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君、死にたもうことなかれ。
ネ申× ネコ○
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「改めて問おう。君は何者だ?
私が招き入れた覚えのない存在なのは認識していたが、所詮畜生如きなんの影響も起こさないと思っていたのだが…。
何故、貴様から神格を感じる?
どこの神だ?」
「みゃあはみゃあだにゃ。どこもなにもない。
この地に昔から居る言わば土地神よ。」
ぶみゃあの周りを煙が覆っていく。
「人の姿になるなど、何百年ぶりかのう…。
お前がロクでもないことをしでかしてくれようとしてたのでな。
事が大きくなる前にとこの世界に入り込んだのじゃ。」
ネコ耳に長い銀髪に金眼。
誰が見ても美しいと思うような妖艶でしなやかな肢体に、着崩した着物。
その姿はまさに神と呼ばねばならない程の代物…。
「貴様ら土地神は傍観者としての役割のはずだ。何故に観測者側の領域に踏み込んでいる?」
「それは、我がご主人が私が猫神と化す前に願っておったからじゃよ。
沢山の人を幸せにしてあげてとの。
じゃから、死後土地神となったワシはその願いを叶えるべくこうして降臨した次第じゃ。」
「なるほどな…。神にとって人の願いは大きな力を与える…。
信仰こそ神の力の源…。
そして、お前は主人の信仰の力を持ってこの世界に来たと…。
だが、お前の存在は色々とありえない。
そもそも、ただの猫畜生が死んですぐ土地神に…しかもこのような力を持つ神になるなどそうそう起こる事ではない。
お前、他にもまだ隠してる事があるな?」
「さぁて、なんのことかにゃ?お前だってまだまだ隠し事があろうレイヤード?」
「そう、まずそれだ。
何故私の真名を貴様走っている?
どこで聞いた?いや、もしくは誰から聞いた?」
「くふふっ、それを話したら面白く無くなるではないか。
まぁひとつ教えてやるとするなら…、お前はひとつワシ以外にも招き入れるものを誤ったというところかのう?」
「………。
どうやら、お前が土地神化からのこの世界への干渉できるようになった理由もそこにありそうだな…。
まぁ良い。
私の遊びはまだ終わっては居ないのだから…。」
「ほほう?随分と色々と焦っている様子だのう?
お前が何故ご主人をこの世界に連れてきたのか、何故ご主人の恋路の邪魔をしつつ楽しんでいるのかは知らぬが、あまり戯れが過ぎるとしっぺ返しを食うぞ?」
「やかましい。生まれたての土地神風情が私に意見するなど身の程を知るが良い。
私は私の目的の遂行のために動かせてもらうまでだ。
邪魔をするなら、この世界から切り離すまでの事…。
そもそも残しておく理由もないからな…。」
「ほほうー?良いのかのう良いのかのう?
ワシに下手な真似をしてみろ。
彼の方が知ればますますどうなることかのうー?
今はこっそりとこの世界の住人に紛れてお前を見ているようだがのう?」
「くそ…!心当たりがありすぎる!
どいつだ!どいつが私の世界にわざわざ入り込んで干渉している!」
「さぁのう~?誰だろうかのう?
おも~しろ~いのう~?
おっと、それよりもじゃ。
茉莉花…。よくぞまぁ人のことをブサ猫だとかなんだとか言ってくれたのう~?」
「えぇ、だってブサ猫じゃないですか。
人の姿に化けたところで中身はあのブサ猫じゃないですか。
そもそもメスだったんですね。
明日からは礼一郎さまの部屋から隔離しないと…。忌々しい…。わたしから礼一郎さまを奪って拾われて…。挙句この世界では一緒の部屋で寝るなんて…。
食事に玉ねぎでも混ぜてやろうかしら…。」
「おい、お前それ絶対するなよ。ほんとにやめろよお前。三代祟るぞ。」
「あ、あのー。とりあえずみなさん…。
そろそろ家に帰りません?」
お?ようやくポンコツ君も正気に戻ったか…。
「そ、そうですね。このブサ猫とそこのクソ天使は放っておいてさっさと帰宅しましょう♪梨花さんもお腹すかせて待ってるでしょうし♪」
「まてぇ!ワシも連れて帰らんか!」
「貴女も捨てられる側の気分を味わえば良いんですよ…。
挙句わたしは礼一郎さまの目の前で一度死んでると言うのに…。」
「そうじゃったな…。それは…悪いことをしたの…。すまぬ…。この通りじゃ…。」
「頭を下げたって許せませんよ…。私は…。」
再び煙に包まれ猫神が猫に戻る。
「とりあえず早く家に帰るにゃ。早くここを離れた方が良いにゃ。」
私もさっきから出しっぱなしの羽根をしまい込み人の姿に戻る。
「おい…。なんだ今感じた感覚は…。
何が入ってきた…?私の世界に…。」
「早く離れるにゃ…。こんなに集まっていては抑えてようとばれるのは時間の問題にゃ。
ま、レイヤード。積もる話はまた今度にゃ。
そのうち、気が向いたら話してやるにゃ。」
「ぶみゃあ、お前本当にどこまで知っている…?」
「仕方ないにゃ…。もう一つだけ話しておくにゃ…。
さっきからお前、この世界を【私の世界】などと言っているが…すでにこの世界はお前の世界などではないにゃ。
お前、気づいてなかったのにゃ?
御劔 麗哉という役に自分も嵌め込まれていたことに…。」
「なに…?」
「もうお前の最初にやろうとしてた、ご主人を巻き込んだ恋愛シミュレーションゲームなどにうつつを抜かしてる状況じゃ無くなってるということにゃ。
これはちと…まずいことになりそうな予感にゃ…。
あ、そだにゃ。
もう一つだけ言っとくにゃ。」
「なんだ…?」
「このゲーム、今のこの状況だとどう考えてもお前の負けなんじゃないかにゃ?」
……。……………。……….?……………!!!!
ー私の寿命が文字通りの意味で縮んだ瞬間であったー
私が招き入れた覚えのない存在なのは認識していたが、所詮畜生如きなんの影響も起こさないと思っていたのだが…。
何故、貴様から神格を感じる?
どこの神だ?」
「みゃあはみゃあだにゃ。どこもなにもない。
この地に昔から居る言わば土地神よ。」
ぶみゃあの周りを煙が覆っていく。
「人の姿になるなど、何百年ぶりかのう…。
お前がロクでもないことをしでかしてくれようとしてたのでな。
事が大きくなる前にとこの世界に入り込んだのじゃ。」
ネコ耳に長い銀髪に金眼。
誰が見ても美しいと思うような妖艶でしなやかな肢体に、着崩した着物。
その姿はまさに神と呼ばねばならない程の代物…。
「貴様ら土地神は傍観者としての役割のはずだ。何故に観測者側の領域に踏み込んでいる?」
「それは、我がご主人が私が猫神と化す前に願っておったからじゃよ。
沢山の人を幸せにしてあげてとの。
じゃから、死後土地神となったワシはその願いを叶えるべくこうして降臨した次第じゃ。」
「なるほどな…。神にとって人の願いは大きな力を与える…。
信仰こそ神の力の源…。
そして、お前は主人の信仰の力を持ってこの世界に来たと…。
だが、お前の存在は色々とありえない。
そもそも、ただの猫畜生が死んですぐ土地神に…しかもこのような力を持つ神になるなどそうそう起こる事ではない。
お前、他にもまだ隠してる事があるな?」
「さぁて、なんのことかにゃ?お前だってまだまだ隠し事があろうレイヤード?」
「そう、まずそれだ。
何故私の真名を貴様走っている?
どこで聞いた?いや、もしくは誰から聞いた?」
「くふふっ、それを話したら面白く無くなるではないか。
まぁひとつ教えてやるとするなら…、お前はひとつワシ以外にも招き入れるものを誤ったというところかのう?」
「………。
どうやら、お前が土地神化からのこの世界への干渉できるようになった理由もそこにありそうだな…。
まぁ良い。
私の遊びはまだ終わっては居ないのだから…。」
「ほほう?随分と色々と焦っている様子だのう?
お前が何故ご主人をこの世界に連れてきたのか、何故ご主人の恋路の邪魔をしつつ楽しんでいるのかは知らぬが、あまり戯れが過ぎるとしっぺ返しを食うぞ?」
「やかましい。生まれたての土地神風情が私に意見するなど身の程を知るが良い。
私は私の目的の遂行のために動かせてもらうまでだ。
邪魔をするなら、この世界から切り離すまでの事…。
そもそも残しておく理由もないからな…。」
「ほほうー?良いのかのう良いのかのう?
ワシに下手な真似をしてみろ。
彼の方が知ればますますどうなることかのうー?
今はこっそりとこの世界の住人に紛れてお前を見ているようだがのう?」
「くそ…!心当たりがありすぎる!
どいつだ!どいつが私の世界にわざわざ入り込んで干渉している!」
「さぁのう~?誰だろうかのう?
おも~しろ~いのう~?
おっと、それよりもじゃ。
茉莉花…。よくぞまぁ人のことをブサ猫だとかなんだとか言ってくれたのう~?」
「えぇ、だってブサ猫じゃないですか。
人の姿に化けたところで中身はあのブサ猫じゃないですか。
そもそもメスだったんですね。
明日からは礼一郎さまの部屋から隔離しないと…。忌々しい…。わたしから礼一郎さまを奪って拾われて…。挙句この世界では一緒の部屋で寝るなんて…。
食事に玉ねぎでも混ぜてやろうかしら…。」
「おい、お前それ絶対するなよ。ほんとにやめろよお前。三代祟るぞ。」
「あ、あのー。とりあえずみなさん…。
そろそろ家に帰りません?」
お?ようやくポンコツ君も正気に戻ったか…。
「そ、そうですね。このブサ猫とそこのクソ天使は放っておいてさっさと帰宅しましょう♪梨花さんもお腹すかせて待ってるでしょうし♪」
「まてぇ!ワシも連れて帰らんか!」
「貴女も捨てられる側の気分を味わえば良いんですよ…。
挙句わたしは礼一郎さまの目の前で一度死んでると言うのに…。」
「そうじゃったな…。それは…悪いことをしたの…。すまぬ…。この通りじゃ…。」
「頭を下げたって許せませんよ…。私は…。」
再び煙に包まれ猫神が猫に戻る。
「とりあえず早く家に帰るにゃ。早くここを離れた方が良いにゃ。」
私もさっきから出しっぱなしの羽根をしまい込み人の姿に戻る。
「おい…。なんだ今感じた感覚は…。
何が入ってきた…?私の世界に…。」
「早く離れるにゃ…。こんなに集まっていては抑えてようとばれるのは時間の問題にゃ。
ま、レイヤード。積もる話はまた今度にゃ。
そのうち、気が向いたら話してやるにゃ。」
「ぶみゃあ、お前本当にどこまで知っている…?」
「仕方ないにゃ…。もう一つだけ話しておくにゃ…。
さっきからお前、この世界を【私の世界】などと言っているが…すでにこの世界はお前の世界などではないにゃ。
お前、気づいてなかったのにゃ?
御劔 麗哉という役に自分も嵌め込まれていたことに…。」
「なに…?」
「もうお前の最初にやろうとしてた、ご主人を巻き込んだ恋愛シミュレーションゲームなどにうつつを抜かしてる状況じゃ無くなってるということにゃ。
これはちと…まずいことになりそうな予感にゃ…。
あ、そだにゃ。
もう一つだけ言っとくにゃ。」
「なんだ…?」
「このゲーム、今のこの状況だとどう考えてもお前の負けなんじゃないかにゃ?」
……。……………。……….?……………!!!!
ー私の寿命が文字通りの意味で縮んだ瞬間であったー
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