人について。」
「あぁ、私も10代の当時に彼とコンタクトを取っていた人間の1人だからね。
流石に私にとっては何百年も前だから忘れていたが。
さて、どうやら茉莉花くんに頼んでおいたご依頼が完了したようだね。」
「おぉ、いつのまに…。」
「善は急げ。って奴だよ。
とりあえず今は茉莉花くんの側にまでは来てくれてるみたいだ。
話をしてみないとだね。」
「だけど、悪鬼の件よりも重要なのは細河先生の件だよな。
その悪鬼がどこか異界へ飛ばしてしまったのか、それ以外のなにかが原因なのか…。」
「そうだね…。そこ含めて彼等の力を借りられれば良いのだが…。
ひとまず、彼等はもともと神霊界という異界の住人だ。
当然ながら世界を渡る力を持っているし、力を借りられればなんとかなるだろう。」
「それだけの存在の力を借りられてて力を失った彼は一体何者なんだよ…。」
「そうだねぇ…。
霊能者と言うにはいささかお粗末過ぎる。
どちらかといえば…愛される者だね。
そう、まさしく凛とした華のように愛される者だよ。」
「ふうん。いろんな人が世の中にゃいるんだなぁ。」
「私の世界では失われた存在だが、果たしてこの世界の彼は私の知る彼にどれほどまでに近い人間であるか…だな。
それにしても、悪鬼が追いかけてこないのも不可解だな。檜山くんの側から動けないのは間違いないとして、攻撃すらしてこないのも不思議だ…。あれは一体…。」
「檜山の願いが具現化した存在なのだとしたらどんな者だと思う?」
「ううむ…。そこは嶺二に聞いてみるのが的確であろう。
今時点においては彼の知る檜山くんとは違う気もするのだがね…。」
ひとまず俺たちは、悪霊退治の専門家の鈴夜くんが寄越してきた神様達に会いに行くことにしたのであった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
ずぶ濡れで帰ったら彼氏が浮気してました
宵闇 月
恋愛
突然の雨にずぶ濡れになって帰ったら彼氏が知らない女の子とお風呂に入ってました。
ーーそれではお幸せに。
以前書いていたお話です。
投稿するか悩んでそのままにしていたお話ですが、折角書いたのでやはり投稿しようかと…
十話完結で既に書き終えてます。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?
おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。
『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』
※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。
王妃から夜伽を命じられたメイドのささやかな復讐
当麻月菜
恋愛
没落した貴族令嬢という過去を隠して、ロッタは王宮でメイドとして日々業務に勤しむ毎日。
でもある日、子宝に恵まれない王妃のマルガリータから国王との夜伽を命じられてしまう。
その理由は、ロッタとマルガリータの髪と目の色が同じという至極単純なもの。
ただし、夜伽を務めてもらうが側室として召し上げることは無い。所謂、使い捨ての世継ぎ製造機になれと言われたのだ。
馬鹿馬鹿しい話であるが、これは王命─── 断れば即、極刑。逃げても、極刑。
途方に暮れたロッタだけれど、そこに友人のアサギが現れて、この危機を切り抜けるとんでもない策を教えてくれるのだが……。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる