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始まりはいつも突然だから、いのち短し恋せよご主人
BL展開とか別に私は望んでないんだがどうしてこうなった。
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…。
ううん…。
これは、予想外の展開だ…。
私の想定の範囲を超えてしまっている…。
そして何より…誰も幸せになってない。
どうしてこうなった…。
無理やりの結果がコレなら私はどのような選択肢を取れば良かったと言うのだ…。
まぁ、流石に彼はBLに目覚めるような素質は無いと思うが…。
問題は茉莉花の方だな…。
これは私の大きなミスだ…。
ポンコツ君がよもやここまでポンコツ君だったとは…。
くそ…。
どう、救ってやれば良いんだ、こう言う時は…。
私が招いた事とは言え、自ら犯した罪とは言え、これはあんまりの結果だ…。
さて…。
檜山くんでは役不足だな。
茉莉花の感情を彼に向けるのは無理だろう。
まったく…いくら武道をやっていても悪漢の前では彼も足は震えるか…。
幸い、相手がヘタレだった故にどうにかなったと言う感じだが。
それにしてもだ…。
私を失望させるのは程々にしてくれたまえよポンコツ君…。
仕方ないな…。
なるようになるのを待つよりは、観測者である私が彼に干渉する方が吉というところか…。
まったく…。世話の焼ける奴だ。
私は彼の背後に降り立ち、ポンコツ君の背中に思いっきり蹴りを入れてやった。
「何を惚けているのだこの戯けが。」
おっと…、檜山君と抱き合ってるのを忘れていた。
幸いありがちなラッキースケベ的なBLキッスにはならなかったようだが、一緒に蹴り飛ばされた檜山くんは気絶してしまった…。
まぁ良い、好都合だ。
「何しやがるクソ天使!!」
「クソはどっちだこの戯けものが!貴様は自分が何をしでかしたのかわかっているのか!」
「知るか!なんで俺が茉莉花に買い物袋投げつけられてんだ!どうせお前のせいだろ!?
お前が俺の邪魔をしたいからってこんなこと仕込んだんだろ!きっちり話せよ!」
ぐぅ…。たしかに私のせいでもあるので少し反論し難いな…。
「わかった…。事情は話す。
確かにこれは私のミスだ。」
私も予想外の事態に少し冷静さを欠いていた。
ひとまず、事の経緯を手短に話してみる。
私が檜山くんを茉莉花に惚れさせようと運気の操作をしたと言うところまではだが。
「はぁ…。なんだそれ…。怒り通り越して呆れたぞ…。」
「ぐぅの音も出ないよ。
確かに少しことを急ぎ過ぎた。
私も戯れが過ぎたよ。反省はしている。
が、君も君だ。
何故、彼女がああなったかまだわからないか…?」
「……。要するに…あれか…?
茉莉花は俺が助けに来てくれるのを期待していたのに檜山が助けてくれたから…。」
「あながち間違いではないが、論点はおそらくそこではないな…。
彼女は自分こそ君の一番であって欲しいと願っていたのだろう。
それを君が檜山くんとBL展開など始めるから…。」
「まて、BL展開にしたつもりはない。
せいぜい抱き合っただけだ。」
「冗談はさておきだ。
彼女は一途すぎる程に一途なんだよ。
故に、君の愛が自分から少しでも途絶えたと思ったら彼女は簡単に君から離れてしまう。拗ね拗ねモードになってしまうのだ。」
彼の肩に手を置き、私はきっと今までに無い形相で彼を睨んだ。
「この経験をしたのは、君はこれが初めてでは無いはずだ。」
「どういう事だ?俺は女の子とこんな展開になったことは一度もないぞ…?むしろされてみたいぞ拗ね拗ねモード。」
「そうだな…。
人間の女の子とは、そういうことは無かったかもしれないな。
忘れてるなら、まぁ仕方ない…。
ひとまず、彼女を追ってやれ。
君が初めて彼女を見つけた山の上で、彼女は君を待っている。」
呆けた顔で彼は私に問う。
「初めてあった…山の上?
何言ってんだ?俺が茉莉花とあったのは今の自宅のベッドの上が初めてで…。」
「その言い方だと飛ばして読んでる我らが読者に誤解を招きかねんぞ。
君は私に冗談を言わせる天才か何かかな?
あそこだ。あの山は君の元いた世界の山と相違ない筈だ。
君はよく、幼い頃あの山によく登っていた筈。
そしてそこで彼女と出会いそして、彼女に恋心を抱かせていたんだ。
叶う事のない恋心をね…。
しかし、彼女もまたこうも変わらないとは思わなかったな…。
案外、態度に反してどこまでも一途な物なのだな…。」
私は檜山くんを担ぎ上げ、ポンコツ君に山にすぐ向かうように促した。
わからぬならわからなくても良い。
気付けぬなら気付かぬとも良い。
だが、君はあそこに行けば…必ず思い出す。
彼女の事とその出会いを…。
ううん…。
これは、予想外の展開だ…。
私の想定の範囲を超えてしまっている…。
そして何より…誰も幸せになってない。
どうしてこうなった…。
無理やりの結果がコレなら私はどのような選択肢を取れば良かったと言うのだ…。
まぁ、流石に彼はBLに目覚めるような素質は無いと思うが…。
問題は茉莉花の方だな…。
これは私の大きなミスだ…。
ポンコツ君がよもやここまでポンコツ君だったとは…。
くそ…。
どう、救ってやれば良いんだ、こう言う時は…。
私が招いた事とは言え、自ら犯した罪とは言え、これはあんまりの結果だ…。
さて…。
檜山くんでは役不足だな。
茉莉花の感情を彼に向けるのは無理だろう。
まったく…いくら武道をやっていても悪漢の前では彼も足は震えるか…。
幸い、相手がヘタレだった故にどうにかなったと言う感じだが。
それにしてもだ…。
私を失望させるのは程々にしてくれたまえよポンコツ君…。
仕方ないな…。
なるようになるのを待つよりは、観測者である私が彼に干渉する方が吉というところか…。
まったく…。世話の焼ける奴だ。
私は彼の背後に降り立ち、ポンコツ君の背中に思いっきり蹴りを入れてやった。
「何を惚けているのだこの戯けが。」
おっと…、檜山君と抱き合ってるのを忘れていた。
幸いありがちなラッキースケベ的なBLキッスにはならなかったようだが、一緒に蹴り飛ばされた檜山くんは気絶してしまった…。
まぁ良い、好都合だ。
「何しやがるクソ天使!!」
「クソはどっちだこの戯けものが!貴様は自分が何をしでかしたのかわかっているのか!」
「知るか!なんで俺が茉莉花に買い物袋投げつけられてんだ!どうせお前のせいだろ!?
お前が俺の邪魔をしたいからってこんなこと仕込んだんだろ!きっちり話せよ!」
ぐぅ…。たしかに私のせいでもあるので少し反論し難いな…。
「わかった…。事情は話す。
確かにこれは私のミスだ。」
私も予想外の事態に少し冷静さを欠いていた。
ひとまず、事の経緯を手短に話してみる。
私が檜山くんを茉莉花に惚れさせようと運気の操作をしたと言うところまではだが。
「はぁ…。なんだそれ…。怒り通り越して呆れたぞ…。」
「ぐぅの音も出ないよ。
確かに少しことを急ぎ過ぎた。
私も戯れが過ぎたよ。反省はしている。
が、君も君だ。
何故、彼女がああなったかまだわからないか…?」
「……。要するに…あれか…?
茉莉花は俺が助けに来てくれるのを期待していたのに檜山が助けてくれたから…。」
「あながち間違いではないが、論点はおそらくそこではないな…。
彼女は自分こそ君の一番であって欲しいと願っていたのだろう。
それを君が檜山くんとBL展開など始めるから…。」
「まて、BL展開にしたつもりはない。
せいぜい抱き合っただけだ。」
「冗談はさておきだ。
彼女は一途すぎる程に一途なんだよ。
故に、君の愛が自分から少しでも途絶えたと思ったら彼女は簡単に君から離れてしまう。拗ね拗ねモードになってしまうのだ。」
彼の肩に手を置き、私はきっと今までに無い形相で彼を睨んだ。
「この経験をしたのは、君はこれが初めてでは無いはずだ。」
「どういう事だ?俺は女の子とこんな展開になったことは一度もないぞ…?むしろされてみたいぞ拗ね拗ねモード。」
「そうだな…。
人間の女の子とは、そういうことは無かったかもしれないな。
忘れてるなら、まぁ仕方ない…。
ひとまず、彼女を追ってやれ。
君が初めて彼女を見つけた山の上で、彼女は君を待っている。」
呆けた顔で彼は私に問う。
「初めてあった…山の上?
何言ってんだ?俺が茉莉花とあったのは今の自宅のベッドの上が初めてで…。」
「その言い方だと飛ばして読んでる我らが読者に誤解を招きかねんぞ。
君は私に冗談を言わせる天才か何かかな?
あそこだ。あの山は君の元いた世界の山と相違ない筈だ。
君はよく、幼い頃あの山によく登っていた筈。
そしてそこで彼女と出会いそして、彼女に恋心を抱かせていたんだ。
叶う事のない恋心をね…。
しかし、彼女もまたこうも変わらないとは思わなかったな…。
案外、態度に反してどこまでも一途な物なのだな…。」
私は檜山くんを担ぎ上げ、ポンコツ君に山にすぐ向かうように促した。
わからぬならわからなくても良い。
気付けぬなら気付かぬとも良い。
だが、君はあそこに行けば…必ず思い出す。
彼女の事とその出会いを…。
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