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始まりはいつも突然だから、いのち短し恋せよご主人
疑心暗鬼
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最近、兄様の様子がおかしい。
私の兄様はこんな方だったかしら…?
まず、見た目のだらしなさ…。
以前なら髪は横と後ろに流す程度のセットだったのにツンツンヘアー…。
ワイシャツはだらしなく着崩し、内側に柄物のTシャツ…。
普段は家の外ではコンタクトだったのに最近はメガネしかかけてないし…。
うーん…。二学期が始まった辺りからかしら…?
流石に目に余ってきたような…。
は!まさか、夏休み明けで浮かれていた所に変な悪友が現れて兄様を悪の道に…?
いや…そんな訳が…、でもこれは流石に…不安すぎる…。
私は私より1年長く兄様と住んでいる茉莉花に意見を求めることにした。
頬杖をつきながら呆れ顔で思わず聞いてみる。
「ねぇ、茉莉花。兄様のこと…。どう思う?」
途端、茉莉花がびくっと身を震わせて身構えてしまった。
え?何…?まさか兄様ったら家政婦が自分に懐いてるからって…、手を出したとでも言うの?
「どうしたの茉莉花?もしかして、貴女…。」
私が真剣な顔で茉莉花を見つめると
「……っ!も、申し訳ありませんお嬢様!!」
あぁぁ…うそでしょう…?確かに茉莉花は可愛らしいけどまだ15なのにまさか…手を出しちゃったの…?
「わたくしは…私はご主人様…いえ、礼一郎様のことをずっと以前よりお慕い…いえ、愛しておりました!」
はい?えぇまあそうよね。抱かれてるんだからそうなるわよね。
「いつかこう言う日が来ると思っておりました…!礼一郎様は素敵な殿方ですもの…。
礼一郎様のお嫁様になることが叶わない梨花様といつか衝突することになるのではないかと…!ずっと…ずっと考えておりました。」
そかぁー、そんなに愛しちゃってるかー。
え?なんて??
「待った!待った茉莉花。少し待った。
いや、ね、今聞きたいのはそんな事じゃないの。
いやまぁ、アンタの惚気話は正直すごい心地良いけど今聞きたいのはそう言う事じゃないの。」
途端きょとんとする茉莉花。
あぁもうほんとこの子は可愛いわね。
「心地良いですかぁ?でしたらいくらでもお話し致します!私がなぜ礼一郎様をこんなにも愛しているか♪」
正直気になるけど口を遮って再び私は問う。
「そう言う意味じゃなくて…、そうね…。
変な聞き方かもしれないけど、あの今の兄様は…私たちの知ってるお兄様かしら…?」
「はい!礼一郎様はいつも素敵で優しくてカッコいいです!」
だめだこいつ…早くなんとかしないと…。
「そうね!私の兄様は素敵で優しくてカッコ良い…いえ、カッコよかった!
ただ、ね、最近の兄様はその…。
別人…と言うとまた何か違うような…。
そう…、アレよ!まず、見た目に無頓着になったと思わない?」
「そう…ですね。
確かに以前はピシッと制服を着用されてましたし、髪の毛もあんなにツンツンにはしておられませんでした…。
それに、メガネは家の中でしか着用されてませんでしたし…。
アニメとかも多少は嗜んでおられましたが、あのようなお人形を買うほどでは…なかったかと…。」
「そう!それよ!!まさにそれ!
わかったアレよ!あれ!なんか急にまるでイキったヲタクみたいになったのよ!」
「…。なにかあったのでしょうか…。
たとえば、その…そう言う所に心の拠り所を求めてしまうような…。」
「そうよね。普通こんな可愛い家政婦を毎晩抱いてたら誰も二次元になんか逃げないわよ。」
あ……。
「り、りかちゃん!私そんな…!礼一郎さんに抱かれたりなんかしてないよ!!」
やっちゃったかな…。素になってる…。
「ご、ごめん!茉莉花!
はぁ、なにいってんだろ私…。テンパりすぎでしょ…。」
「でも、確かに最近の礼一郎さんは…変かもしれませんね…。
もしかして…。」
「あ、茉莉花も気づいてきた?私もそう思うのよね…。」
そう、兄様がおかしくなったのはきっと…。
「あの、顔だけイケメンな悪友のせいね!!」
ーイケメン天使、ライバルになる前に女子の敵になるのではないかと言う疑惑が生まれた瞬間であるー
私の兄様はこんな方だったかしら…?
まず、見た目のだらしなさ…。
以前なら髪は横と後ろに流す程度のセットだったのにツンツンヘアー…。
ワイシャツはだらしなく着崩し、内側に柄物のTシャツ…。
普段は家の外ではコンタクトだったのに最近はメガネしかかけてないし…。
うーん…。二学期が始まった辺りからかしら…?
流石に目に余ってきたような…。
は!まさか、夏休み明けで浮かれていた所に変な悪友が現れて兄様を悪の道に…?
いや…そんな訳が…、でもこれは流石に…不安すぎる…。
私は私より1年長く兄様と住んでいる茉莉花に意見を求めることにした。
頬杖をつきながら呆れ顔で思わず聞いてみる。
「ねぇ、茉莉花。兄様のこと…。どう思う?」
途端、茉莉花がびくっと身を震わせて身構えてしまった。
え?何…?まさか兄様ったら家政婦が自分に懐いてるからって…、手を出したとでも言うの?
「どうしたの茉莉花?もしかして、貴女…。」
私が真剣な顔で茉莉花を見つめると
「……っ!も、申し訳ありませんお嬢様!!」
あぁぁ…うそでしょう…?確かに茉莉花は可愛らしいけどまだ15なのにまさか…手を出しちゃったの…?
「わたくしは…私はご主人様…いえ、礼一郎様のことをずっと以前よりお慕い…いえ、愛しておりました!」
はい?えぇまあそうよね。抱かれてるんだからそうなるわよね。
「いつかこう言う日が来ると思っておりました…!礼一郎様は素敵な殿方ですもの…。
礼一郎様のお嫁様になることが叶わない梨花様といつか衝突することになるのではないかと…!ずっと…ずっと考えておりました。」
そかぁー、そんなに愛しちゃってるかー。
え?なんて??
「待った!待った茉莉花。少し待った。
いや、ね、今聞きたいのはそんな事じゃないの。
いやまぁ、アンタの惚気話は正直すごい心地良いけど今聞きたいのはそう言う事じゃないの。」
途端きょとんとする茉莉花。
あぁもうほんとこの子は可愛いわね。
「心地良いですかぁ?でしたらいくらでもお話し致します!私がなぜ礼一郎様をこんなにも愛しているか♪」
正直気になるけど口を遮って再び私は問う。
「そう言う意味じゃなくて…、そうね…。
変な聞き方かもしれないけど、あの今の兄様は…私たちの知ってるお兄様かしら…?」
「はい!礼一郎様はいつも素敵で優しくてカッコいいです!」
だめだこいつ…早くなんとかしないと…。
「そうね!私の兄様は素敵で優しくてカッコ良い…いえ、カッコよかった!
ただ、ね、最近の兄様はその…。
別人…と言うとまた何か違うような…。
そう…、アレよ!まず、見た目に無頓着になったと思わない?」
「そう…ですね。
確かに以前はピシッと制服を着用されてましたし、髪の毛もあんなにツンツンにはしておられませんでした…。
それに、メガネは家の中でしか着用されてませんでしたし…。
アニメとかも多少は嗜んでおられましたが、あのようなお人形を買うほどでは…なかったかと…。」
「そう!それよ!!まさにそれ!
わかったアレよ!あれ!なんか急にまるでイキったヲタクみたいになったのよ!」
「…。なにかあったのでしょうか…。
たとえば、その…そう言う所に心の拠り所を求めてしまうような…。」
「そうよね。普通こんな可愛い家政婦を毎晩抱いてたら誰も二次元になんか逃げないわよ。」
あ……。
「り、りかちゃん!私そんな…!礼一郎さんに抱かれたりなんかしてないよ!!」
やっちゃったかな…。素になってる…。
「ご、ごめん!茉莉花!
はぁ、なにいってんだろ私…。テンパりすぎでしょ…。」
「でも、確かに最近の礼一郎さんは…変かもしれませんね…。
もしかして…。」
「あ、茉莉花も気づいてきた?私もそう思うのよね…。」
そう、兄様がおかしくなったのはきっと…。
「あの、顔だけイケメンな悪友のせいね!!」
ーイケメン天使、ライバルになる前に女子の敵になるのではないかと言う疑惑が生まれた瞬間であるー
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